イソエイコサンの基本情報・配合目的・安全性

化粧品表示名 イソエイコサン
INCI名 Isoeicosane
配合目的 エモリエント など

1. 基本情報

1.1. 定義

炭素数20(C20分岐脂肪族炭化水素(∗1)です[1a]

∗1 脂肪族炭化水素とは、鎖状または環状の非芳香族性の炭化水素のことです。

2. 化粧品としての配合目的

化粧品に配合される場合は、

  • エモリエント効果

主にこれらの目的で、メイクアップ製品、化粧下地製品などに使用されています。

以下は、化粧品として配合される目的に対する根拠です。

2.1. エモリエント効果

エモリエント効果に関しては、イソエイコサンは化学構造的に炭素数20で分岐鎖をもつ油状液体であり、油性感の少ない軽い感触、展延性(∗2)および皮膚の水分蒸発を抑え、その結果として皮膚に柔軟性や滑らかさを付与するエモリエント性を有していることから[1b][2][3]、メイクアップ製品、クリーム系製品などに使用されています。

∗2 展延性とは、柔軟に広がり、均等に伸びる性質のことで、薄く広がり伸びが良いことを指します。

3. 配合製品数および配合量範囲

配合製品数および配合量に関しては、海外の2010年の調査結果になりますが、以下のように報告されています(∗3)

∗3 以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を指し、またリンスオフ製品は、洗い流し製品(シャンプー、ヘアコンディショナー、ボディソープ、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

イソエイコサンの配合製品数と配合量の調査(2010年)

4. 安全性評価

イソエイコサンの現時点での安全性は、

  • 15年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:ほとんどなし-わずか
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

4.1. 皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ[4a]によると、

  • [ヒト試験] 52名のボランティアに40%イソエイコサン溶液を対象にHRIPT(皮膚刺激性&皮膚感作性試験)を実施したところ、この試験物質は皮膚刺激および皮膚感作の兆候を示さなかった(Consumer Product Testing Co,2006)
  • [ヒト試験] 106名の被検者に27.15%イソエイコサンを含むリップバームを対象にHRIPT(皮膚刺激性&皮膚感作性試験)を実施したところ、この試験製品は皮膚刺激および皮膚感作の兆候を示さなかった(Clinical Research Laboratories,1996)

このように記載されており、試験データをみるかぎり共通して皮膚刺激および皮膚感作なしと報告されているため、一般に皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

4.2. 眼刺激性

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ[4b]によると、

  • [in vitro試験] 鶏卵の漿尿膜を用いて、40%イソエイコサンを含む混合物を処理したところ(HET-CAM法)、この試験物質は非刺激剤からわずかな刺激剤に分類された(Consumer Product Testing Co,2006)

このように記載されており、試験データをみるかぎり非刺激-わずかな眼刺激が報告されていることから、一般に眼刺激性は非刺激-わずかな眼刺激を引き起こす可能性があると考えられます。

5. 参考文献

  1. ab日本化粧品工業連合会(2013)「イソエイコサン」日本化粧品成分表示名称事典 第3版,175.
  2. LANXESS Distribution GmbH(2020)「PUROLAN IEC」Product Overview.
  3. 平尾 哲二(2006)「乾燥と保湿のメカニズム」アンチ・エイジングシリーズ No.2 皮膚の抗老化最前線,62-75.
  4. abW. Johnson, et al(2012)「Safety Assessment of Isoparaffins as Used in Cosmetics」International Journal of Toxicology(31)(6_suppl),269S-295S. DOI:10.1177/1091581812463087.

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