抑毛成分の解説と成分一覧

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抑毛成分

抑毛とは

頭髪や体毛は、生物学的には身体に重要な防御手段であり、頭部、胸部、脇、手足などを保護・防護する役割を担っていますが、昨今の生活様式の変化の中で衣服や保護製品など人為的な防護手段が現れたことから、頭髪を除いた体毛が必要でなくなってきている現状があります。

また、近年は美的感覚やファッション性の観点から体毛はむしろないほうが好ましいものと認識されつつある中で様々な体毛処理手段が開発されています。

体毛処理手段としては、

体毛処理定義
脱毛毛根部分からムダ毛を抜くことであり、一般に物理的な力を利用する。
剃毛表面に露出しているムダ毛を物理的に剃ることであり、物理的な力を利用する。
除毛表面に露出している毛を除くことであり、一般に化学的作用を利用する。
抑毛ムダ毛の成長を抑制することであり、一般に化学的作用を利用する。

このような種類があります。

体毛の成長メカニズム

体毛の成長については以下の毛髪の構造図をみてもらうとわかりやすいと思いますが、

毛髪の構造

毛は、毛細血管が蜜に分布し毛の栄養や発育を司る毛乳頭から毛母細胞に栄養が供給され、栄養を受けた毛母細胞が細胞分裂を行い、分裂した片方が毛母にとどまり次の分裂に備え、残りの片方が毛の細胞となって角化していき、次々に分裂してできる新しい細胞によって表面に押し上げられるというメカニズムによって形成されています(文献1:2002;文献2:2002)

また、毛の成長には周期があり、体毛(脇・腕・足)の毛周期については以下の毛周期図を見てもらうとわかりやすいと思いますが、

体(脇・腕・足)の毛周期

成長期に入ると約3-4ヶ月の期間、毛幹(∗1)が伸び続け、その後に毛根が退縮していく退行期が訪れ、やがて毛が脱落する休止期となり、3-6ヶ月の休止期間の後に再度成長期に入って毛幹が伸びていくというサイクルを一生繰り返します(文献3:2009)

∗1 毛幹とは、毛の皮膚から外に露出している部分のことであり、一般に毛と認識されている部位です。

抑毛アプローチ

化粧品において抑毛成分とは、体毛の成長を阻害する成分であり、実際の抑毛作用としては、

  1. 毛乳頭細胞の増殖阻害
  2. 毛母細胞の増殖抑制
  3. 毛周期における休止期の延長

主にこのように作用する成分が報告されており、この効果を有することで抑毛にアプローチします。

∗∗∗

文献一覧:
  1. 朝田 康夫(2002)「毛髪の構造と働きは」美容皮膚科学事典,346-347.
  2. 朝田 康夫(2002)「毛髪をつくる細胞は」美容皮膚科学事典,347-349.
  3. 中村 元信(2009)「毛周期と毛包幹細胞, 毛乳頭細胞」美容皮膚科学 改定2版,78-81.

抑毛成分一覧

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アマチャエキス
アマチャエキス
抑毛
休止期延長による抑毛作用目的などで化粧品に配合される成分、アマチャエキスの効果や安全性について解説します。
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ダイズエキス
ダイズエキス
保湿 色素沈着抑制 抗老化 皮脂抑制 抑毛
角質層水分量増加による保湿作用、チロシナーゼ活性阻害による色素沈着抑制作用、コラーゲン合成促進による抗老化作用、皮脂腺抑制による皮脂抑制作用、休止期延長による抑毛作用目的で化粧品に配合される成分、ダイズエキスの効果や安全性について解説します。
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ダイズ種子エキス
ダイズ種子エキス
保湿 色素沈着抑制 抗老化 皮脂抑制 抑毛
角質層水分量増加による保湿作用、チロシナーゼ活性阻害による色素沈着抑制作用、コラーゲン合成促進による抗老化作用、皮脂腺抑制による皮脂抑制作用、休止期延長による抑毛作用目的で化粧品に配合される成分、ダイズ種子エキスの効果や安全性について解説します。
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ドクダミエキス
ドクダミエキス
抗アレルギー 抑毛 消臭
ヒスタミン遊離抑制およびヒアルロニダーゼ活性阻害による抗アレルギー作用、毛乳頭および毛母細胞増殖阻害による抑毛作用、1-オクテン-3-オン生成阻害による腋臭抑制作用目的で化粧品に配合される成分、ドクダミエキスの効果や安全性について解説します。
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