カルミンとは…成分効果と毒性を解説

着色
カルミン
[化粧品成分表示名称]
・カルミン

[医薬部外品表示名称]
・カルミン

中南米に自生しサボテンに寄生するコチニールカイガラムシ(学名:Dactylopius coccus Costa 英名:Cochineal 別名:エンジムシ)から得られるカルミン酸とアルミニウムを反応させて得られるカルミン酸アルミニウム塩であり、不溶性のコチニールレーキ(有機合成色素:タール色素)(∗1)です。

∗1 レーキとは、水溶性の染料に金属塩などの沈殿剤を加えることで水や油などに溶けないようにしたものの総称であり、カルミンは水溶性のカルミン酸をアルミニウムなどの金属塩と反応させて不溶性としたレーキです。

本来は、ごくわずかに紫がかった濃い赤であるカーマイン(英名:carmine)の色をコチニールレーキとしていましたが、アントラキノンレッドなどより明るく鮮やかな赤色の合成色素が開発されるにつれてそれらの赤色をカーマインと呼ぶようになり、コチニールレーキはカーマイン(∗2)を由来とするカルミンと呼ばれるようになりました。

∗2 カーマインはドイツではカーミン(karmin)と呼ばれます。

一般的には、食品分野においてかまぼこ、飲料、菓子類の着色に使用されていますが、2012年に消費者庁のコチニールのに関する注意喚起(後述)が公開されたことで、低アレルゲン化処理を行い使用するものもありますが、別の色素に代替する製品も増えています。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、洗浄製品、洗顔料&洗顔石鹸、スキンケア化粧品、パック&マスク製品、ボディ&ハンドケア製品、ヘアスタイリング剤などに使用されています。

赤色の着色

赤色の着色に関しては、赤色色素として主に口紅、アイシャドー、アイライナー、マスカラなどメイクアップ化粧品に使用されています(文献4:2012)

スポンサーリンク

カルミンの安全性(刺激性・アレルギー)について

カルミンの現時点での安全性は、

  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

Food and Drug Administrationの連邦規則集(文献1:2017)によると、

  • カルミンは、一般的に良好な製造工程および化粧品配合量において、眼領域に適用される化粧品の着色剤として安全に使用できる

消費者庁のコチニールに関する注意喚起(文献2:2012)によると、

  • コチニール色素を含む飲料と急性アレルギー反応(アナフィラキシー)に関する国内の研究情報が消費者庁に提供された。これまで、独立行政法人国民生活センターや地方自治体の消費生活センター等には、コチニール色素を原因とするアレルギー症状の事例は寄せられてなかったが、コチニール色素を含む化粧品の使用や食品の摂取により、アナフィラキシーを引き起こしたと推定される事例が、1960年代から数にして20例ほど論文などで報告されている

と記載されています。

規則集をみるかぎり、皮膚刺激性および皮膚感作性なしと判断できるため、一般的に皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

国民生活センターや消費生活センターにはカルミン(コチニール色素)を原因とするアレルギー症状の事例は寄せられておらず、一般的には皮膚感作はほとんど起こりませんが、非常にまれにアナフィラキシーショックを誘発することが知られており、アナフィラキシー反応を起こした場合は重篤な症状となる可能性もあることから、2012年に消費者庁による注意喚起が行われています(文献2:2012)

ただし、このアレルギー反応は、色素自体によるものではなく、原料のエンジムシ由来の特定のタンパク質が原因物質だろうと考えられています(文献3:2012)

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

∗∗∗

カルミンは着色剤にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:着色剤

∗∗∗

文献一覧:

  1. FDA:Food and Drug Administration(2017)「Code of Federal Regulations Title 21 Sec. 73.2087 Carmine」, <https://www.accessdata.fda.gov/scripts/cdrh/cfdocs/cfcfr/CFRSearch.cfm?fr=73.2087> 2019年7月14日アクセス.
  2. 消費者庁(2012)「コチニール色素に関する注意喚起」, <https://cosmetic-ingredients.org/ref/2012_carmine02.pdf> 2018年5月24日アクセス.
  3. 厚生労働省(2012)「コチニール等を含有する医薬品、医薬部外品及び化粧品への成分表示等について」, <https://cosmetic-ingredients.org/ref/2012_carmine01.pdf> 2018年5月24日アクセス.
  4. 鈴木 一成(2012)「コチニール(カルミン酸)」化粧品成分用語事典2012,536.

TOPへ