ジイソステアリン酸グリセリルとは…成分効果と毒性を解説

エモリエント成分 分散剤
ジイソステアリン酸グリセリル
[化粧品成分表示名称]
・ジイソステアリン酸グリセリル

グリセリンにイソステアリン酸を2つ結合させてつくられるほぼ無臭で淡黄色の液状油性成分です。

エモリエント剤としての働きに加え、顔料を均一に分散させる働きに優れているため、リップグロスや口紅によく使用されています。

実際にどのような製品に配合されているかというと、海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ジイソステアリン酸グリセリルの配合製品数と配合量の調査結果

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ジイソステアリン酸グリセリルの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

ジイソステアリン酸グリセリルの現時点での安全性は、皮膚刺激性はほとんどなく、眼刺激性はデータ不足により詳細不明ですが、アレルギー(皮膚感作)もほとんどないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗2)やレポートを参照しています。

∗2 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Amended Final Report on the Safety Assessment of Glyceryl Dilaurate, Glyceryl Diarachidate, Glyceryl Dibehenate, Glyceryl Dierucate, Glyceryl Dihydroxystearate, Glyceryl Diisopalmitate, Glyceryl Diisostearate, Glyceryl Dilinoleate, Glyceryl Dimyristate, Glyceryl Dioleate, Glyceryl Diricinoleate, Glyceryl Dipalmitate, Glyceryl Dipalmitoleate, Glyceryl Distearate, Glyceryl Palmitate Lactate, Glyceryl Stearate Citrate, Glyceryl Stearate Lactate, and Glyceryl Stearate Succinate」(文献1:2007)によると、

  • [動物試験] 9匹のモルモットを用いてジイソステアリン酸グリセリルの接触アレルギー性をMaximization試験で評価した。誘導期間の1日目に乳化フロイント完全アジュバント(E-FCA)0.1mLと25%ジイソステアリン酸グリセリル水溶液0.1mLとFCAで乳化した50%ジイソステアリン酸グリセリル0.1mLをモルモットの剃毛した皮膚領域に皮内注射した。注入後同じ1週目に10%ラウリル硫酸ナトリウムを含むワセリン50mgをヌカール領域に適用し、翌日100%ジイソステアリン酸グリセリルを48時間閉塞パッチ適用した。また5匹の対照モルモットに蒸留水を皮内注射し、次いで、試験動物がパッチ適用を受けると同時にFCA乳化物0.1mLを4箇所に処置した。最初の誘導パッチから3週間後のチャレンジ期間にエタノール中の5%,20%,50%および100%ジイソステアリン酸グリセリル0.1mLを試験動物および対照動物の脇腹に局所適用し、0(反応なし)~4(重症紅斑)のスケールで適用後24および48時間で皮膚反応を評価したところ、ジイソステアリン酸グリセリルは誘導期間およびチャレンジ期間のいずれの濃度においても皮膚感作反応を誘導しなかった(資生堂リサーチセンター,1977)

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、皮膚感作剤ではないと結論づけられており、同時に皮膚反応もみられていないため、皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

眼刺激性に関しては、試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ジイソステアリン酸グリセリル

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ジイソステアリン酸グリセリルは△(∗2)となっており、毒性はほとんどないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ジイソステアリン酸グリセリルはエモリエント成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:エモリエント成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2007)「Amended Final Report on the Safety Assessment of Glyceryl Dilaurate, Glyceryl Diarachidate, Glyceryl Dibehenate, Glyceryl Dierucate, Glyceryl Dihydroxystearate, Glyceryl Diisopalmitate, Glyceryl Diisostearate, Glyceryl Dilinoleate, Glyceryl Dimyristate, Glyceryl Dioleate, Glyceryl Diricinoleate, Glyceryl Dipalmitate, Glyceryl Dipalmitoleate, Glyceryl Distearate, Glyceryl Palmitate Lactate, Glyceryl Stearate Citrate, Glyceryl Stearate Lactate, and Glyceryl Stearate Succinate」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1080/10915810701663143> 2017年12月22日アクセス.

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