スクワランとは…成分効果を解説

ベース成分 エモリエント成分
スクワラン
[化粧品成分表示名称]
・スクワラン

[医薬部外品表示名称]
・スクワラン、植物性スクワラン

スクワランは、アイザメなど深海に生息するサメ類の肝油から得られるスクワレンに水素添加して得られる無色透明の液体オイルです。

オリーブ油やコメヌカ油または小麦胚芽油などの植物油から抽出されたスクワレンを水素添加したものは植物性スクワランと呼ばれています。

スクワレンはヒトの皮脂にも約5%ほど含まれていますが、不飽和炭素水素であるため、そのままでは不安定なので汗の成分などで水素添加してスクワランに変化することで安定した良質な油脂となっています。

感触が非常によく皮膚刺激もほとんどないため様々な化粧品に使用されており、とくに肌に皮膜を貼って水分を逃がさないエモリエント効果に優れていることから化粧品には欠かせない成分となっています。

また、エモリエント機能に優れていることため、バリア機能が破壊された肌、たとえばアトピー性皮膚炎や乾燥肌で肌荒れや吹き出物やニキビなどに特化した化粧品にも配合されることが多いです。

植物スクワランもサメ由来のスクワランと同等の機能を持っていることがわかっており、サメのスクワランに比べて油性感が少なく、皮膚とのなじみに優れており、肌をしっとりさせるので、植物スクワランを使用する化粧品も増えてきています。

海外の調査ですが、”Cosmetic Ingredient Review”の「Annual Review of Cosmetic Ingredient Safety Assessments – 2001/2002」に1982年と2001のスクワラン配合製品数および種類と配合濃度の比較が載っているので翻訳した形で掲載しておきます。

スクワラン配合製品数および種類と配合濃度の比較

配合製品数は2倍以上になっており、スキンケア化粧品だけでなくメイクアップ化粧品への配合も多いことがわかります。

また、配合製品数の増加は、効能の信頼性や利便性と安全性の確立によるものだと推測されます。

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スクワランの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

スクワランの現時点での安全性は、45年以上の使用実績があり、皮膚刺激性や、および眼刺激性はなく、アレルギー(皮膚感作性)の報告もまったくないので、安全性の極めて高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内海外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Squalane and Squalene」(文献1:1990)によると、

  • [ヒト試験] 20名の被検者に8%スクワランを含むリップエモリエント剤を3週間おきに48時間適用したところ、19名の反応は陰性で1名の反応は報告されなかった
  • 240名の患者に16.6%スクワランを含むアイパックを3週間おきに48時間適用したところ、いずれの患者も反応は陰性だった
  • [ヒト試験] 20名の女性(15~54歳)に20%スクワランを含む夜用スキンケア製剤をSchwartz-Peckの48時間パッチ法に従って0~4の刺激スコアを用いて検査したところ、2名の被検者において2+の反応を示し、これは明確な紅斑を意味した。21日間の製剤使用中に他の皮膚反応は認められなかった
  • [ヒト試験] 600名の被検者に7.2%スクワランを含む保湿クリームをDraize法に従ってパッチテストしたところ、600名のいずれも皮膚刺激性を示さなかった
  • [ヒト試験] 100名の女性被検者に7%スクワランを含むクリームをパッチテストしたところ、いずれも皮膚刺激性を示さなかった
  • 100名の女性被検者に20%スクワランを含むリップスティックをパッチテストしたところ、この製品に一次刺激性は認められない
  • [ヒト試験] 10名の被検者に9%スクワランを含む制汗剤スプレーをKligman and Woodingの点順に沿ってパッチテストしたところ、この製品は目に見える一次刺激性を示さなかった

と記載されています。

試験結果は共通して皮膚刺激性なしと結論付けられているため、皮膚刺激性や毒性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Squalane and Squalene」(文献1:1990)によると、

  • [動物試験] Draize法に基いて眼刺激性のテストをウサギを用いてい実施したところ、希釈されていないスクワランは点眼後に洗浄されたかどうかにかかわらず、ウサギの眼に刺激や損傷は認められなかった
  • [動物試験] 6匹のウサギに希釈されていないスクワランを点眼し、1時間および1,2,3,4,7日後に眼の観察を行ったところ、眼球刺激指数は1時間後で4.33であり、その後は0.0だった。眼球刺激指数が10.0未満の場合は重大な損傷を引き起こさないと結論づけた

と記載されています。

試験結果は共通して眼刺激性なしと結論付けられているため、目刺激性はほとんどないと考えられます。

アレルギー(皮膚感作性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Squalane and Squalene」(文献1:1990)によると、

  • [ヒト試験] 600名の被検者に7.2%スクワランを含む保湿クリームをDraize法に従ってパッチテストしたところ、600名のいずれも皮膚感作性を示さなかった
  • 100名の女性被検者に7%スクワランを含むクリームをパッチテストしたところ、いずれも皮膚感作性を示さなかった
  • [ヒト試験] 100名の女性被検者に20%スクワランを含むリップスティックをパッチテストしたところ、皮膚感作性の可能性はもしあったとしても極めて低い
  • 25名の被検者に9%スクワランを含む制汗剤スプレーをKligman and Woodingの点順に沿ってパッチテストしたところ、この製品は皮膚感作性を示さなかった

と記載されています。

試験結果は共通して1人の疑わしい反応もなく皮膚感作性なしと結論付けられているため、現時点ではアレルギーが起こる可能性は極めて低いと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
スクワラン 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、スクワランは毒性なし(∗2)となっており、毒性に関しては心配する必要はありません。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

スクワランはベース成分、エモリエント成分にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分 エモリエント成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(1990)「Final Report on the Safety Assessment of Squalane and Squalene」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.3109/10915818209013146> 2017年10月9日アクセス.

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