窒化ホウ素とは…成分効果と毒性を解説

着色剤
窒化ホウ素
[化粧品成分表示名称]
・窒化ホウ素

[医薬部外品表示名称]
・窒化ホウ素

天然には存在しない合成セラミック、ホウ素、尿素の混合物を加熱合成してつくられた白色微粉末の体質顔料です。

結晶が層状構造をしているため非常に滑らかなスライド感と独特の光沢に特徴があります。

光沢があり、のび、つや、のりのバランスがとれており、肌に負担のないフィット感を与えるのでファンデーション、フェイスパウダーをはじめとするメイクアップ製品に配合されています。

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2012-2013年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

窒化ホウ素の配合製品数と配合量の調査結果(2012-2013年)

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窒化ホウ素の安全性(刺激性・アレルギー)について

窒化ホウ素の現時点での安全性は、皮膚刺激性および眼刺激性はほとんどなく、皮膚感作(アレルギー)の報告もないため、安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Boron Nitride as Used in Cosmetics」(文献1:2015)によると、

  • [ヒト試験] 55人の被検者の背中に13%窒化ホウ素を含むアイシャドー0.1gを誘導期間において週3回3週間にわたって24時間閉塞パッチ適用し、各パッチ除去24-48時間後に試験部位を評価した。2週間の休息期間の後に未処置部位にチャレンジパッチを適用し、パッチ除去後すぐおよび48時間後に試験部位を評価したところ、皮膚刺激および接触皮膚感作の兆候はなく、ほかに有害な皮膚反応もなかった(Essex Testing Clinic Inc.,2009a)
  • [ヒト試験] 107人の被検者に16%窒化ホウ素を含む圧縮パウダー20mgを誘導期間においてFinn Chamber適用し、誘導期間終了後2週間の休息期間を挟んで誘導期間の試験部位および未処置部位に48時間チャレンジパッチを適用し、パッチ除去後3日間毎日試験部位を評価したところ、皮膚刺激剤および接触皮膚感作剤ではなく、誘導期間およびチャレンジ期間において有害な皮膚反応は観察されなかった(roduct Investigations Inc.,2008)
  • [ヒト試験] 104人の被検者16%窒化ホウ素を含むフェイスパウダーを上記と同じ手順で誘導期間およびチャレンジ期間にパッチ適用し、チャレンジパッチ除去30分ならびに48時間後に試験部位を評価したところ、皮膚刺激剤および接触皮膚感作剤ではなかった(TKL Research Inc.,2009)
  • [ヒト試験] 55人の被検者に18.7%窒化ホウ素を含むアイシャドーを上記と同じ手順で誘導期間およびチャレンジ期間にパッチ適用し、チャレンジパッチ除去後すぐならびに24および48時間後に試験部位を評価したところ、誘導期間およびチャレンジ期間に誘発された皮膚反応はなかった(linical Research Laboratories Inc.,2011)

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、皮膚刺激性および皮膚感作性の報告はないため、皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Boron Nitride as Used in Cosmetics」(文献1:2015)によると、

  • [ヒト試験] 30人の女性被検者(17人はコンタクトレンズ着用者)に13%窒化ホウ素を含むアイシャドーを2週間連続で少なくとも1日1回使用してもらったところ、13%窒化ホウ素を含むアイシャドーは皮膚および眼に有害な影響を及ぼさなかった(Essex Testing Clinic Inc.,2009b)
  • [in vitro試験] 鶏卵の漿尿膜を用いて、50%窒化ホウ素を含むワセリンを処理したところ(HET-CAM法)、眼刺激性ではないと予測された(skes C, Bessou S, Bruner L, et al.,2004)

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、眼刺激性は非刺激性と報告されているため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
窒化ホウ素 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、窒化ホウ素は毒性なし(∗1)となっており、試験データをみるかぎり、安全性に問題のない成分であると考えられます。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

窒化ホウ素は着色剤にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:着色剤

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文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2015)「Safety Assessment of Boron Nitride as Used in Cosmetics」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/1091581815617793> 2018年5月4日アクセス.

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