ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2とは…成分効果と毒性を解説

エモリエント成分 分散剤
ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2
[化粧品成分表示名称]
・ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2

[医薬部外品表示名称]
・ジイソステアリン酸ポリグリセリル

グリセリンが2つつながったところにイソステアリン酸を2つ結合させて構造をもった粘性のある液状油性成分です。

エモリエント剤としての働きに加え、顔料を均一に分散させる働きに優れているため、リップグロス、口紅、クリームファンデーションの油剤によく使用されています。

また、非イオン界面活性剤の性質も少しもっているので、w/o型(油中水型)乳化物の乳化助剤としても使用されます。

実際にどのような製品に配合されているかというと、海外の2014-2015年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2の配合製品数と配合量の調査結果(2014-2015年)

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ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2の安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2の現時点での安全性は、わずかに皮膚刺激が起こる可能性がありますが、眼刺激性はほとんどなく、アレルギー(皮膚感作)もほとんどないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗2)やレポートを参照しています。

∗2 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Polyglyceryl Fatty Acid Esters as Used in Cosmetics」(文献1:2016)によると、

  • [動物試験] 3匹のウサギに未希釈のジイソステアリン酸ポリグリセリル-2(0.5mL)を半閉塞パッチで4時間適用したところ、1匹のウサギにパッチ除去24時間で明瞭な紅斑がみられたが、皮膚刺激剤ではないと判断された
  • [動物試験] 2匹のウサギの無傷および擦り剥いた皮膚に1%および10%ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2食塩水と未希釈のジイソステアリン酸ポリグリセリル-2(0.5mL)を24時間閉塞パッチ適用したところ、未希釈の試験物質で明瞭な紅斑と明瞭な浮腫が両方のウサギに観察され、10%食塩水では1匹のウサギに一過性の著しい紅斑が観察され、1%食塩水では1匹のウサギにわずかな紅斑が観察された。これらの結果からわずかに皮膚刺激性があると結論づけられた
  • [動物試験] 20匹のモルモットに誘導期間において未希釈のジイソステアリン酸ポリグリセリル-2を、チャレンジ期間においては20%ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2アセトンを閉塞パッチ適用したところ、皮膚感作剤ではなかった

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、皮膚感作剤ではないと結論づけられていますが、わずかに皮膚刺激性があるという報告があるため、わずかに皮膚刺激性が起こる可能性がありますが、皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Polyglyceryl Fatty Acid Esters as Used in Cosmetics」(文献1:2016)によると、

  • [動物試験] 3匹のウサギに未希釈のジイソステアリン酸ポリグリセリル-2(0.1mL)を点眼し、24時間後に眼をすすぎ、OECD405テストガイドラインに従って評価したところ、24時間の観察でいくつかの観察がみられたが、48時間ではすべて正常に戻った。この結果より眼刺激性ではないと判断された
  • [動物試験] 6匹のウサギに未希釈のジイソステアリン酸ポリグリセリル-2(0.1mL)を点眼し、すすがなかったところ、24時間で1匹のウサギに腫れがみられ、48時間で2匹に紅斑がみられ、他の2匹に腫れがみられたが、72時間ですべて正常に戻った。この結果から眼刺激剤ではないと結論づけられた

と記載されています。

試験結果では一過性の紅斑などがみられますが結論としては眼刺激性なしと報告されているため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2 ■■

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2は■■(∗2)となっていますが、これは合成界面活性剤の共通の判定であり、実際に安全性データをみると毒性はほとんどないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2はエモリエント成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:エモリエント成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2016)「Safety Assessment of Polyglyceryl Fatty Acid Esters as Used in Cosmetics」, <https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR717.pdf> 2017年12月27日アクセス.

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