酸化鉄とは…成分効果と毒性を解説

着色剤 紫外線散乱剤
酸化鉄
[化粧品成分表示名称]
・酸化鉄

[医薬部外品表示名称]
・黒酸化鉄、ベンガラ、黄酸化鉄

雲母チタンを加熱還元して表面を黒酸化チタンとしたものに、酸化チタンの薄膜を被覆処理した有色の無機顔料です。

主に黒酸化鉄(黒色)、ベンガラ(赤色)、黄酸化鉄(黄色)の3種類がありますが、化粧品成分表示名としてはすべて「酸化鉄」と表示され、医薬部外品では、「黒酸化鉄」「ベンガラ」「黄酸化鉄」と表示されます。

黒酸化鉄は、黒色顔料としてはカーボンブラックほどは着色力が強くなく、色調整のしやすい顔料です。

化粧品に配合される場合は、肌への密着性に優れており、着色する目的で、アイシャドー、アイライナー、マスカラ、ファンデーション、チーク、化粧下地、口紅、リップグロスなどのメイクアップ化粧品、またマニキュア、ネイルカラーなどのネイル製品などに使用されます。

酸化鉄(とくに微粒子のもの)は光屈折率が大きく、紫外線散乱剤としての作用も有していますが、基本的には着色目的で配合されるため、紫外線散乱剤の効果が語られることはあまりありませんが、主要な紫外線散乱剤を補助して紫外線防御効果を向上させる効果があります。

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酸化鉄の安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

酸化鉄の現時点での安全性は、皮膚刺激性および眼領域の刺激性はほとんどなく、皮膚感作(アレルギー)の報告もないため、安全性に問題のない成分であると考えられます。

ただし、酸化鉄には不純物として微量のコバルト・ニッケル・クロムなどの金属も含まれることがあり、金属アレルギーの場合は、まれにこれらの金属に反応してかゆみ・発赤・かぶれなどの症状が起こる可能性が考えられるので注意が必要です。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“FDA”の「Code of Federal Regulations Title 21」(文献1:2017;文献2:2017)によると、

  • 酸化鉄は、一般に眼の領域に適用される化粧品の着色剤として安全である
  • 酸化鉄は、食品包装に使用される紙および板紙の成分として使用され、間接的な食品成分として一般に安全と認定されている

と記載されています。

試験データをみるかぎり、FDA(アメリカ食品医薬品局)では間接的に食品成分としても安全性が認められており、すでに安全性が確立されていることから化粧品独自の安全性試験は後回しにされている状況ですが、FDAでは化粧品の着色剤としての安全性も認められており、皮膚刺激および皮膚感作の報告もみあたらないため、一般的に皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

ただし、酸化鉄の中には不純物として微量のコバルト・ニッケル・クロムなどの金属も含まれることがあり、金属アレルギーの場合は、まれにこれらの金属に反応してかゆみ・発赤・かぶれなどの症状が起こる可能性が考えられるので注意が必要です。

眼刺激性について

“FDA”の「Code of Federal Regulations Title 21」(文献1:2017)によると、

  • 酸化鉄は、一般に眼の領域に適用される化粧品の着色剤として安全である

と記載されています。

詳細な試験データはみあたりませんが、FDA(アメリカ食品医薬品局)によって眼領域に適用される着色剤としての安全性が認められているため、一般に眼領域の刺激性はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
酸化鉄 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、酸化鉄は毒性なし(∗1)となっており、安全性に問題はないと考えられます。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

酸化鉄は着色剤にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:着色剤

∗∗∗

文献一覧:

  1. “FDA”(2017)「Code of Federal Regulations Title 21 Sec. 73.2250 Iron oxides.」, <https://www.accessdata.fda.gov/scripts/cdrh/cfdocs/cfcfr/CFRSearch.cfm?fr=73.2250> 2018年5月24日アクセス.
  2. “FDA”(2017)「Code of Federal Regulations Title 21 Sec. 186.1374 Iron oxides. 」, <https://www.accessdata.fda.gov/scripts/cdrh/cfdocs/cfcfr/CFRSearch.cfm?fr=186.1374> 2018年5月24日アクセス.
  3. 内田 浩昭, 杉原 則夫(2011)「化粧品用酸化鉄系顔料」色材協会誌(84)(10),351-357.

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