ビスセテアリルアモジメチコンの基本情報・配合目的・安全性

ビスセテアリルアモジメチコン

化粧品表示名称 ビスセテアリルアモジメチコン
化粧品国際的表示名称(INCI名) Bis-Cetearyl Amodimethicone
配合目的 ヘアコンディショニング など

1. 基本情報

1.1. 定義

以下の化学式で表されるアモジメチコンの両末端をセテアリル基で置換した構造のシロキサン重合体(∗1)(∗2)アミノ変性シリコーン油です[1][2a]

∗1 シロキサン(siloxane)とは、ケイ素(元素記号:Si)と酸素(元素記号:O)を骨格とする化合物で、Si-O-Si結合(シロキサン結合)を持つものの総称です。

∗2 重合体とは、複数の単量体(モノマー:monomer)が繰り返し結合し、鎖状や網状にまとまって機能する多量体(ポリマー:polymer)のことを指します。

ビスセテアリルアモジメチコン

1.2. 物性・性状

ビスセテアリルアモジメチコンの物性・性状は、

状態 粘度(mPa・s)
液体 5,000-20,000

このように報告されています[3a]

2. 化粧品としての配合目的

化粧品に配合される場合は、

  • なめらかさ向上によるヘアコンディショニング作用

主にこれらの目的で、トリートメント製品、コンディショナー製品、ヘアカラー製品、シャンプー製品、アウトバストリートメント製品に使用されています。

以下は、化粧品として配合される目的に対する根拠です。

2.1. なめらかさ向上によるヘアコンディショニング作用

なめらかさ向上によるヘアコンディショニング作用に関しては、まず前提知識として毛髪の構造と毛髪ダメージとその原因について解説します。

毛髪の構造については、以下の毛髪構造図をみてもらうとわかりやすいと思いますが、

毛髪の構造

キューティクル(毛小皮)とよばれる5-10層で重なり合った平らかつうろこ状の構造からなる厚い保護外膜が表面を覆い、キューティクル内部は紡錘状細胞から成り繊維体質の大部分を占めるコルテックス(毛皮質)およびメデュラ(毛髄質)とよばれる多孔質部分で構成されています[4a]

また、細胞膜複合体(CMC:Cell Membrane Complex)がこの3つの構造を接着・結合しており、毛髪内部の水分保持や成分の浸透・拡散の主要通路としての役割を担っています[4b]

これら毛髪構造の中でキューティクルは、摩擦、引っ張り、曲げ、紫外線への曝露などの影響による物理的かつ化学的劣化に耐性をもち、その配列が見た目の美しさや感触特性となります[5a]

一方で、キューティクルはシャンプーや毎日の手入れなどの物理的要因、あるいはヘアアイロン、染毛・脱色、パーマなど化学的要因によるダメージに対して優れた耐性を有しているものの、以下の図をみてもらうとわかるように、

毛髪状態の違い

これらのダメージが重なり合い繰り返されるうちに劣化していき、最終的にキューティクルのめくれ上がりや毛髪繊維の弱化につながることが知られています[5b][6]

このような背景から、損傷したキューティクルを平らに寝かせてなめらかにすることやツヤを向上させることは、毛髪の外観や感触の改善において重要なアプローチのひとつであると考えられています。

ビスセテアリルアモジメチコンは、アモジメチコンの両末端をセテアリル基で置換したアミノ変性シリコーンであり、両末端に長鎖アルキルであるセテアリル基をもつことで、べたつかずサラサラした感触のなめらかさを付与します[2b][3b]

毛髪の健常部に親和性がある長鎖アルキル基と、ダメージを受けて表面に露出した親水部に親和性があるアミノ基を併せ持つことで、毛髪を均一に覆いうことができる特徴から[2c]、幅広いダメージレベルの毛髪に対応できるコンディショニング剤として、トリートメント製品、コンディショナー製品、ヘアカラー製品、シャンプー製品、アウトバストリートメント製品などに使用されています。

3. 安全性評価

ビスセテアリルアモジメチコンの現時点での安全性は、

  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし(データなし)
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

3.1. 皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)

10年以上の使用実績がある中で重大な皮膚刺激および皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

3.2. 眼刺激性

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細不明です。

4. 参考文献

  1. 日本化粧品工業連合会(2013)「ビスセテアリルアモジメチコン」日本化粧品成分表示名称事典 第3版,792.
  2. abc堀江 豊(2014)「シリコーンヘアコンディショニング剤」化粧品の安全・安心の科学 -パラベン・シリコーン・新原料,128-136.
  3. abMomentive Performance Materials Inc.(2011)「SILSOFT AX」Technical Data Sheet.
  4. abクラーレンス・R・ロビンス(2006)「毛形態学的構造および高次構造」毛髪の科学,1-68.
  5. abデール・H・ジョンソン(2011)「毛髪のコンディショニング」ヘアケアサイエンス入門,77-122.
  6. クラーレンス・R・ロビンス(2006)「シャンプー、髪の手入れ、ウェザリング(風化)による毛髪ダメージおよび繊維破断」毛髪の科学,293-328.

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