合成フルオロフロゴパイト(合成金雲母)とは…成分効果と毒性を解説

着色剤
合成フルオロフロゴパイト(合成金雲母)
[化粧品成分表示名称]
・合成フルオロフロゴパイト(改正名称)
・合成金雲母(旧称)

無水ケイ酸、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムおよびケイフッ化カリウムを混合したもの、またはこれらに炭酸カリウムを混合し溶解させて結晶化させた合成フッ素金雲母と呼ばれる非膨潤性マイカ(合成マイカ)です。

合成マイカで、とくに天然マイカに多く含まれる鉄分が極めて少ないため白色度が高く、くすみや濁りのない光沢をもちます(文献2:2006)

化粧品に配合される場合は、高輝度特性があるので、パール顔料としてアイシャドー、ファンデーション、口紅、ネイルエナメルなどのメイクアップ化粧品に広く使用されています。

また、伸びがよく、肌のくすみをカバーする特性もあるため、外見上の輝き特性や使用後に肌を明るく見せる目的でスキンケア化粧品にも配合されます。

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2012年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

合成フルオロフロゴパイトの配合製品数と配合量の調査結果(2012年)

スポンサーリンク

合成フルオロフロゴパイトの安全性(刺激性・アレルギー)について

合成フルオロフロゴパイトの現時点での安全性は、皮膚刺激性および眼刺激性はなく、皮膚感作(アレルギー)の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Synthetic Fiuorphlogopite as Used in Cosmetics」(文献1:2015)によると、

  • [ヒト試験] 42人の被検者に55%合成フルオロフロゴパイト水溶液0.05gを48時間単一閉塞パッチ適用しパッチ除去後に皮膚反応を評価したところ、55%合成フルオロフロゴパイト水溶液は刺激を示さなかった(Personal Care Products Council,2011a)
  • [ヒト試験] 21.2%合成フルオロフロゴパイトを含むパウダーファンデーション製品の48時間パッチ試験の結果、この製品は刺激剤ではなかった(Personal Care Products Council,2011a)
  • [in vitro試験] ヒト皮膚モデルにおいて合成フルオロフロゴパイト1mgを処理したところ、組織の生存率は>50%を有しており、刺激性がないと考えられた(Htibler N,2011a)

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、共通して刺激なしと報告されているため、皮膚刺激性はないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Synthetic Fiuorphlogopite as Used in Cosmetics」(文献1:2015)によると、

  • [動物試験] 3匹のウサギの眼に合成フルオロフロゴパイト0.1gを適用し、眼刺激性を評価したところ、すべてのウサギで適用1時間後に結膜の赤みめやにが観察され、そのうち1匹はケモ-シスを伴ったが、眼刺激剤ではないと考えられた(Htibler N,2011b)
  • [in vitro試験] 鶏卵の漿尿膜を用いて、100%合成フルオロフロゴパイトを処理したところ(HET-CAM法)、刺激性は示されなかった(Htibler N,2011c)
  • [in vitro試験] 畜牛の眼球から摘出した角膜を用いて、角膜表面に20%合成フルオロフロゴパイトを含む0.9%塩化ナトリウム溶液を処理した後、角膜の濁度ならびに透過性の変化量を定量的に測定したところ(BCOP法)、角膜の濁度および透過性を増加されなかったため、眼刺激性または腐食性を示さなかったと結論づけられた(Htibler N,2011d)

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、共通して眼刺激性なしと報告されているため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Synthetic Fiuorphlogopite as Used in Cosmetics」(文献1:2015)によると、

  • [ヒト試験] 107人の被検者に13.824%合成フルオロフロゴパイトを含む圧縮粉末の反復傷害感作試験(HRIPT)を半閉塞パッチを用いて実施したところ、この製品は皮膚刺激および皮膚感作を誘発しなかったと結論づけられた(Clinical Research Laboratories Inc.,2010)
  • [動物試験] 10匹のモルモットを用いて55%合成フルオロフロゴパイト水溶液0.1gを皮内注射したMaximization皮膚感作試験において、合成フルオロフロゴパイトは感作剤ではなかったと結論づけられた
  • [動物試験] 5匹のマウスを用いて5%,10%および25%合成フルオロフロゴパイトを含むアセトンとオリーブ油の混合液(アセトン:オリーブ油4:1)の局所リンパ節検査の結果、合成フルオロフロゴパイトは皮膚感作物質ではなかった(Harlan CCR GmbH,2011)

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、共通して皮膚感作性なしと報告されているため、皮膚感作性(アレルギー性)はないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
合成フルオロフロゴパイト 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、合成フルオロフロゴパイトは毒性なし(∗2)となっており、試験データをみるかぎり、安全性に問題のない成分であると考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

合成フルオロフロゴパイトは着色剤にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:着色剤

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2015)「Safety Assessment of Synthetic Fiuorphlogopite as Used in Cosmetics」, <http://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/1091581815613513> 2018年5月3日アクセス.
  2. 安孫子 昌周(2006)「ファンデーション用合成マイカ粉体の開発」Fragrance Journal(34)(6),65-70.

スポンサーリンク

TOPへ