ベニバナ赤の基本情報・配合目的・安全性

ベニバナ赤

化粧品表示名 ベニバナ赤
医薬部外品表示名 ベニバナ赤
部外品表示簡略名 紅花赤
別名 カーサマスレッド
配合目的 着色

1. 基本情報

1.1. 定義

キク科植物ベニバナ(学名:Carthamus tinctorius 英名:Safflower)の花から得られる赤色のエキス(天然色素)です[1]

1.2. 物性・性状

ベニバナ赤の物性・性状は、

状態 暗赤-暗紫色の結晶または粉体
溶解性 エタノールに微溶、水、油脂に不溶、アルカリ調で水に可溶

このように報告されています[2a][3a]

1.3. 成分組成

ベニバナ赤は天然成分であることから、地域、時期、抽出方法によって成分組成に差異があると推察されますが、その成分組成は主に、

分類 成分名
フラボノイド カルコン カルタミン(赤色色素)(∗1)

∗1 カルタミン(carthamin)はカーサミンともよばれています。

これらの成分で構成されていることが報告されています[2b][3b]

1.4. 分布と歴史

ベニバナ(紅花)はエジプトを原産とし、エジプトにおいては紀元前2500年頃のミイラの墓で発見された麻のリボンの黄または淡紅色がベニバナで染められたものであることが確認されており、また2700年以上前のサッカーラ遺跡からベニバナの花弁と化粧用につくられた紅色色素が出土していることから、非常に長い歴史をもつ天然の染料・着色料であることが広く知られています[4a]

古くからインド、メキシコ、アメリカ、中国などで栽培されていますが、生産の約50%はインドであり、これらの栽培の多くは種子油の採取を目的としています[4b]

日本においては奈良時代に渡来し、江戸時代には多くが最上地方で栽培されたことから「最上紅花」として有名となり、化学染料におされ生産が減少している現在でも山形県を象徴する県花として大部分が山形県で栽培され、宮中や皇太神殿の式典で用いられる服は山形県の紅花で染められ続けています[5][6]

1.5. 化粧品以外の主な用途

ベニバナ赤の化粧品以外の主な用途としては、

分野 用途
食品 ベニバナの花から水溶性の黄色色素を取り出した後に弱アルカリ性の水で取り出される赤色色素であり、赤色の着色料として和菓子類に用いられています[7]

これらの用途が報告されています。

2. 化粧品としての配合目的

化粧品に配合される場合は、

  • 赤色の着色

主にこれらの目的で、メイクアップ製品、化粧下地製品、コンシーラー製品などに使用されています。

以下は、化粧品として配合される目的に対する根拠です。

2.1. 赤色の着色

赤色の着色に関しては、ベニバナ赤は赤色色素としてカルタミン(carthamin)を有しており、また水には溶解しにくく天然色素としては着色力も比較的高いことから、天然由来色素として赤色の着色または他の着色剤と組み合わせて様々な色に着色する目的でメイクアップ製品、化粧下地製品、コンシーラー製品などに使用されています[3c][8]

3. 安全性評価

ベニバナ赤の現時点での安全性は、

  • 食品添加物の既存添加物リストに収載
  • 外原規2021規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2021に収載
  • 20年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし(データなし)
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

3.1. 皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)

食品添加物の既存添加物リストおよび医薬部外品原料規格2021に収載されており、20年以上の使用実績がある中で重大な皮膚刺激および皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

3.2. 眼刺激性

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細不明です。

4. 参考文献

  1. 日本化粧品工業連合会(2013)「ベニバナ赤」日本化粧品成分表示名称事典 第3版,868.
  2. ab日光ケミカルズ株式会社(2006)「天然色素」新化粧品原料ハンドブックⅠ,333-344.
  3. abc柴田 雅史(2021)「昔の色を現代で使用する – 天然色素」美しさをつくる色材工学,264-276.
  4. ab大津 玉子(2004)「花びらの染料紅花」繊維学会誌(60)(11),P547-P552. DOI:10.2115/fiber.60.P_547.
  5. 鈴木 洋(2011)「紅花(こうか)」カラー版 漢方のくすりの事典 第2版,134-135.
  6. 河北町役場政策推進課(2020)「河北町と紅花のあゆみ」河北町勢要覧,12-13.
  7. 樋口 彰, 他(2019)「ベニバナ赤色素」食品添加物事典 新訂第二版,324-325.
  8. 日本化粧品工業連合会(2005)「ベニバナ赤」日本化粧品成分表示名称事典 第2版,529.

TOPへ