酸化スズとは…成分効果と毒性を解説

着色
酸化スズ
[化粧品成分表示名称]
・酸化スズ

スズの酸化物(∗1)です。

∗1 スズは複数の価数を持つ金属であり、化粧品に配合されるものは化学式SnO₂で表される酸化スズ(Ⅳ)です。

マイカ合成フルオロフロゴパイト(合成マイカ)またはアルミナ酸化チタンで被覆することで、非常に透明感の高いパール光沢が得られるため、パール光沢を付与するためにこのような処方が使用されていますが、その製造過程で酸化スズが使用され、肌に悪影響がないため、無理に除去することなくそのまま一緒に配合されています(文献2:2015)

酸化スズはこういった背景から配合されており、化粧品として特に目的があって配合されている成分ではなく、成分表示一覧にはマイカ、合成フルオロフロゴパイトまたはアルミナのいずれかおよび酸化チタンと一緒に記載されている可能性が高いです。

このような理由で、メイクアップ化粧品、ネイル製品などに使用されています(文献1:2015)

実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の2012年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

酸化スズの配合製品数と配合量の調査結果(2012年)

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酸化スズの安全性(刺激性・アレルギー)について

酸化スズの現時点での安全性は、

  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:ほとんどなし
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2015)によると、

  • [ヒト試験] 111人の男女被検者(18-75歳)に0.3%酸化スズを含むアイシャドー粉末0.2gを対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を実施したところ、皮膚反応は観察されず、この製品は皮膚刺激性およびアレルギー性接触感作性を有していないと結論付けられた(Consumer Product Testing Co,2012)
  • [ヒト試験] 103人の男女患者(16-79歳)に0.5%酸化スズを含む口紅を対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を実施したところ、皮膚反応は認められず、この製品は皮膚刺激またはアレルギー接触感作を誘発しないと結論づけられた(Consumer Product Testing Co,2012)
  • [ヒト試験] 108人の男女患者(18-70歳)に0.35%酸化スズを含むリップグロスを対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を実施したところ、皮膚反応は認められず、この製品は皮膚刺激またはアレルギー接触感作を引き起こす臨床的に有意な可能性を示さなかった(Clinical Research laboratories,2012)
  • [ヒト試験] 209人の患者(16-79歳)に1.3%酸化スズを含むアイシャドーを対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を実施したところ、一次皮膚皮膚刺激、累積皮膚刺激およびアレルギー接触感作の可能性を示唆していないと結論付けられた(Consumer Product Testing Co,2012)

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、共通して皮膚刺激性および皮膚感作性なしと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2015)によると、

  • [in vitro試験] 鶏卵の漿尿膜を用いて、1.11%酸化スズを含むアイシャドーを処理したところ(HET-CAM法)、刺激性は観察されなかった(MB Research Laboratories,2012)

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、眼刺激性なしと報告されているため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

∗∗∗

酸化スズは着色剤にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:着色剤

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文献一覧:

  1. Cosmetic Ingredient Review(2015)「Safety Assessment of Tin(IV) Oxide as Used in Cosmetics」International Journal of Toxicology(33)(4),40S-46S.
  2. 宇山 光男, 他(2015)「酸化スズ」化粧品成分ガイド 第6版,161.

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