赤104(1)の基本情報・配合目的・安全性
化粧品表示名 | 赤104(1) |
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医薬部外品表示名 | 法定色素 |
法定色素名 | 赤色104号の(1) |
別名 | フロキシンB |
INCI名 | CI 45410、Red 28、Red 28 Lake |
配合目的 | 着色 |
1. 基本情報
1.1. 定義
以下の化学式で表されるタール色素(法定色素)またはそのアルミニウムレーキまたはそのバリウムレーキです[1a][2a]。
1.2. 性状
赤104(1)の物性・性状は、
状態 | 赤-赤褐色の粉末または粒 | |
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溶解性 | タール色素 | 水、グリセリン、エタノールに可溶、油脂に不溶 |
レーキ | 水、エタノールに微溶、油脂に不溶 |
法定色素をメイクアップ化粧品に使用する場合は、水に不溶性である必要があり、水溶性のタール色素(法定色素)を使用する場合はアルミニウム塩の水溶液や硫酸バリウムまたはバリウム塩に吸着させて水に溶出しない状態(水に溶けにくい状態)にし、アルミニウムレーキまたはバリウムレーキとして用いられています[3b][4b][5]。
バリウムレーキはアルミニウムレーキより被覆力が少し強いといった特徴があります[4c]。
1.3. 化粧品以外の主な用途
赤104(1)の化粧品以外の主な用途としては、
分野 | 用途 |
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食品 | 水に溶けて緑黄色の蛍光のある赤色となる着色料であり、菓子類、かまぼこ、ソーセージ、でんぶなどを赤色に着色する目的または他の着色料と組み合わせて様々な色に着色する目的で使用されています[6]。 |
これらの用途が報告されています。
2. 化粧品としての配合目的
- 赤色の着色
主にこれらの目的で、リップ系メイクアップ製品、その他のメイクアップ製品、入浴剤などに汎用されています。
以下は、化粧品として配合される目的に対する根拠です。
2.1. 赤色の着色
赤色の着色に関しては、赤104(1)は赤-赤褐色の粉末または粒であり、赤色の着色または他の着色剤と組み合わせて様々な色に着色する目的で主にメイクアップ製品や入浴剤に汎用されています[1b][2c]。
3. 混合原料としての配合目的
赤104(1)は混合原料が開発されており、赤104(1)と以下の成分が併用されている場合は、混合原料として配合されている可能性が考えられます。
原料名 | Geodiamond Rose Quartz |
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構成成分 | ホウケイ酸(Ca/Na)、酸化チタン、赤104(1) |
特徴 | ホウケイ酸ガラス末を基剤としたローズクォーツ色のガラスパール剤 |
原料名 | Geodiamond Amethyst |
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構成成分 | ホウケイ酸(Ca/Na)、酸化チタン、赤104(1)、青1 |
特徴 | ホウケイ酸ガラス末を基剤としたアメジスト色のガラスパール剤 |
原料名 | COLOR GREASE R28AL |
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構成成分 | キャンデリラロウエキス、スクワラン、赤104(1) |
特徴 | キャンデリラ由来の植物樹脂とスクワランに顔料を混合したカラーペースト |
4. 安全性評価
- 食品添加物の指定添加物リストに収載
- 20年以上の使用実績
- 皮膚刺激性:ほとんどなし(データなし)
- 眼刺激性:詳細不明
- 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)
このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般に安全性に問題のない成分であると考えられます。
以下は、この結論にいたった根拠です。
4.1. 皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)
食品添加物の指定添加物リストに収載されており、20年以上の使用実績がある中で重大な皮膚刺激および皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般に皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。
4.2. 眼刺激性
試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細不明です。
5. 参考文献
- ⌃ab日本化粧品工業連合会(2013)「赤104(1)」日本化粧品成分表示名称事典 第3版,1105.
- ⌃abc日本化粧品工業連合会 編(2004)「赤色104号の(1)」法定色素ハンドブック 改訂版,21-23.
- ⌃ab日本化粧品工業連合会 編(2004)「1から11までに掲げるもののアルミニウムレーキ」法定色素ハンドブック 改訂版,50-52.
- ⌃abcb日本化粧品工業連合会 編(2004)「28、34及び42並びに第一部の品目の4、7、8及び10に掲げる掲げるもののバリウムレーキ」法定色素ハンドブック 改訂版,205-207.
- ⌃柴田 雅史(2021)「法定色素の分類と使用できる範囲」美しさをつくる色材工学,161-162.
- ⌃樋口 彰, 他(2019)「食用赤色104号」食品添加物事典 新訂第二版,187.