PETとは…成分効果と毒性を解説

光沢
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[化粧品成分表示名称]
・PET

[慣用名]
・ポリエチレンテレフタレート

化学構造的に多価アルコール(∗1)の一種であるエチレングリコールと、テレフタル酸の共重合体(∗2)であり、ポリエステル樹脂(合成高分子)です。

∗1 多価アルコールとは、2個以上のヒドロキシ基(水酸基:-OH)をもつアルコールを指し、水酸基の影響で非常に高い吸湿性と保水性をもっているため化粧品に最も汎用されている保湿剤です。名称に「アルコール」がついているので勘違いしやすいですが、一般的なアルコール(エタノール)は1個の水酸基をもつ一価アルコールで、多価アルコールと一価アルコール(エタノール)は別の物質です。

∗2 重合体とは、複数の単量体(モノマー:monomer)が繰り返し結合し、鎖状や網状にまとまって機能する多量体(ポリマー:polymer)のことを指し、2種類以上の単量体(モノマー:monomer)がつながってできているものを共重合体(copolymer:コポリマー)と呼びます。

PET(ペット)は、正式にはポリエチレンテレフタレートと呼ばれており、英語で「Polyethylene Terephthalate」と書くため、その頭文字をとって「PET」と呼んでいます。

一般的には日用品分野においてPETボトル(ペットボトル)の原料として広く知られており、他にもPETをフィルム状にしたものは包装・容器(化粧品容器含む)などに用いられ、また医療材料分野においては人工血管、非吸収性縫合糸、注射器などに、衣料分野においては繊維にしたものがポリエステル原料として使用されています(文献2:2007;文献3:2013;文献4:2016;文献5:2016)

化粧品に配合される場合は、

これらの目的でメイクアップ化粧品、ネイル製品などに使用されています。

光沢感の付与

光沢感の付与に関しては、表面光沢性を有しており、細かい粉末状にしたPETがキラキラとした光沢感付与目的でマスカラ、アイシャドー、パウダーファンデーション、パウダーチーク、リップカラー、リップグロス、ネイルカラーなどに使用されています(文献6:2015)

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2012-2013年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、ヘアコンディショナー、ボディソープ、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

PETの配合製品数と配合量の調査結果(2012-2013年)

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PETの安全性(刺激性・アレルギー)について

PETの現時点での安全性は、

  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2014)によると、

  • [ヒト試験] 107人の被検者に1.5%PETを含むアイライナーを対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を閉塞パッチにて実施したところ、この試験物質は皮膚刺激剤および皮膚感作剤の兆候を示さなかった(Consumer Product Testing Co,2011)
  • [ヒト試験] 30人の被検者に12%PETを含むアイシャドーペンシルを対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を実施したところ、試験期間を通じていずれの被検者も皮膚刺激および皮膚感作を示さなかった(Dermatest,1999)
  • [ヒト試験] 20人の被検者(過敏な皮膚を有する8人およびコンタクトレンズ装着6人含む)に15%PETを含むリキッドアイライナーを4週間使用してもらったところ、試験期間を通じていずれの被検者からも有害な皮膚反応の報告はなく、また皮膚感作の兆候を示さなかった(Dermatest,2006)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、共通して皮膚刺激性および皮膚感作性なしと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

∗∗∗

PETは着色剤にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:着色剤

∗∗∗

文献一覧:

  1. Cosmetic Ingredient Review(2014)「Safety Assessment of Modified Terephthalate Polymers as Used in Cosmetics」International Journal of Toxicology(33)(3_suppl),36S-47S.
  2. 葛良 忠彦(2007)「プラスチック包装容器の分類と使用材料」色材協会誌(80)(1),32-39.
  3. 山岡 哲二(2013)「人工血管」人工臓器(42)(3),184-187.
  4. 玉田 靖(2016)「医療機器と繊維材料」繊維製品消費科学(57)(9),686-691.
  5. 北川 元洋(2016)「衣料用ポリエステル繊維について(その1)」繊維製品消費科学(57)(7),531-537.
  6. 宇山 侊男, 他(2015)「PET」化粧品成分ガイド 第6版,166.

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