ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/べヘニル)とは…成分効果と毒性を解説

エモリエント成分 感触改良 分散 安定化成分 光沢
ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/べヘニル)
[化粧品成分表示名称]
・ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/べヘニル)

[医薬部外品表示名称]
・ジリノール酸ジ(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/べヘニル)

ダイマージリノール酸と、フィトステロールイソステアリルアルコールセタノールステアリルアルコールベヘニルアルコールを反応させて得られるダイマージリノール酸誘導体(エステル油)です。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、乳化物などのスキンケア化粧品、メイクアップ化粧品、リップ製品、日焼け止め製品、ヘアケア製品など様々な製品に使用されます(文献1:2011;文献2:-;文献3:2004)

ラノリンと同等以上の効果を有しており、アレルギーの懸念があるラノリンの代替として使用されます。

皮表水分量増加によるエモリエント作用

皮表水分量増加によるエモリエント作用に関しては、日本精化の技術情報によると、

ダイマージリノール酸ダイマールリノレイルビス(べヘニル/イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/べヘニル)、ラノリン、ワセリンまたはオリーブ油10gに精製水を0.2から0.5mLずつ滴下しながら練り込み、水が入らなくなった点を終点とし、英国薬局方、ラノリンの含水価測定法に準じて試料に対する百分率で抱水率を測定したところ、以下のグラフのように、

ダイマージリノール酸の抱水性

ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/べヘニル)は、抱水性の高さで知られるラノリンと同等の抱水性を示した。

このような検証結果が明らかにされており(文献2:-)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/べヘニル)に皮表水分量増加によるエモリエント作用が認められています。

感触改良

感触改良に関しては、ベタつきのなさおよび肌への密着性に優れており(文献3:2004)、チキソトロピー性(∗1)に富み、また皮膚上での伸びも良く、しっとり感を付与するため、スキンケア製品やメイクアップ製品に配合されます。

∗1 チキソトロピー性とは、混ぜたり振ったり、力を加えることで粘度が下がり、また時間の経過とともに元の粘度に戻る現象をいいます。よく例に出されるのはペンキで、ペンキは塗る前によくかき混ぜることで粘度が下がり、はけなどで塗りやすくなります。そしてペンキは塗られた直後に粘度が上がり(元に戻り)、垂れずに乾燥します。

顔料分散

顔料分散に関しては、日本精化の技術情報によると、

ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/べヘニル)の顔料分散性を検討するために、酸化チタンまたはベンガラに試料を20質量%加え、流動パラフィンを徐々に加えながらよくかき混ぜ、Flow Point(均一な流動性を示すようになる流動パラフィンの最小量(g/100g顔料))を求めたところ、以下のグラフのように、

ダイマージリノール酸誘導体の顔料分散性(二酸化チタン)

ダイマージリノール酸誘導体の顔料分散性(ベンガラ)

ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/べヘニル)はラノリンと同等の有意な顔料分散効果が示された。

このような検証結果が明らかにされており(文献2:-)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/べヘニル)に顔料分散効果が認められています。

顔料分散目的で化粧品に配合される場合は、口紅やリップスティックなどのリップ化粧品、アイシャドーやアイブロウまたはアイペンリスなどの目元用メイクアップ化粧品、また酸化チタンなどの紫外線散乱剤の分散目的で日焼け止め製品、チークやファンデーションなどのメイクアップ化粧品などに使用されます。

光沢付与

光沢付与に関しては、日本精化の技術情報によると、

各試料と、流動パラフィンおよびセレシンを用いて30:50:20質量%の配合比でスティック製剤を調製し、パラフィン紙に一定量を塗布し、グロスメーターで光沢度を測定したところ、以下の表のように、

試料 光沢度
なし 34
ワセリン 38
ラノリン 42
ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/べヘニル) 48
ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(べヘニル/イソステアリル/フィトステリル) 52

ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/べヘニル)は、ラノリン以上の光沢度を示した。

このような検証結果が明らかにされており(文献2:-)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/べヘニル)に光沢付与効果(ツヤ向上効果)が認められています。

乳化安定化作用

抱水性による乳化安定化作用に関しては、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/べヘニル)は抱水性が高く、乳化を安定させるため、界面活性剤を減量し製品の安全性を向上する目的で乳化物に配合されます。

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ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/べヘニル)の安全性(刺激性・アレルギー)について

ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/べヘニル)の現時点での安全性は、

  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:ほとんどなし
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)

これらの結果から、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性について

日本精化の安全性データシート(文献1:2011)によると、

  • [ヒト試験] 45人の被検者に24時間パッチテストを実施したところ、すべての被検者において陰性であった

と記載されています。

安全性データをみるかぎり、陰性と報告されているため、皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

日本精化の安全性データシート(文献1:2011)によると、

  • [in vitro試験] ウサギ角膜由来株化細胞であるSIRC細胞に被験物質の希釈液を5分間曝露した後、細胞生存率を測定したところ、非刺激性に分類された

と記載されています。

安全性データをみるかぎり、非刺激性と報告されているため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

化粧品配合量および通常使用下において、10年以上の使用実績があり、皮膚感作の報告がみあたらないことから、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

∗∗∗

ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/べヘニル)はエモリエント成分、安定化成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:エモリエント成分 安定化成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. 日本精化株式会社(2011)「Plandool」技術資料.
  2. 日本精化株式会社(-)「Plandool Series」技術資料.
  3. 日本精化株式会社(2004)「化粧料及び化粧料製造用組成物」特開2004-277285.

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