パルミチン酸エチルヘキシルとは…成分効果と毒性を解説

エモリエント成分
パルミチン酸エチルヘキシル
[化粧品成分表示名称]
・パルミチン酸エチルヘキシル

[医薬部外品名]
・パルミチン酸2-エチルヘキシル

高級脂肪酸のパルミチン酸と高級アルコールのエチルヘキサノールを結合させた合成ロウとも呼ばれる液状のエステル(油性成分)です。

油っぽい感触が少なく、粘度の低いサラッとした感触で、安定性や安全性にも優れたエモリエント剤として広く使用されています。

実際にどのような製品に配合されているかというと、海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに表の中の製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

パルミチン酸エチルヘキシルの配合製品数と配合量の調査

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パルミチン酸エチルヘキシルの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

パルミチン酸エチルヘキシルの現時点での安全性は、皮膚刺激性および眼刺激性はほとんどなく、重大なアレルギー(皮膚感作)の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Octyl Palmitate, Cetyl Palmitate and Isopropyl Palmitate」(文献1:1990)によると、

  • [ヒト試験] 100人の被検者に40%~50%パルミチン酸エチルヘキシルを含むメイクアップ製品、5%パルミチン酸エチルヘキシルを含むアイシャドー、5%パルミチン酸エチルヘキシルを含む保湿剤についてパッチ試験を行ったところ、すべての調剤物において陰性であった
  • [ヒト試験] 20人の被検者の背中に45.72%または46.52%パルミチン酸エチルヘキシルを含む発汗抑制スティックを24時間閉塞パッチを反復適用し、5点評価スケール(0~4)で評価したところ、刺激スコアはすべて0.0であった
  • [ヒト試験] 24人の被検者の背中に42.25%パルミチン酸エチルヘキシルを含む発汗抑制スティックを21日間反復パッチ適用したところ、21日間の平均累積刺激スコアは最大84のうち2.58であった。7人の被検者が8日以降に刺激の兆候を示し、刺激評価に加点されたが、17人の被検者は反応を示さなかった

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Alkyl Esters as Used in Cosmetic」(文献2:2015)によると、

  • [ヒト試験] 104人の被検者に77.9%パルミチン酸エチルヘキシルを含むボディオイル150μLを24時間半閉塞パッチ(Webril pad)を週3回3週間にわたって適用し、1週間の無処置期間を経て24時間チャレンジパッチを処置した部位と無処置の部位にひとつずつ適用した。パッチ除去24時間後に評価したところ、皮膚刺激および皮膚感作はなく、誘導期間およびチャレンジ期間において皮膚反応はなかった

と記載されています。

試験結果は共通して皮膚刺激および皮膚感作性なしと結論付けられているため、皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Octyl Palmitate, Cetyl Palmitate and Isopropyl Palmitate」(文献1:1990)によると、

  • [動物試験] Draizeの眼刺激評価を用いて3つの試験でパルミチン酸エチルヘキシルを評価した。1つ目の試験では、各ウサギの片眼にパルミチン酸エチルヘキシルを注入し、その後洗浄せず、24時間後に評価したところ眼刺激スコアは最大110のうち0.33であった。第2の試験では、3匹のウサギに同様の手順で評価したところ、眼刺激スコアは最大110のうち2.0であった。第3の試験では、6匹のウサギを用いて同様の手順で評価したところ、眼刺激スコアは最大110のうち4.17であった。これらのスコアはパルミチン酸エチルヘキシルが最小の眼刺激性であり、ウサギの眼粘膜に重大な損傷を引き起こさないことを示す

と記載されています。

動物試験結果では、眼刺激性はほとんどないため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
パルミチン酸エチルヘキシル 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、パルミチン酸エチルヘキシルは毒性なし(∗2)となっており、毒性に関してはほとんどないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

パルミチン酸エチルヘキシルはエモリエント成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:エモリエント成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(1990)「Final Report on the Safety Assessment of Octyl Palmitate, Cetyl Palmitate and Isopropyl Palmitate」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.3109/10915818209013145> 2017年11月16日アクセス.
  2. “Cosmetic Ingredient Review”(2015)「Safety Assessment of Alkyl Esters as Used in Cosmetic」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/1091581815594027> 2017年11月16日アクセス.

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