イソステアリン酸デキストリンとは…成分効果と毒性を解説

皮膜形成 付着 表面処理
イソステアリン酸デキストリン
[化粧品成分表示名称]
・イソステアリン酸デキストリン

化学構造的に多糖類の一種であるデキストリンの水酸基に高級脂肪酸の一種であるイソステアリン酸を結合した油溶性(疎水性)の樹脂状物質(糖脂肪酸エステル:油溶性高分子エステル)です。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、ウォータープルーフ系製品、リップケア製品、メイクアップ化粧品、日焼け止め製品、スキンケア化粧品などに使用されています(文献1:2015;文献2:2016)

耐水性の皮膜形成

耐水性の皮膜形成に関しては、炭化水素、エステル油および植物油(トリグリセリド)などに溶け、速乾性を有していることから柔軟性と均一性に優れた耐水性のある被膜を素早く形成し、1.0%濃度以上の高配合ではコクと付着性を、1.0%濃度未満の低配合ではなめらかさとしなやかさ・伸びの良さを付与するため、リップ製品、メイクアップ化粧品に使用されます(文献2:2016)

耐水性を有しており、マスカラに配合した場合、涙などで滲みにくく、かつまつ毛から剥がれにくい製品を仕上げることが可能です(文献2:2016)

また、形成された被膜は柔軟性があり、肌や唇が引っ張られるような負担感・つっぱり感がなく、付着性が高く、速乾性があることから、唇や肌への密着感に優れた口紅製品、アイライナーなど動きの多いポイントメイク、コンシーラーに向いています(文献2:2016)

原料では、イソステアリン酸デキストリン単体だけでなく、配合しやすいようにトリエチルヘキサノインに溶解したものもあるため、イソステアリン酸デキストリンと一緒にトリエチルヘキサノインが配合されている場合があります。

付着

付着に関しては、なめらかな被膜を素速く形成し、肌やまつ毛などへの粉体の付着向上効果を有しているため、粉体系メイクアップ製品に配合されます(文献2:2016)

表面処理

表面処理に関しては、顔料やナイロン繊維などの粉体を表面処理することにより、肌への付着感、密着感および耐水性が向上するため、イソステアリン酸デキストリンで表面処理した粉体はメイクアップ化粧品に限らず、日焼け止め製品などに使用されます(文献2:2016)

効果・作用についての補足

パルミチン酸デキストリンに代表されるように、油溶性の糖脂肪酸エステルの多くは油に溶解することでゲル化しますが、イソステアリン酸デキストリンは増粘・ゲル化しません。

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イソステアリン酸デキストリンの安全性(刺激性・アレルギー)について

イソステアリン酸デキストリンの現時点での安全性は、

  • 5年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし(データなし)
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

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イソステアリン酸デキストリンは被膜形成剤、表面処理剤にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:皮膜形成剤 表面処理剤

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文献一覧:

  1. Cosmetic Ingredient Review(2015)「Safety Assessment of Polysaccharide Gums as Used in Cosmetics」Final Report.
  2. 今井 裕美(2016)「イソステアリン酸デキストリンのメイクアップ製品への応用」Fragrance Journal(44)(9),28-32.

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