ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/べヘニル)とは…成分効果と毒性を解説

エモリエント成分 保湿成分
ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/べヘニル)
[化粧品成分表示名称]
・ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/べヘニル)

[医薬部外品表示名称]
・N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2-オクチルドデシル)

グルタミン酸、高級脂肪酸であるラウリン酸、高級アルコールであるオクチルドデカノールおよびベヘニルアルコールフィトステロールからつくられるペースト状のアミノ酸系エモリエント剤(ジエステル)です。

セラミドと同じようにラメラ液晶を形成することが確認されており、アミノ酸系のセラミド類似体として高いエモリエント効果が期待できます。

肌の表面は以下の図のように角質と細胞間脂質で構成されており、

セラミド(細胞間脂質)

角質と角質の間を埋めるように細胞間脂質が満たされていることで、肌のバリア機能が安定し、肌の水分も蒸発することなく保たれています。

この細胞間脂質の約50%がセラミドなのですが、セラミドは以下の図のように水分を挟み込むラメラ形成能を有しており、高い保水効果がありますが、

セラミドがつくっているラメラ構造

ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/べヘニル)にもラメラ形成能があり、セラミドに類似したバリア機能の向上が期待できることから擬似セラミドとも呼ばれます。

開発元のひとつである日本精化株式会社の試験によると、以下の図のように、

ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/べヘニル)配合乳液の角層水分含有量比較

未処理(何もつけていない)や流動パラフィン(ミネラルオイル)と比べて2%ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/べヘニル)配合は、2週間で約2倍の水分量となっています。

ちなみに2%濃度は実際に処方例として推奨されている濃度なので、実際に配合されている濃度に近いものです。

さらに、水分蒸発量の抑制(バリア機能の回復力)を未処置や流動パラフィン(ミネラルオイル)と比較したところ、以下のグラフのように、

ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/べヘニル)配合乳液のTEWL抑制比較

2週間ではミネラルオイルとほとんど差がないものの4週間では大きな差があり、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/べヘニル)がバリア機能を高め、水分蒸発量を長期間にわたって抑制することが認められます。

ただし、注意点として、単独で使用する分には壊れたバリア機能を向上させるのですが、セラミドと一緒に配合しても相乗効果は期待できず、むしろセラミドのラメラ形成を阻害するため、セラミドと一緒に配合されてないか注意が必要です。

ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/べヘニル)の単独配合でセラミド配合とアピールされている場合は効果は期待できますが、たとえば3種類の本物のセラミドと一緒に配合されて4種類のセラミドとアピールされていても実際は相乗効果にならないということです。

セラミドは化粧品原料としてはかなり高価なので、セラミドの代替品として優れており、バリア機能向上や保湿力の訴求素材としてスキンケア化粧品を中心に広く使用されています。

また、毛髪に対してはCMC(毛髪細胞膜複合体)様の機能を持ち、ダメージを受けた毛髪の強度を回復させる効果が報告されています。

毛髪の断面図

CMC(毛髪細胞膜複合体)とは、上図をみるとイメージできると思うのですが、コルテックス同士の間を接着する役割で、皮膚の角質と角質を接着する細胞間脂質と同じようなイメージです。

こういった毛髪のダメージ回復効果からヘアケア製品にも使用されます。

他にも高い顔料分散性を有することからメイクアップ化粧品にも使用されます。

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ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/べヘニル)の安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/べヘニル)の現時点での安全性は、皮膚刺激性および眼刺激性はなく、皮膚感作性(アレルギー性)の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性について

日本精化の安全性データシート(文献1:2011)によると、

  • [ヒト試験] 臨床安全評価反復パッチ試験の結果、非刺激性

と記載されています。

開発元の安全性データによると、非刺激性と記載されているため、皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

日本精化の安全性データシート(文献1:2011)によると、

  • [in vitro試験] ウサギ角膜上皮由来細胞(SIRC 細胞)に被験物質を暴露した後、72時間培養後のSIRC細胞の細胞生存率を評価したところ、非刺激性に分類された

と記載されています。

開発元の安全性データによると、非刺激性と記載されているため、眼刺激性はないと考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

日本精化の安全性データシート(文献1:2011)によると、

  • [ヒト試験] 臨床安全評価反復パッチ試験の結果、陰性

と記載されています。

開発元の安全性データによると、ヒト試験の結果、陰性であり、15年以上の使用実績と現在でも1,500以上の製品に使用されている中で、重大な皮膚感作(アレルギー)の報告はみあたらないため、皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/べヘニル) 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/べヘニル)は毒性なし(∗1)となっており、安全性に問題ないと考えられます。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/べヘニル)はエモリエント成分、保湿成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:エモリエント成分 保湿成分

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文献一覧:

  1. 日本精化株式会社(2011)「MATERIAL SAFETY DATA SHEET Plandool-LG1」, <https://www.nipponseika-cosme.com/products/productdetail.html?c=3eo2ocqsl1nag31264957npj64b1a0> 2018年1月23日アクセス.

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