カラメルとは…成分効果と毒性を解説


・カラメル
[医薬部外品表示名称]
・カラメル
単糖の一種であるグルコース、二糖の一種であるスクロース、水飴またはその他の糖類を熱処理して得られる数多くの化合物から成る水溶性の混合物(天然色素)です。
カラメルの組成はまだはっきりと解明されていませんが、着色物質は約30%といわれており、このほかに糖の分解によって生成する有機酸、エステルなどが含まれます(文献2:2006)。
欧米では古くから家庭で糖を加熱して得られた手作りカラメルが料理に利用されており、19世紀には商業的に生産されたカラメルが菓子や飲料、ビールなどに利用されはじめ、日本には明治初期にドイツから輸入され、現在でも種々の食品や飲料に利用されています(文献4:2010)。
化粧品に配合される場合は、
これらの目的で、洗浄製品、洗顔料&洗顔石鹸、スキンケア製品、パック&マスク製品、ボディ&ハンドケア製品、ヘアスタイリング剤などに使用されています。
薄褐色の着色
薄褐色の着色に関しては、水に溶ける天然色素として薄い褐色に着色または他の色素に混ぜて微妙な色彩を演出する目的で、シャンプー、ボディソープ、ヘアトリートメント、洗顔石鹸、洗顔フォーム、ヘアスタイリング剤、スキンケア製品、パックなど様々な製品に使用されています(文献2:2006;文献3:2015)。
カラメルの安全性(刺激性・アレルギー)について
- 薬添規2018規格の基準を満たした成分が収載される医薬品添加物規格2018に収載
- 外原規2021規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2021に収載
- 10年以上の使用実績
- 皮膚刺激性:ほとんどなし
- 眼刺激性:詳細不明
- 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし
このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般に安全性に問題のない成分であると考えられます。
以下は、この結論にいたった根拠です。
皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について
- カラメルは、一般的に良好な製造工程および化粧品配合量において、眼領域に適用される化粧品の着色剤として安全に使用できる
と記載されています。
規則集をみるかぎり、皮膚刺激性および皮膚感作性なしと判断できるため、皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。
眼刺激性について
試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。
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カラメルは着色剤にカテゴライズされています。
成分一覧は以下からお読みください。
参考:着色剤
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参考文献:
- FDA:Food and Drug Administration(2017)「Code of Federal Regulations Title 21 Sec. 73.2085 Caramel」, <https://www.accessdata.fda.gov/scripts/cdrh/cfdocs/cfcfr/CFRSearch.cfm?fr=73.2085> 2019年7月13日アクセス.
- 日光ケミカルズ(2006)「天然色素」新化粧品原料ハンドブックⅠ,333-344.
- 宇山 侊男, 他(2015)「カラメル」化粧品成分ガイド 第6版,159.
- 農畜産業振興機構(2010)「カラメルのはなし」, <http://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_000216.html> 2019年7月13日アクセス.