アクリレーツコポリマーアンモニウムとは…成分効果と毒性を解説

皮膜形成 接着
アクリレーツコポリマーアンモニウム
[化粧品成分表示名称]
・アクリレーツコポリマーアンモニウム

[医薬部外品表示名称]
・アクリル酸アルキル共重合体エマルション(2)

化学構造的にアクリル酸系水溶性高分子であるアクリレーツコポリマーのアンモニウム塩であり、アクリレーツコポリマーに分類されるアクリル酸系水溶性高分子です。

アクリレーツコポリマーアンモニウムは、化粧品表示名称においてアクリル酸アルキルコポリマーアンモニウムと記載されることがありますが、これらは実質的に同じ成分です。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的でメイクアップ化粧品、まつ毛美容液などに使用されています。

皮膜形成

皮膜形成に関しては、乾くと耐水性および透過性の高い皮膜を形成することから(文献2:-)、アイライナー、アイシャドー、マスカラ、アイブロー、リキッドルージュ、まつ毛美容液などに使用されています。

接着

接着に関しては、アクリレーツコポリマーアンモニウムの種類によっては粘着力に優れ、剥がれても再接着可能な特性を有するものがあり、粘着力に優れた特性をもつものは、つけまつ毛の接着剤、二重まぶた化粧品などに用いられています(文献3:-)

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の1998年および2018年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、ヘアコンディショナー、ボディソープ、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

アクリレーツコポリマーアンモニウムの配合製品数と配合量の調査結果(1998年および2018年)

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アクリレーツコポリマーアンモニウムの安全性(刺激性・アレルギー)について

アクリレーツコポリマーアンモニウムの現時点での安全性は、

  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:ほとんどなし
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2002)によると、

  • [動物試験] 3匹のウサギの剃毛した皮膚に30%アクリレーツコポリマーアンモニウムを含む混合物を4時間半閉塞パッチ適用し、パッチ除去1,24,48および72時間後に皮膚刺激性を評価したところ、1時間で1匹のウサギに最小限の紅斑が観察されたが、他の2匹に刺激反応は観察されず、この試験物質は実質的に非刺激性であると結論付けられた(Allied Colloids,1997)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、皮膚刺激なしと報告されているため、皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2002)によると、

  • [動物試験] 3匹のウサギの片眼に30%アクリレーツコポリマーアンモニウムを含む混合物を点眼し、点眼1,24,48および72時間後に眼刺激性を評価したところ、1時間で1匹のウサギにわずかな結膜発赤が観察されたが、他の2匹に眼刺激反応は観察されず、この試験物質はウサギの眼に対して実質的に非刺激性であると結論付けられた(Allied Colloids,1997)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、実質的に眼刺激性なしと報告されているため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

医薬部外品原料規格2006に収載されており、10年以上の使用実績がある中で重大な皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

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アクリレーツコポリマーアンモニウムは皮膜形成剤にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:皮膜形成剤

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文献一覧:

  1. Cosmetic Ingredient Review(2002)「Final Report on the Safety Assessment of Acrylates Copolymer and 33 Related Cosmetic Ingredients」International Journal of Toxicology(21)(suppl_3),1-50.
  2. 大同化成工業株式会社(-)「ビニゾール 1086WP」技術資料.
  3. 大同化成工業株式会社(-)「ビニゾール 1087FT」技術資料.

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