水酸化クロムとは…成分効果と毒性を解説


[化粧品成分表示名]
・水酸化クロム
・水酸化クロム
[医薬部外品表示名]
・水酸化クロム
重クロム酸カリウムまたはナトリウムを原料として生成する含水酸化クロムから成る酸化クロム(Ⅲ)水和物(無機顔料)です。
化粧品に配合される場合は、
これらの目的で、メイクアップ製品、洗顔料&洗顔石鹸、ボディケア製品などに使用されています。
青緑色-緑色の着色
青緑色-緑色の着色に関しては、安定性が高く、退色しにくい特徴があり、酸化クロムと比較して明るい青緑色-緑色の着色目的でアイ系メイクアップ製品、ファンデーションなどに使用されています(文献2:2012;文献3:1990)。
また、スクラブやキャリア(有効成分などを含包する球体)の着色にも使用されることがるため、スクラブやキャリアを配合した洗顔料、ボディマッサージ製品などにも配合されることがあります。
水酸化クロムの安全性(刺激性・アレルギー)について
水酸化クロムの現時点での安全性は、
- 外原規2021規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2021に収載
- 10年以上の使用実績
- 皮膚刺激性:ほとんどなし
- 眼刺激性:詳細不明
- 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし
このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般に安全性に問題のない成分であると考えられます。
以下は、この結論にいたった根拠です。
皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について
Food and Drug Administrationの連邦規則集(文献1:2017)によると、
- 水酸化クロムは、一般的に良好な製造工程および化粧品配合量において、眼領域に適用される化粧品の着色剤として安全に使用できる
と記載されています。
規則集をみるかぎり、皮膚刺激性および皮膚感作性なしと判断できるため、皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。
眼刺激性について
試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。
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水酸化クロムは着色剤にカテゴライズされています。
成分一覧は以下からお読みください。
参考:着色剤
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参考文献:
- FDA:Food and Drug Administration(2017)「Code of Federal Regulations Title 21 Sec. 73.2326 Chromium hydroxide green」, <https://www.accessdata.fda.gov/scripts/cdrh/cfdocs/cfcfr/CFRSearch.cfm?fr=73.2326> 2018年5月25日アクセス.
- 鈴木 一成(2012)「水酸化クロム」化粧品成分用語事典2012,547.
- 田村 健夫, 他(1990)「無機顔料」香粧品科学 理論と実際 第4版,153-157.