(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル)コポリマーの基本情報・配合目的・安全性
化粧品表示名 | (アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル)コポリマー |
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INCI名 | Acrylates/Ethylhexyl Acrylate Copolymer |
配合目的 | 皮膜形成 |
1. 基本情報
1.1. 定義
アクリル酸2-エチルヘキシルとアクリル酸、メタクリル酸またはこれらの単純エステルからなるモノマー1種以上との共重合体です(∗1)[1a]。
∗1 重合体とは、複数の単量体(モノマー:monomer)が繰り返し結合し、鎖状や網状にまとまって機能する多量体(ポリマー:polymer)のことを指し、2種類以上の単量体(モノマー:monomer)がつながってできているものを共重合体(copolymer:コポリマー)とよびます。
1.2. 性状
(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル)コポリマーの性状は、
状態 | 乳白色のエマルション |
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このように報告されています[2a]。
2. 化粧品としての配合目的
- 皮膜形成
主にこれらの目的で、マスカラ製品、アイ系メイクアップ製品などに使用されています。
以下は、化粧品として配合される目的に対する根拠です。
2.1. 皮膜形成
皮膜形成に関しては、(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル)コポリマーは透明で光沢のある皮膜を形成し、カラー化粧品において色移り防止効果を付与することから、皮膜形成目的でマスカラ製品、アイライナー製品、アイシャドー製品、アイブロウ製品などに使用されています[1b][2b]。
3. 配合製品数および配合量範囲
実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の2018年の調査結果になりますが、以下のように報告されています(∗2)。
∗2 以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を指し、またリンスオフ製品は、洗い流し製品(シャンプー、ヘアコンディショナー、ボディソープ、洗顔料、クレンジングなど)を指します。
4. 安全性評価
- 15年以上の使用実績
- 皮膚刺激性:ほとんどなし(データなし)
- 眼刺激性:詳細不明
- 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)
このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般に安全性に問題のない成分であると考えられます。
以下は、この結論にいたった根拠です。
4.1. 皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)
15年以上の使用実績がある中で重大な皮膚刺激および皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般に皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。
4.2. 眼刺激性
試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細不明です。