マイカとは…成分効果と毒性を解説



・マイカ
[医薬部外品表示名称]
・マイカ、セリサイト
原石である白雲母または金雲母を粉砕して得られる含水ケイ酸アルミニウムカリウムを主体とする板状粉体の体質顔料です。
マイカは和名で雲母(うんも)と呼び、一般的に白雲母は含有不純物が少なく、金雲母に比較すると広範囲に使用されています(文献2:2016)。
化粧品に配合される場合は、表面がスベスベした性質で、伸びやすさ、ツヤ出し、滑りやすさ、肌への密着性、透明性の付与目的でファンデーションや白粉などに配合されます。
粉体の大きさや形状により様々なタイプのマイカが仕上がり、特性の異なる原料として区別して使われます。
また、マイカの表面に酸化チタンをコーティングした雲母チタンは、無毒性および耐光性の点で合成パール顔料として主流のひとつとなっており、金色、銀色、赤色、青色、緑色までの干渉色をあらわすものが得られます。
マイカの安全性(刺激性・アレルギー)について
ただし、不純物としてごく微量(0.001%以下)のニッケル、クロムが含まれているため、中等~重度の金属アレルギーの場合は注意が必要です。
以下は、この結論にいたった根拠です。
皮膚刺激性について
“FDA”の「Code of Federal Regulations Title 21 Sec. 73.2496 Mica」(文献1:2017)によると、
- マイカは、一般に眼の領域に適用することを意図した化粧品を含む一般的な化粧品において適正な製造工程を経た場合で着色に安全に使用することができる
と記載されています。
詳細な試験データはみあたりませんが、FDA(アメリカ食品医薬品局)では化粧品の着色剤としての安全性が認められているため、化粧品專門機関の安全性報告は後回しにされている状況ですが、皮膚刺激の報告もみあたらないため、一般的に皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。
眼刺激性について
“FDA”の「Code of Federal Regulations Title 21 Sec. 73.2496 Mica」(文献1:2017)によると、
- マイカは、一般に眼の領域に適用することを意図した化粧品を含む一般的な化粧品において適正な製造工程を経た場合で着色に安全に使用することができる
と記載されています。
詳細な試験データはみあたりませんが、FDA(アメリカ食品医薬品局)によって眼領域に適用される化粧品としての安全性が認められているため、一般に眼領域の刺激性はほとんどないと考えられます。
皮膚感作性(アレルギー性)について
“FDA”の「Code of Federal Regulations Title 21 Sec. 73.2496 Mica」(文献1:2017)によると、
- マイカは、一般に眼の領域に適用することを意図した化粧品を含む一般的な化粧品において適正な製造工程を経た場合で着色に安全に使用することができる
と記載されています。
FDA(アメリカ食品医薬品局)によって眼領域に適用される化粧品としての安全性が認められているため、一般に皮膚感作(アレルギー)はほとんどないと考えられます。
補足として、マイカは多少の不純物を含んでおり、不純物の種類および量の一例として、以下の表のような不純物の構成になっていますが、
一般的に金属アレルギー物質とされているニッケル、クロムも混じっていますが、0.001%以下なのでアレルギー反応が起こることはほとんどないと考えられますが、中等~重度の金属アレルギーの場合は注意が必要かもしれません。
化粧品毒性判定事典による毒性判定について
化粧品成分名 | 判定 |
---|---|
マイカ | 毒性なし |
参考までに化粧品毒性判定事典によると、マイカは毒性なし(∗1)となっており、安全性に問題はないと考えられます。
∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。
∗∗∗
マイカは着色剤にカテゴライズされています。
成分一覧は以下からお読みください。
参考:着色剤
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文献一覧:
- “FDA”(2017)「Code of Federal Regulations Title 21 Sec. 73.2496 Mica」, <https://www.accessdata.fda.gov/scripts/cdrh/cfdocs/cfcfr/CFRSearch.cfm?fr=73.2496> 2018年5月26日アクセス.
- 日光ケミカルズ(2016)「粉体および色材」パーソナルケアハンドブック,p296-297.
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