ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2とは…成分効果と毒性を解説

エモリエント成分 分散 乳化
ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2
[化粧品成分表示名称]
・ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2

[医薬部外品表示名称]
・ジイソステアリン酸ポリグリセリル

多価アルコールの一種であるグリセリンを2個結合した2量体(∗1)ジグリセリンに炭素数18の合成飽和脂肪酸であるイソステアリン酸を2つエステル結合してつくられるジエステル(ポリグリセリン脂肪酸エステル:親油性非イオン界面活性剤)(∗2)です。

∗1 複数の分子結合がまとまって機能する複合体を多量体といい、ジグリセリンの場合、2個のグリセリンがまとまって機能しているため2量体として働きます。

∗2 ジエステルとは、分子内に2基のエステル結合を持つエステルのことです。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、口紅&リップグロス化粧品、メイクアップ化粧品、日焼け止め製品、マスク製品、ヘアスタイリング製品などに使用されています(文献1:2016)

エモリエント作用

エモリエント作用に関しては、ワックスや油剤との相溶性が高く、高粘性のエモリエント剤として口紅・リップケア化粧品、メイクアップ化粧品などに使用されます(文献1:2016)

分散

分散に関しては、顔料を均一に分散する分散性に優れていることから、口紅、リップグロス、クリームファンデーションの油剤として使用されます(文献2:2015)

乳化補助

乳化補助に関しては、軽微な非イオン界面活性を有しており、乳化補助目的でW/O型(油中水型)クリームなどに使用されます(文献2:2015)

実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の2014-2015年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2の配合製品数と配合量の調査結果(2014-2015年)

スポンサーリンク

ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2の安全性(刺激性・アレルギー)について

ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2の現時点での安全性は、

  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし-わずか
  • 眼刺激性:ほとんどなし
  • 皮膚感作性:ほとんどなし

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2016)によると、

  • [動物試験] 3匹のウサギに未希釈のジイソステアリン酸ポリグリセリル-2を4時間半閉塞パッチ適用し、皮膚刺激性を評価したところ、パッチ除去24時間で1匹のウサギに明瞭な紅斑が観察されたが、臨床的に重要ではないと判断され、この試験物質は非刺激性に分類された(European Chemicals Agency,2015)
  • [動物試験] 2匹のウサギの無傷および擦過した皮膚に1%,10%および未希釈のジイソステアリン酸ポリグリセリル-2を含む食塩水を24時間閉塞パッチ適用し、パッチ除去後に皮膚刺激を評価したところ、未希釈では両方のウサギに明瞭な紅斑と明瞭な浮腫が観察され、10%濃度では1匹のウサギに一過性の著しい紅斑が観察され、1%濃度では1匹のウサギにわずかな紅斑が観察された。これらの結果からわずかな皮膚刺激性があると結論づけられた(European Chemicals Agency,2015)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、皮膚刺激性は非刺激性-わずかな刺激性が報告されているため、皮膚刺激性は非刺激性-わずかな刺激性が起こる可能性があると考えられます。

眼刺激性について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2016)によると、

  • [動物試験] 3匹のウサギの片眼に未希釈のジイソステアリン酸ポリグリセリル-2(0.1mL)を点眼し、OECD405テストガイドラインに基づいて眼刺激性を評価したところ、24時間でいくつかの刺激反応が観察されたが48時間ですべて消失した。この結果からこの試験物質は非刺激性に分類された(European Chemicals Agency,2015)
  • [動物試験] 6匹のウサギの片眼に未希釈のジイソステアリン酸ポリグリセリル-2(0.1mL)を点眼し、眼はすすがず、眼刺激性を評価したところ、24時間で1匹のウサギに腫れがみられ、48時間で2匹に紅斑がみられ、他の2匹に腫れがみられたが、72時間ですべて消失した。この結果から一次刺激物質ではないと結論づけられた(European Chemicals Agency,2015)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、共通して眼刺激性なしと報告されているため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2016)によると、

  • [動物試験] 20匹のモルモットにジイソステアリン酸ポリグリセリル-2を対象にBuehler皮膚感作性試験を閉塞パッチにて実施(誘導期間:100%濃度、チャレンジ期間:20%濃度を含むアセトン溶液)したところ、いずれのモルモットも皮膚反応は観察されず、この試験物質は皮膚感作の兆候は示さなかった(European Chemicals Agency,2015)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、皮膚感作性なしと報告されているため、皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

∗∗∗

ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2はエモリエント成分、界面活性剤にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:エモリエント成分 界面活性剤

∗∗∗

文献一覧:

  1. Cosmetic Ingredient Review(2016)「Safety Assessment of Polyglyceryl Fatty Acid Esters as Used in Cosmetics」Final Report.
  2. 宇山 光男, 他(2015)「ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2」化粧品成分ガイド 第6版,63.

スポンサーリンク

TOPへ