窒化ホウ素とは…成分効果と毒性を解説

ベース 感触改良 表面処理
窒化ホウ素
[化粧品成分表示名称]
・窒化ホウ素

[医薬部外品表示名称]
・窒化ホウ素

窒素とホウ素から成り、工業的には合成セラミック、ホウ素および尿素の混合物を加熱合成して生成する六方晶系(∗1)の化合物(体質顔料)です。

∗1 六方晶系とは、形としては六角形を基本とし、長さの等しい3本の結晶軸が同一平面上で互いに120度の角で交わり、さらにこの三軸と直交する結晶軸をもつ結晶系です。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、メイクアップ化粧品、日焼け止め製品などに使用されています(文献1:2015)

感触改良・粉体基剤

感触改良・粉体基剤に関しては、結晶が層状構造をしており、非常に滑り性が高い(∗2)ことから、メイクアップ化粧品に使用されています(文献2:2006)

∗2 球状粉体は滑り性が高いですが、窒化ホウ素は滑り性の高い球状粉体の約2倍の滑り性があります。

表面処理

表面処理に関しては、紫外線散乱剤である酸化セリウム微粒子の表面に窒化ホウ素を被覆することで、酸化セリウム微粒子の欠点である触媒活性および油脂の熱分解を抑制し、安全性に優れた紫外線産卵材が合成できることから、酸化セリウムの表面処理剤として使用されています(文献3:2000;文献4:2000)

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2012-2013年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

窒化ホウ素の配合状況の調査結果(2012-2013年)

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窒化ホウ素の安全性(刺激性・アレルギー)について

窒化ホウ素の現時点での安全性は、

  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:ほとんどなし
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2015)によると、

  • [ヒト試験] 55人の被検者の背中に13%窒化ホウ素を含むアイシャドー0.1gを対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を実施したところ、皮膚刺激および接触皮膚感作の兆候はなく、ほかに有害な皮膚反応もなかった(Essex Testing Clinic Inc,2009)
  • [ヒト試験] 107人の被検者に16%窒化ホウ素を含む圧縮パウダー20mgを対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を実施したところ、皮膚刺激剤および接触皮膚感作剤ではなく、誘導期間およびチャレンジ期間において有害な皮膚反応は観察されなかった(roduct Investigations Inc,2008)
  • [ヒト試験] 104人の被検者16%窒化ホウ素を含むフェイスパウダーを対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を実施したところ、皮膚刺激剤および接触皮膚感作剤ではなかった(TKL Research Inc,2009)
  • [ヒト試験] 55人の被検者に18.7%窒化ホウ素を含むアイシャドーを対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を実施したところ、誘導期間およびチャレンジ期間に誘発された皮膚反応はなかった(linical Research Laboratories Inc,2011)

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、皮膚刺激性および皮膚感作性なしと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2015)によると、

  • [ヒト試験] 30人の女性被検者(17人はコンタクトレンズ着用者)に13%窒化ホウ素を含むアイシャドーを2週間連続で少なくとも1日1回使用してもらったところ、13%窒化ホウ素を含むアイシャドーは皮膚および眼に有害な影響を及ぼさなかった(Essex Testing Clinic Inc,2009)
  • [in vitro試験] 鶏卵の漿尿膜を用いて、50%窒化ホウ素を含むワセリンを処理したところ(HET-CAM法)、眼刺激性ではないと予測された(C skes et al,2004)

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、眼刺激性なしと報告されているため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

∗∗∗

窒化ホウ素はベース成分、表面処理剤にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分 表面処理剤

∗∗∗

文献一覧:

  1. Cosmetic Ingredient Review(2015)「Safety Assessment of Boron Nitride as Used in Cosmetics」International Journal of Toxicology(34)(3),53S-60S.
  2. 佐藤 文孝(2006)「化粧品に用いられる特殊機能粉末」色材協会誌(79)(9),397-403.
  3. 増井 敏行, 他(2000)「BNコート酸化セリウム微粒子の合成と紫外線遮断剤への応用」色材協会誌(73)(9),429-433.
  4. 増井 敏行, 他(2000)「紫外線防御剤の開発動向」色材協会誌(73)(7),350-356.

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