ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)とは…成分効果と毒性を解説

エモリエント成分 保湿成分
ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)
[化粧品成分表示名称]
・ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)

[医薬部外品表示名称]
・N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル・2-オクチルドデシル)

アミノ酸の一種であるグルタミン酸、高級脂肪酸であるラウリン酸、高級アルコールであるオクチルドデカノールフィトステロールからつくられるアミノ酸系エモリエント剤(ジエステル)です。

角層へのなじみがよく、セラミドと同様にラメラ液晶を形成し、バリア機能を保護するエモリエント効果に優れているため、広く使用されています。

一応、肌表面におけるセラミドの役割を解説しておくと、肌の表面は以下の図のように角質と細胞間脂質で構成されており、

セラミド(細胞間脂質)

角質と角質を接着し、隙間を細胞間脂質で満たすことで肌のバリア機能が正常に機能し、肌内部の水分が蒸発することなく保持されます。

この細胞間脂質の約50%をセラミドが占めており、セラミドは以下の図のようにラメラ液晶という水分を挟み込む構造を形成するのですが、

セラミドがつくっているラメラ構造

ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)もセラミドと同じくラメラ構造を形成し、バリア機能の安定化や水分保持能が期待できることから擬似セラミドと呼ばれています。

セラミドに似た働きをするといっても角層に浸透してセラミドの代わりをするということではなく、あくまでも肌表面のバリア機能を補うエモリエント効果と水分保持効果ということです。

名前が似ていてややこしいのですが、類似した成分にラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/べヘニル)があり、角層水分量や経表皮水分蒸発量(TEWL)はラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/べヘニル)の試験結果とほぼ同等です。

注意点として、単独で使用する分には弱くなったバリア機能を向上させるのですが、セラミドと一緒に配合しても相乗効果は期待できず、むしろセラミドのラメラ形成を阻害するため、セラミドと一緒に配合されてないか注意が必要です。

単独配合でセラミド配合とアピールされている場合は効果は期待できますが、たとえば3種類の本物のセラミドと一緒に配合されて4種類のセラミドとアピールされている場合は、一見すごそうに感じますが、実際は相乗効果にならないということです。

セラミドは化粧品原料としてはかなり高価なので、セラミドの代替品として優れており、バリア機能向上や保湿力の訴求素材としてスキンケア化粧品を中心に広く使用されています。

また、ナノ化させることでさらにエモリエント効果を向上させることが可能で、ナノ化処方を取り入れている製品も増えてきていますが、ナノ化しているかどうか見分けるには、ナノ化に必要な水添レシチンやリゾレシチンが一緒に配合されているかどうか、また製品ページにナノ化に対する記載があるかどうかが推測の材料となります。

毛髪に対してはCMC(毛髪細胞膜複合体)様の機能をもち、損傷毛の強度を回復させる効果が報告されています。

毛髪の断面図

CMC(毛髪細胞膜複合体)とは、上図をみるとイメージできると思うのですが、コルテックス同士の間を接着する役割で、皮膚の角質と角質を接着する細胞間脂質と同じようなイメージです。

こういった毛髪のダメージ回復効果からヘアケア製品にも使用されます。

他にも高い顔料分散性を有することからメイクアップ化粧品にも使用されます。

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ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)の安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)の現時点での安全性は、皮膚刺激性はほとんどないと推測され、眼刺激性はデータ不足のため詳細不明なものの重大な皮膚感作性(アレルギー性)も報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性について

試験結果や安全性データはみあたりませんが、疑似セラミドであることや構造的に類似した成分に皮膚刺激性がないことから、皮膚刺激性はほとんどないと推測されます。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、データ不足により詳細は不明です。

皮膚感作性(アレルギー性)について

試験結果や安全性データはみあたりませんが、15年以上の使用実績と現在でも3,500以上の製品に使用されている中で、重大な皮膚感作(アレルギー)の報告はみあたらないため、皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル) 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)は毒性なし(∗1)となっており、安全性は問題ないと考えられます。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)はエモリエント成分、保湿成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:エモリエント成分 保湿成分

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