含水シリカとは…成分効果と毒性を解説

着色剤 感触改良剤 表面処理剤
含水シリカ
[化粧品成分表示名称]
・含水シリカ

[医薬部外品表示名称]
・含水ケイ酸

二酸化ケイ素(シリカ)に水を結合した含水ケイ酸です。

化粧品素材としての機能や特性はシリカと同様で、化粧品に配合される場合は、ソフトフォーカス効果、ベアリング効果、汗や皮脂の吸収目的でメイクアップ化粧品に広く使用されており、また酸化チタンなどの紫外線散乱剤をコーティングする表面処理剤としてUV化粧品や日焼け止め製品に使用されています。

さらに研磨剤としてスクラブ剤にも使用されています。

ベアリング効果とはスムーズに転がる滑らかさのことで、ベアリング効果が優れていると、たとえばマイカなどの体質顔料と一緒に配合する場合、シリカが体質顔料粒子の間に挟まれてスムーズに回転することで体質顔料粒子の滑りが向上し、非常に滑らかな使用感につながります。

ソフトフォーカス効果というのは、以下の図のように、

ソフトフォーカス効果

球状粉体で肌を均一にして、光を均一に反射することでシワや毛穴を目立たなくする効果のことです。

シリカと含水シリカの最大の違いは製造方法で、シリカの製造方法は大きく分けて乾式法と湿式法があり、シリカは乾式法で製造され、含水シリカは湿式法で製造されます。

湿式法では、ケイ酸アルカリを酸で中和する反応条件としての濃度、温度、圧力、時間、反応方法等の条件あるいはその後の後処理条件ををいろいろ変化させることにより、広く性質の異なるシリカを得ることができますが、機能や特性としては、原料メーカーによって多少の違いはあるものの、最初に伝えたようにベアリング効果およびソフトフォーカス効果、またはの紫外線散乱剤をコーティングする表面処理になり、シリカと同様です。

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2008-2009年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

含水シリカの配合製品数と配合量の調査結果(2008-2009年)

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含水シリカの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

含水シリカの現時点での安全性は、皮膚刺激性はほとんどなく、わずかな眼刺激性が起こる可能性はあるものの、皮膚感作(アレルギー)の報告もないため、安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Silica and Related Cosmetic Ingredients」(文献1:2009)によると、

  • [ヒト試験] 300人の患者に微粒子含水シリカゲルを含む散布剤の皮膚試験を実施したところ、含水シリカ粉末は非刺激および無毒であり、感作性はほとんどまたはまったくなく、乳児、小児および成人に安全に適用できると結論づけられた。(W. R. Grace & Co.,1981)
  • [ヒト試験] 27人の被検者(男性18人、女性9人)の上部外側腕、手のひら側、前腕、または背中に25%ラウリル硫酸ナトリウム0.05mLを24時間閉塞適用し、続いて誘導期間において17%含水シリカ(0.05mL)を含むフェイシャルマスクを48または72時間閉塞適用を合計5回適用した。10日間の休息期間の後に同じ試験部位に48時間チャレンジパッチを適用し、パッチ除去後に反応を評価したところ、感作性は認められなかった。この製品は通常の使用下では接触感作性を引き起こさないと結論付けられた(KGL, Inc.,2003)
  • [ヒト試験] 27人の被検者(男性18人、女性9人)の上部外側腕、手のひら側、前腕、または背中に25%ラウリル硫酸ナトリウム0.05mLを24時間閉塞適用し、続いて誘導期間において21.7436%含水シリカを含むフェイシャルパウダーを48または72時間閉塞適用を合計5回適用した。10日間の休息期間の後に同じ試験部位に48時間チャレンジパッチを適用し、パッチ除去後に反応を評価したところ、感作性は認められなかった。この製品は通常の使用下では接触感作性を引き起こさないと結論付けられた(KGL, Inc.,2004)
  • [ヒト試験] 20人の被検者(男性10人、女性10人)に45%含水シリカを6日間パッチ適用し、2週間の休息期間の後に48時間チャレンジパッチ適用した。誘導期間およびチャレンジ期間の両方で皮膚反応は観察されなかった(UNEP,2004)

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、皮膚刺激性および皮膚感作性の報告はないため、皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Silica and Related Cosmetic Ingredients」(文献1:2009)によると、

  • [動物試験] 8匹のウサギの眼に含水シリカ0.1gを含むオリーブオイルを点眼し、5分後に5匹のウサギの眼をすすぎ、24時間後に残りの3匹のウサギの眼をすすいだ。点眼から1,24,48および72時間後に眼を検査したところ、5分後に眼をすすいだウサギは1および24時間後で結膜にわずかな発赤が観察され、24時間後に眼をすすいだウサギは1,24および48時間後でわずかな結膜発赤が観察された。臨床的な刺激の兆候はなく、わずかな眼刺激性と結論付けられた。ただし、含水シリカの水溶性が大きかったり、オリーブオイル中の不純物の除去が不完全であることが差異を生じさせるかどうかは明らかではない(Lewinson et al.,1994)

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、わずかな眼刺激性が報告されているため、わずかな眼刺激が起こる可能性があると考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
含水シリカ 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、含水シリカは毒性なし(∗2)となっており、試験データをみるかぎり、安全性に問題のない成分であると考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

含水シリカは着色剤と表面処理剤にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:着色剤 表面処理剤

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2009)「Safety Assessment of Silica and Related Cosmetic Ingredients」, <https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR466.pdf> 2018年5月5日アクセス.

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