着色剤の解説と成分一覧

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着色剤

着色剤の定義

着色剤とは、製品または皮膚に色をつけるために用いられる成分のことをいいます[1]

着色剤の分類

着色に用いられる成分は、大別すると以下のように、

分類代表的な成分
無機顔料白色顔料酸化チタン、酸化亜鉛
着色顔料酸化鉄、カーボンブラック、グンジョウ、コンジョウ、酸化クロム、水酸化クロム、マンガンバイオレット
有機合成色素
(タール色素)
有機顔料赤2、青1、赤202、黄4、橙201、緑201
レーキ(∗1)赤色2号アルミニウムレーキ、黄色4号アルミニウムレーキ
天然色素カラメル、クチナシ黄、ベニバナ赤、トウガラシ果実エキス

∗1 化粧品成分表示においてはレーキの場合、は元のタール色素として表示されます。例えば赤色2号アルミニウムレーキの場合は元の赤色2号と同様に「赤2」と表示されます。

このように分類されています[2a]

以下は、それぞれの分類の解説です。

無機顔料

無機顔料は、有機顔料と比較して彩度、着色力、透明性は劣るものの、隠蔽性や耐光性・耐熱性など化学安定性に優れ、分散性が高いものが多いといった特徴を有しており、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、クロム(Cr)などの酸化物、水酸化物、硫化物、クロム酸塩などがあります(∗2)[3a]

∗2 カーボンブラックは炭素(C)を主成分としますが、炭素の周囲に水素、酸素、窒素が結合された一般に有機化合物と区別して、炭素同素体としての解釈から無機顔料に分類されるのが一般的です。

有機合成色素(タール色素)

顔料には無機顔料のほかに色調が豊富であり、メイクアップ効果が鮮明であるなどの特徴を有するタール色素が広く使用されています[2b]

タール色素の中には皮膚刺激性や発がん性などがあり、人体に使用できないものもあるため、薬機法で現在安全が確認されているタール色素のみが使用基準を設けて法定色素として用いられています[4a]

有機顔料

有機合成色素は、無機顔料と比較して高価なものが多く、化学安定性で劣る場合はあるものの、色相の豊富さ、鮮明性、着色力では非常に優れていることを特徴としており、とくにアゾ基(-N=N-)を有するアゾ系顔料(赤・黄)は種類が豊富で、アゾ系とフタロシアニン系(青)が大半を占めています[3b]

レーキ

レーキとは、水に可溶性の有機顔料を金属塩にして不溶化したもののことであり、例えば水溶性の「赤2」をアルミニウム塩の水溶液に吸着させて水に溶出しない状態(水に溶けにくい状態)にした赤色2号アルミニウムレーキなどがあります[5][6][7]

天然色素

自然界には動物、植物、鉱物などにそれぞれの特性を示す天然色素が含まれており、古くはこれらが化粧品に用いられていたものの、着色力、耐光性、耐薬品性が劣っているため、合成色素が用いられるようになってからはほとんど使用されなくなっていましたが、近年は安全性と「自然」「植物由来」といったコンセプトの化粧品需要が高まるにつれ、再び使用されるようになってきています[4b]

着色剤の配合目的

日常の生活において色は欠くことのできないものであり、人間の感覚のうち視覚の対象として感ずる色は人間生活に大きな心理的効果を与えることから、皮膚または毛髪を着色することによりより美しくみせる目的または製品自体の外見上の商品価値を高める目的で用いられます[4c]

参考文献

  1. 日本化粧品工業連合会(2013)「着色剤」日本化粧品成分表示名称事典 第3版付録,673-674.
  2. ab鈴木 一成(2012)「着色料(色材原料)」化粧品成分用語事典2012,531-557.
  3. ab志田 行隆(2020)「顔料の種類と用途」色と顔料の世界 新版,59-66.
  4. abc田村 健夫・廣田 博(2001)「色材原料」香粧品科学 理論と実際 第4版,153-184.
  5. 小出 倫正(2003)「レーキ」化粧品事典,850.
  6. 日本化粧品工業連合会 編(2004)「1から11までに掲げるもののアルミニウムレーキ」法定色素ハンドブック 改訂版,50-52.
  7. 柴田 雅史(2021)「法定色素の分類と使用できる範囲」美しさをつくる色材工学,161-162.

着色剤一覧

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化粧品表示名
医薬部外品表示名
β-カロチン
配合目的赤褐色の着色 など
化学式β-カロチン
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化粧品表示名青1
配合目的青色の着色
化学式青1
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化粧品表示名青2
配合目的青色の着色
化学式青2
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化粧品表示名青204
配合目的青色の着色
化学式青204
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化粧品表示名青404
配合目的青色の着色
化学式青404
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化粧品表示名赤102
配合目的赤色の着色
化学式赤102
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化粧品表示名赤104(1)
配合目的赤色の着色
化学式赤104(1)
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化粧品表示名赤106
配合目的赤色の着色
化学式赤106
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化粧品表示名赤2
配合目的赤色の着色
化学式赤2
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化粧品表示名赤201
配合目的赤色の着色
化学式赤201
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化粧品表示名赤202
配合目的赤色の着色
化学式赤201
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化粧品表示名赤218
配合目的赤色の着色
化学式赤218
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化粧品表示名赤220
配合目的赤色の着色
化学式赤220
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化粧品表示名赤223
配合目的赤色の着色
化学式赤223
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化粧品表示名赤226
配合目的赤色の着色
化学式赤226
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化粧品表示名赤227
配合目的赤色の着色
化学式赤227
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化粧品表示名赤228
配合目的赤色の着色
化学式赤228
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化粧品表示名赤230(1)
配合目的赤色の着色
化学式赤230(1)
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化粧品表示名赤3
配合目的赤色の着色
化学式赤3
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化粧品表示名赤504
配合目的赤色の着色
化学式赤504
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医薬部外品表示名黄酸化鉄
配合目的黄-橙黄色の着色
化学式黄酸化鉄
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化粧品表示名
医薬部外品表示名
カーボンブラック
配合目的黒色の着色
化学式 
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化粧品表示名加水分解クチナシエキス
配合目的青色の着色
抽出元イメージ加水分解クチナシエキス
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化粧品表示名
医薬部外品表示名
カラメル
配合目的褐色の着色
化学式 
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化粧品表示名
医薬部外品表示名
カルミン
配合目的赤色の着色
化学式カルミン
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化粧品表示名黄203
配合目的黄色の着色
化学式黄203
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化粧品表示名黄205
配合目的黄色の着色
化学式黄205
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化粧品表示名黄4
配合目的黄色の着色
化学式黄4
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化粧品表示名黄401
配合目的黄色の着色
化学式黄401
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化粧品表示名黄5
配合目的黄色の着色
化学式黄5
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化粧品表示名
医薬部外品表示名
グアイアズレン
配合目的青色の着色、抗炎症作用、ヒスタミン遊離抑制による抗アレルギー作用、UVB吸収による紫外線防御補助効果 など
化学式グアイアズレン
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医薬部外品表示名クチナシ青液
配合目的青色の着色
抽出元イメージクチナシ青液
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化粧品表示名
医薬部外品表示名
クチナシ黄
配合目的黄色の着色
抽出元イメージクチナシ黄
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医薬部外品表示名黒401
配合目的黒色の着色
化学式黒401
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医薬部外品表示名黒酸化鉄
配合目的黒色の着色
化学式黒酸化鉄
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化粧品表示名(クロロフィリン/銅)複合体
配合目的緑色の着色 など
化学式 
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化粧品表示名
医薬部外品表示名
グンジョウ
配合目的青-ピンク-青紫色の着色
化学式 
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医薬部外品表示名グンジョウバイオレット
配合目的青紫色の着色
化学式 
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医薬部外品表示名グンジョウピンク
配合目的ピンク色の着色
化学式 
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化粧品表示名
医薬部外品表示名
コチニール
配合目的橙-赤紫色の着色
化学式 
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化粧品表示名
医薬部外品表示名
コンジョウ
配合目的濃青色の着色
化学式コンジョウ
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医薬部外品表示名サフロールイエロー
配合目的黄色の着色
抽出元イメージサフロールイエロー
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化粧品表示名
医薬部外品表示名
酸化亜鉛
配合目的白色の着色、UVBおよびUVA吸収および散乱による紫外線防御効果、収れん作用 など
化学式酸化亜鉛
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化粧品表示名
医薬部外品表示名
酸化クロム
配合目的緑色の着色
化学式酸化クロム
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化粧品表示名
医薬部外品表示名
酸化チタン
配合目的白色の着色、UVBおよびUVA吸収および散乱による紫外線防御効果
化学式酸化チタン
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化粧品表示名酸化鉄
配合目的黄-赤-黒色の着色
化学式酸化鉄
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医薬部外品表示名三二酸化鉄
配合目的暗赤-赤褐色の着色
化学式三二酸化鉄
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化粧品表示名シアノコバラミン
配合目的ピンク-赤色の着色 など
化学式シアノコバラミン
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化粧品表示名
医薬部外品表示名
水酸化クロム
配合目的緑色の着色
化学式 
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化粧品表示名
配合目的吸着、研磨・スクラブ、黒色の着色 など
化学式炭
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化粧品表示名橙201
配合目的橙色の着色
化学式橙201
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化粧品表示名橙205
配合目的橙色の着色
化学式橙205
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医薬部外品表示名低温焼成酸化亜鉛
配合目的白色の着色、UVBおよびUVA吸収および散乱による紫外線防御効果、収れん作用 など
化学式低温焼成酸化亜鉛
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化粧品表示名トウガラシ果実エキス
配合目的局所刺激による血行促進作用、TRPV1活性化による温感付与効果、赤色の着色 など
抽出元イメージトウガラシ果実エキス
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医薬部外品表示名トウガラシチンキ
配合目的局所刺激による血行促進作用、TRPV1活性化による温感付与効果、赤色の着色 など
抽出元イメージトウガラシチンキ
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医薬部外品表示名銅クロロフィリンナトリウム
配合目的緑色の着色 など
化学式 
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化粧品表示名
医薬部外品表示名
銅クロロフィル
配合目的緑色の着色 など
化学式 
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化粧品表示名
医薬部外品表示名
パプリカ色素
配合目的赤色の着色 など
化学式 
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医薬部外品表示名微粒子酸化チタン
配合目的白色の着色、UVBおよびUVA吸収および散乱による紫外線防御効果
化学式微粒子酸化チタン
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化粧品表示名
医薬部外品表示名
ベニバナ赤
配合目的赤色の着色
抽出元イメージベニバナ赤
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化粧品表示名
医薬部外品表示名
ベニバナ黄
配合目的黄色の着色
抽出元イメージベニバナ黄
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医薬部外品表示名ベンガラ
配合目的暗赤-赤褐色の着色
化学式ベンガラ
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医薬部外品表示名法定色素
配合目的着色
化学式 
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化粧品表示名
医薬部外品表示名
マンガンバイオレット
配合目的薄紫-暗紫色の着色
化学式マンガンバイオレット
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化粧品表示名緑201
配合目的緑色の着色
化学式緑201
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化粧品表示名緑3
配合目的緑色の着色
化学式緑3
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化粧品表示名紫201
配合目的紫色の着色
化学式紫201
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化粧品表示名紫401
配合目的紫色の着色
化学式紫401
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医薬部外品表示名薬用炭
配合目的吸着、研磨・スクラブ、黒色の着色 など
化学式薬用炭
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