シルクとは…成分効果と毒性を解説

着色剤 感触改良剤
シルク
[化粧品成分表示名称]
・シルク

[医薬部外品表示名称]
・シルク末

カイコガの繭から得られる絹繊維を加水分解して得られる粉末です。

主成分はフィブロインという繊維状の絹たんぱく質で、皮膚に対する展着性(∗1)が高く、優雅な絹光沢を持ちます。

∗1 展着性とは、広く伸びてものに付着する性質のことです。

化粧品に配合される場合は、肌当たりが滑らかな粉体で光沢を有するため、主としてパウダーファンデーションや粉白粉などのパウダー型メイクアップ化粧品に配合されます。

また、シルク布を纏ったような心地よい感触をテクスチャーにもたらし高級感を付与するため、リキッドファンデ-ション、口紅、チークなどのメイクアップ化粧品、マニキュアなどのネイル製品、クリーム、美容液などのスキンケア化粧品、ほかにも日焼け止め製品、洗顔料、ヘアケア製品などに配合することもあります。

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シルクの安全性(刺激性・アレルギー)について

シルクの現時点での安全性は、皮膚刺激および眼刺激はほとんどなく、シルクにアレルギーを有していない場合において皮膚感作(アレルギー)はほとんどなく、安全性の高い成分であると考えられます。

シルクに皮膚感作(アレルギー)を有している場合は、アレルギーが生じる可能性があるため、使用を避けるべきです。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗2)やレポートを参照しています。

∗2 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Silk Protein Ingredients as Used in Cosmetics」(文献1:2015)によると、

  • [動物試験] 6匹のウサギの剃毛した背中にシルク0.5gを24時間閉塞パッチ適用し、パッチ除去24および72時間後に反応を評価したところ、無傷の皮膚および擦過した皮膚で紅斑、痂皮および浮腫の兆候はなく、シルクは非刺激性物質に分類された

と記載されています。

試験結果はひとつですが、無傷および擦過した皮膚の両方で非刺激性として報告されているため、皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Silk Protein Ingredients as Used in Cosmetics」(文献1:2015)によると、

  • [動物試験] 9匹のウサギの片眼にシルク0.1gを点眼し、点滴直後に3匹のウサギの眼をすすぎ、24,48および72時間後にそれぞれの眼を検査したところ、眼をすすいでいない6匹のうち5匹に一過性の結膜の赤みが観察されたが、角膜または虹彩への影響は観察されなかった。眼をすすいだ3匹のウサギでの眼の刺激は観察されなかった。これらの結果からシルクは非刺激剤として分類された

と記載されています。

試験結果はひとつで、エビデンスという点で弱いですが、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Silk Protein Ingredients as Used in Cosmetics」(文献1:2015)によると、

  • [ヒト試験] シルクに感作性のある9人の被検者の血清を用いて抽出されたシルクタンパク質に対するIgEおよびIgG抗体の反応を免疫グロブリンEの検査法の一つであるRASTによって測定したところ、シルクに感作性のある被検者の血清は分離されたシルクポリペプチドに対してIgE抗体の滴定濃度が高く、IgG抗体の滴定濃度が低かった。別の試験でカイコ抽出物に10人の被検者が陽性反応を示したが、この抽出物の主要なアレルゲンはアルギニンキナーゼ(42 kdaタンパク質)だと判別された

と記載されています。

シルクに感作(アレルギー)がない場合は、皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

一方でシルクに感作(アレルギー)がある場合は皮膚感作(アレルギー)が起きる可能性が高いと考えられるので、使用を避ける必要があります。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
シルク 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、シルクは毒性なし(∗3)となっており、シルクにアレルギーがない場合は安全性の高い成分であると考えられます。

一方で、シルクにアレルギーを有している場合は使用を避けるべきです。

∗3 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

シルクは着色剤にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:着色剤

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2015)「Safety Assessment of Silk Protein Ingredients as Used in Cosmetics」, <https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR699.pdf> 2018年3月13日アクセス.

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