クチナシ黄の基本情報・配合目的・安全性

クチナシ黄

化粧品表示名 クチナシ黄
医薬部外品表示名 クチナシ黄
別名 ガーデニアイエロー
配合目的 着色

1. 基本情報

1.1. 定義

アカネ科植物クチナシ(学名:Gardenia jasminoides, syn. Gardenia florida 英名:common gardenia)の果実から得られる黄色色素(天然色素)です(∗1)[1]

∗1 「syn」は同義語を意味する「synonym(シノニム)」の略称です。

1.2. 物性・性状

クチナシ黄の物性・性状は、

状態 黄-橙黄色の粉末
溶解性 水、希エタノールに可溶、油脂に不溶

このように報告されています[2a][3a]

1.3. 成分組成

クチナシ黄は天然成分であることから、地域、時期、抽出方法によって成分組成に差異があると推察されますが、その成分組成は主に、

分類 成分名
カロテノイド クロシン(黄色色素)、クロセチン(黄色色素)

これらの成分で構成されていることが報告されています[2b][3b]

1.4. 分布と歴史

クチナシ(梔子)は台湾、中国、日本においては和歌山県、鹿児島県、高知県など西南部の森林に自生しており、日本と中国の交流が行われるようになった飛鳥時代をきっかけに黄色染料として用いられるようになった歴史があり、現在においてもきんとんやたくあん漬けなど食品を染める天然色素として用いられています[4][5][6]

1.5. 化粧品以外の主な用途

クチナシ黄の化粧品以外の主な用途としては、

分野 用途
食品 クチナシから取り出される水溶性の黄色色素であり、中華麺、栗の甘露煮、栗きんとんなどの食品に広く用いられています[7]

これらの用途が報告されています。

2. 化粧品としての配合目的

化粧品に配合される場合は、

  • 黄色の着色

主にこれらの目的で、ボディソープ製品、ボディ石鹸、洗顔石鹸、入浴剤、メイクアップ製品、ヘアカラー製品、スキンケア製品など様々な製品に使用されています。

以下は、化粧品として配合される目的に対する根拠です。

2.1. 黄色の着色

黄色の着色に関しては、クチナシ黄は黄色色素としてクロシン(crocin)やクロセチン(crocetin)を有しており、天然由来色素として黄色の着色または他の着色剤と組み合わせて様々な色に着色する目的で使用されています[3c][8]

3. 安全性評価

クチナシ黄の現時点での安全性は、

  • 食品添加物の既存添加物リストに収載
  • 外原規2021規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2021に収載
  • 20年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし(データなし)
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

3.1. 皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)

食品添加物の既存添加物リストおよび医薬部外品原料規格2021に収載されており、20年以上の使用実績がある中で重大な皮膚刺激および皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

3.2. 眼刺激性

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細不明です。

4. 参考文献

  1. 日本化粧品工業連合会(2013)「クチナシ黄」日本化粧品成分表示名称事典 第3版,359.
  2. ab日光ケミカルズ株式会社(2006)「天然色素」新化粧品原料ハンドブックⅠ,333-344.
  3. abc柴田 雅史(2021)「昔の色を現代で使用する – 天然色素」美しさをつくる色材工学,264-276.
  4. 鈴木 洋(2011)「山梔子(さんしし)」カラー版 漢方のくすりの事典 第2版,179-180.
  5. 御影 雅幸(2013)「サンシシ」伝統医薬学・生薬学,134-135.
  6. 田中 孝治(1996)「色物語」ファルマシア(32)(6),675-677. DOI:10.14894/faruawpsj.32.6_675.
  7. 樋口 彰, 他(2019)「クチナシ黄色素」食品添加物事典 新訂第二版,105-106.
  8. 日本化粧品工業連合会(2005)「クチナシ黄」日本化粧品成分表示名称事典 第2版,226.

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