グルコン酸Naの基本情報・配合目的・安全性

グルコン酸Na

化粧品成分表示名称 グルコン酸Na
医薬部外品表示名称 グルコン酸ナトリウム
医薬部外品表示名称(簡略名) グルコン酸Na
配合目的 金属イオン封鎖(キレート) など

1. 基本情報

1.1. 定義

以下の化学式で表されるグルコン酸(∗1)のナトリウム塩です[1a][2]

∗1 グルコン酸(gluconic acid)は、ハチミツ、ローヤルゼリー、大豆、米、しいたけ、酢、味噌、醤油など多くの天然の食品中に存在する有機酸の一種です[3]

グルコン酸Na

1.2. 化粧品以外の主な用途

グルコン酸Naの化粧品以外の主な用途としては、

分野 用途
日用品 洗剤の洗浄力を増強するビルダーとして用いられています[4a]
食品 においのマスキング、呈味改善、キレート作用、pH調整剤などの機能を有していることから加工食品、清涼飲料水、酒、酢などに用いられています[3b][4b]

これらの用途が報告されています。

2. 化粧品としての配合目的

化粧品に配合される場合は、

  • 金属イオン封鎖作用(キレート作用)

主にこれらの目的で、スキンケア化粧品、ボディ&ハンドケア製品、メイクアップ化粧品、化粧下地製品、シート&マスク製品、日焼け止め製品、洗顔料、クレンジング製品、ボディソープ製品など様々な製品に汎用されています。

以下は、化粧品として配合される目的に対する根拠です。

2.1. 金属イオン封鎖作用(キレート作用)

金属イオン封鎖作用(キレート作用)に関しては、まず前提知識として化粧品における金属イオンの働きおよび金属イオン封鎖作用について解説します。

化粧品や洗髪に使用する水の中に金属イオンが含まれていると、

対象 金属イオンによる影響
化粧品 酸化促進による油脂類の変臭や変色、機能性成分の阻害
透明系化粧品 濁り、沈殿
シャンプーをすすぐ水 泡立ちの悪化、金属セッケンの生成による毛髪のきしみ

このような品質劣化や機能の低下などを引き起こすことが知られていることから、化粧品や洗髪における水による金属イオンの働きを抑制(封鎖)する目的で金属イオン封鎖剤(キレート剤)が用いられています[4c][5]

グルコン酸Naは金属イオン封鎖能を有していることから、主に金属イオンを含む硬水の軟化や化粧品の安定化目的で様々な化粧品に汎用されています[1b][4d]

3. 配合製品数および配合量範囲

配合製品数および配合量に関しては、海外の2013-2014年の調査結果になりますが、以下のように報告されています(∗2)

∗2 以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品は、洗い流し製品(シャンプー、ヘアコンディショナー、ボディソープ、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

グルコン酸Naの配合製品数と配合量の調査結果(2013-2014年)

4. 安全性評価

グルコン酸Naの現時点での安全性は、

  • 食品添加物の指定添加物リストに収載
  • 薬添規2018規格の基準を満たした成分が収載される医薬品添加物規格2018に収載
  • 外原規2021規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2021に収載
  • 40年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし(データなし)
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

4.1. 皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)

食品添加物の指定添加物リスト、医薬品添加物規格2018および医薬部外品原料規格2021に収載されており、40年以上の使用実績がある中で重大な皮膚刺激および皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

4.2. 眼刺激性

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細不明です。

5. 参考文献

  1. ab日本化粧品工業連合会(2013)「グルコン酸Na」日本化粧品成分表示名称事典 第3版,374.
  2. “Pubchem”(2021)「Sodium gluconate」,2021年6月8日アクセス.
  3. ab永井 照和(2001)「グルコン酸およびその塩類の特徴・機能について」ミツバチ科学(22)(4),171-174. hdl:11078/856.
  4. abcd日光ケミカルズ株式会社(2006)「金属イオン封鎖剤」新化粧品原料ハンドブックⅠ,476-480.
  5. 神田 吉弘(2010)「金属イオン封鎖剤」化粧品科学ガイド 第2版,258.

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