タルクとは…成分効果と毒性を解説

着色剤 感触改良剤 表面処理剤 抗炎症成分
タルク
[化粧品成分表示名称]
・タルク

[医薬部外品表示名称]
・タルク

滑石という柔らかい結晶性鉱物をもとに洗浄して微粉末にした体質顔料です。

主成分は、含水ケイ酸マグネシウムで、層状に割れやすく、薄い板状結晶になり、非常に滑りやすい性質を持っています。

原石の産地や粉体の大きさによって粉体の色や性質に特徴があり、それらを考慮して使用されます。

一般的には粒子径が大きいほどすべりがよく、透明感があります。

平均粒子径10ミクロン程度のものはすべりがいいのでフェイスパウダー類に用いられ、5ミクロン程度はアイシャドウなどに用いられます。

化粧品に配合される場合は、

これらの作用があり、主に肌への伸びや広がり、吸着力を良くする目的でメイクアップ製品、ベビーパウダー、ボディパウダー、ボディパウダーなどに使用されます(文献1:2006;文献3:2002)

表面処理剤

表面処理剤に関しては、主に酸化チタンの表面のツヤ消し目的で処方されます。

ウロキナーゼ吸着による抗炎症作用

ウロキナーゼ吸着による抗炎症作用に関しては、2002年に資生堂が第22回IFSCCエジンバラ大会において最優秀賞を受賞した研究成果で、その報告によると、

肌荒れ時の角層表面にはウロキナーゼが存在し、これが活性化因子としてプラスミンを活性化し、初期段階の肌荒れに重要な働きをしていることを見出した。

そこで、本来は表皮内部で活性化されると考えられていたウロキナーゼが角層表面で活性化されることに着目し、肌表面でその活性を取り除くことで肌荒れが防止できるのではと考え、様々な粉体を探索したところ、酸化亜鉛にウロキナーゼ活性抑制作用が、またシリカおよびタルクにウロキナーゼ吸着作用が明らかになった。

これら2種類の粉体をナノレベルで複合化し、パウダーファンデーションに配合して4,039人の女性に3週間連続使用してもらったところ、70%に肌荒れ改善効果が認められた。

このような研究結果が明らかになっており(文献3:2002)、タルクにウロキナーゼ吸着による肌荒れ防止・抗炎症作用が認められています。

ヒト試験は、ナノ化されたタルクを使用していることもあって効果が顕著ですが、ウロキナーゼ吸着作用はタルクの特性であるため、一般的なタルクでも効果を有していると考えられます。

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2010-2013年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

タルクの配合製品数と配合量の調査結果(2010-2013年)

タルクの配合状況の調査結果(2010-2013年)

スポンサーリンク

タルクの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

タルクの現時点での安全性は、医療上汎用性があり有効性および安全性の基準を満たした成分が収載される日本薬局方および外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載されており、皮膚刺激性はほとんどなく、眼刺激性はデータ不足により詳細不明ですが、皮膚感作(アレルギー)の報告もないため、安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Talc as Used in Cosmetics」(文献1:2015)によると、

  • [動物試験] モルモット(数は不明)に10mg滅菌タルク(英国薬局方グレード)を含む滅菌生理食塩水0.5mLおよびフロイント完全アジュバントエマルション0.5mLの溶液を皮内注射し、11匹のモルモットに対照としてエマルションのみを注射した。皮膚試験は、片耳にデンプン粉末を適用し、もう片方にタルクを適用し、様々な間隔で実施した。両耳にチャレンジパッチを適用してから24時間後にすべての対照群においてわずかな皮膚の肥厚が観察され、その皮膚反応はタルク試験群におけるタルクのチャレンジに対する反応に類似していた。タルクはモルモットにおける皮膚感作物質ではなかった(Hawley GG, Lewis RJ,2007)

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、皮膚刺激の報告もなく、また皮膚感作物質ではないと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

試験結果がみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
タルク 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、タルクは毒性なし(∗1)となっており、試験データをみるかぎり、安全性に問題のない成分であると考えられます。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

タルクは着色剤、表面処理剤、抗炎症成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:着色剤 表面処理剤 抗炎症成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2015)「Safety Assessment of Talc as Used in Cosmetics」, <http://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/1091581815586797> 2018年5月3日アクセス.
  2. 日光ケミカルズ(2006)「粉体および色材」新化粧品原料ハンドブックⅠ,296.
  3. “資生堂”(2002)「新規肌あれ抑制成分スキンケアパウダーの開発」, <https://www.shiseidogroup.jp/newsimg/archive/00000000000275/275_w5m24_jp.pdf> 2018年8月15日アクセス.

スポンサーリンク

TOPへ