ミネラルオイル(流動パラフィン)とは…成分効果を解説

ベース成分 エモリエント成分
ミネラルオイル(流動パラフィン)
[化粧品成分表示名称]
・ミネラルオイル

[医薬部外品表示名称]
・流動パラフィン

[慣用名]
・鉱物油

石油を蒸留して固形パラフィンを除去して精製して得られる無臭で無色透明の液状オイルです。

ミネラルオイルは、ワセリンと同じく石油から得られる鉱物油で、室温の場合、

  • 液体=ミネラルオイル
  • 個体=ワセリン

というように本質的に同じ成分です。

流動パラフィンとも呼ばれており、サラッとした液体でワセリンと同じ物質なので、安全性が高く、肌への浸透性がほとんどなく肌表面にとどまりやすいため、肌の水分蒸発を防ぐエモリエント機能に優れています。

低刺激で安定性も高く乳化特性もあるので、乳液やクリームなどのオイルによく使用されたり、油性のメイク成分とよくなじむのでクレンジングやヘアクリームの油性成分としてもよく使用されます。

スポンサーリンク

ミネラルオイルの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

ミネラルオイルは石油由来の鉱物油なので肌に悪そうというイメージがあるかもしれませんが、このイメージは誤りです。

最初のほうでミネラルオイルは液体か固体かの違いだけでワセリンと同様の成分であると伝えましたが、石油由来の合成原料は99.9%以上の精製度で統合されており、安全性試験において安全性は確認されています。

毒性や刺激性はなく、精製度の高さからアレルギー(皮膚感作性)もほとんどなく報告もないため、敏感肌やアトピー肌の方でも安全に使用できる成分だと考えられます。

ネットを調べていると、鉱物油よりも天然の植物オイルのほうが安心と書かれたものを見かけますが、天然の植物オイルは精製度が低いものもあり、鉱物油よりもはるかにアレルギー反応が起こる可能性は高まります。

これだけ安全性が高いのになぜミネラルオイルの安全性やアレルギーが疑われているのかというと、1970年代に精製度が低い鉱物油を配合した化粧品を使用した方が油やけを起こしたことがニュースになり、この油やけの原因が精製度の低い鉱物油に含まれる不純物だったことが尾を引いていると考えられます。

現在は精製度の高い鉱物油が使われており、その安全性の高さから医薬品や医薬部外品の製剤原料にも使用されていますし、食品や繊維や化学品など各種産業にも幅広く使用されています。

2017年9月5日にカリフォルニア大学が運営している”Berkeley Wellness”オンラインに掲載された「ミネラルオイル:事実と神話」(文献1:2017)で改めてミネラルオイルの安全性についてQ&Aがあったので記載しておきます。

Q:ミネラルオイルは石油製品ではありませんか?安全に使用できますか?

A:答えはYes、そしてYesです。鉱物油でつくられたワセリンと同様に、ミネラルオイルは、ガソリンや石油製品を製造する際にでる安価な副産物です。

ギヤオイルやトランスミッションに使用するための未処理または軽度に処理されたミネラルオイルは不純物を含んでいて発がん性がありますが、高度に精製されたミネラルオイルでは、これらの不純物は除去されて、スキンケア製品やドラッグストアで販売されています。

Q:ミネラルオイルが肌に悪いというのは真実ですか?

A:まったくそんなことはありません。ミネラルオイルはワセリンのように皮膚の上で水をはじく油膜を形成する効果的なエモリエント剤であり、他の保湿剤やスキンケア製品と共通した化粧品成分です。

中には乾燥肌を保護するためにボトルから直接ミネラルオイルを肌に塗る方もいますし、ベビーオイルはまさにミネラルオイルです。

2012年の”U.S.Pharmacist”の記事では、ミネラルオイルはおむつかぶれにとって安全で効果的なエモリエント剤であると記載されています(文献2:2012)

Q:ミネラルオイルが毛穴に詰まりニキビや黒ずみの原因になるというのは?

A:それは神話(誤解)です。ミネラルオイルはノンコメドジェニック(ニキビの原因菌であるアクネ菌の養分になりにくい油性成分)なので、ニキビの原因にはなりませんし、毛穴を詰まらせることもなく、アレルギーが起こる可能性も低いです。

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ミネラルオイルは毒性なし(∗)となっており、毒性に関しては心配する必要はありません。

∗ 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

ミネラルオイルとセットで使用される成分と効果

・滑らかな感触の乳化剤として、以下の成分表示順で使用されます。ユニークなW/Si、W/Oクリームを作ることができます。
ミネラルオイル、(PEG-15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー
・微細な粒子であるため、滑らかでサラサラした感触を付与し、マットな効果を演出するなど化粧料の品質特性を向上させる乳化剤として、以下の成分表示順で使用されます。炭化水素油に対する膨潤性に優れ、化粧料の安定性を向上させます。
ミネラルオイル、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー
・保水性が高く肌になじみやすいソフトでしっとりした感触を与える乳化剤として、以下の成分表示順で使用されます。ユニークなW/Si、W/Oクリームを作ることができます。
ミネラルオイル、(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー
・乳化化粧品の安定性や粘性付与に使用できるミネラルオイルタイプの油性ゲルとして、以下の成分表示順で使用されます。
ステアリン酸水酸化(Al/Mg)、ミネラルオイル
・コールドプロセスで製造可能な油中分散型アニオン性ポリマー増粘剤として、以下の成分表示順で使用されます。
アクリレーツコポリマーNa、ミネラルオイル、PPG-1トリデセス-6
・コールドプロセスで製造可能な油中分散型アニオン性ポリマー増粘剤として、以下の成分表示順で使用されます。
ポリクオタニウム-37、ミネラルオイル、PPG-1トリデセス-6
・コールドプロセスで製造可能な油中分散型アニオン性ポリマー増粘剤として、以下の成分表示順で使用されます。
アクリレーツコポリマーNa、ミネラルオイル、PPG-1トリデセス-6

基本的な配合量の多い成分表示順は上記の通りですが、1%以下の成分は順不同に表示されるので、製品によっては表示順が異なっている場合があります。

∗∗∗

ミネラルオイルはベース成分、エモリエント成分にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分 エモリエント成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Berkeley Wellness”(2017)「Mineral Oil: Facts and Myths」, <http://www.berkeleywellness.com/self-care/over-counter-products/article/mineral-oil-facts-and-myths> 2017年9月12日アクセス.
  2. “U.S.Pharmacist”(2012)「Helping Parents Treat Diaper Rash」, <https://www.uspharmacist.com/article/helping-parents-treat-diaper-rash> 2017年9月12日アクセス.

スポンサーリンク

TOPへ