テトライソステアリン酸スクロースとは…成分効果と毒性を解説

エモリエント成分 分散
テトライソステアリン酸スクロース
[化粧品成分表示名称]
・テトライソステアリン酸スクロース

[医薬部外品表示名称]
・ショ糖脂肪酸エステル

化学構造的に二糖の一種であるスクロースのヒドロキシ基(水酸基)に合成飽和脂肪酸であるイソステアリン酸を4つエステル結合したエステル油(ショ糖脂肪酸エステル)です。

従来、動物性エモリエント剤としてラノリンが汎用されていましたが、近年の非動物系原料への移行の動きの中で、抱水性、エモリエント性、光沢付与性などラノリンの様々な特性を有したラノリン代替エモリエント剤として開発されました。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、メイクアップ化粧品に使用されています(文献1:2016)

エモリエント作用

エモリエント作用に関しては、少量の水を溶かすことができる抱水性を有しており、粘性が高く、皮膚との密着感に優れていることから、口紅、ファンデーションなどのメイクアップ化粧品に使用されています(文献2:2003;文献3:2015;文献4:2012)

分散

分散に関しては、顔料分散性に優れていることから、口紅、ファンデーションなどのメイクアップ化粧品に使用されています(文献4:2012)

実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の2016年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

テトライソステアリン酸スクロースの配合製品数と配合量の調査結果(2016年)

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テトライソステアリン酸スクロースの安全性(刺激性・アレルギー)について

テトライソステアリン酸スクロースの現時点での安全性は、

  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性:ほとんどなし

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2016)によると、

  • [ヒト試験] 40人の被検者に100%テトライソステアリン酸スクロースを対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を実施したところ、いずれの被検者も陰性であり、皮膚刺激および皮膚感作の兆候はなかった(Anonymous,2016)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、皮膚刺激性および皮膚感作性なしと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

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テトライソステアリン酸スクロースはエモリエント成分にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:エモリエント成分

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文献一覧:

  1. Cosmetic Ingredient Review(2016)「Safety Assessment of Saccharide Esters as Used in Cosmetics」Final Report.
  2. クローダジャパン株式会社(2003)「化粧料」特開2003-206213.
  3. 宇山 光男, 他(2015)「テトライソステアリン酸スクロース」化粧品成分ガイド 第6版,69.
  4. 鈴木 一成(2012)「テトライソステアリン酸スクロース」化粧品成分用語事典2012,65.

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