ヒトオリゴペプチド-1(EGF)とは…成分効果と毒性を解説

細胞賦活剤 保湿成分
ヒトオリゴペプチド-1
[化粧品成分表示名称]
・ヒト遺伝子組換オリゴペプチド-1(改正名称)
・ヒトオリゴペプチド-1(旧称)

[慣用名]
・EGF

ヒトオリゴペプチド-1は、EGFという名前で呼ばれることが多いですが、EGFとは、epidermal growth factorの略で、上皮細胞成長因子のことです。

現在、医薬や化粧品で使用されているヒトオリゴペプチド-1のほとんどは遺伝子工学でつくられたh-EGFであり、表示名称をヒト遺伝子組換オリゴペプチド-1に改正することが推奨されています。

1962年、アメリカのスタンレー・コーエン博士によってマウスの顎下腺(唾液腺のひとつ)の抽出物から上皮細胞の増殖を促進する因子として発見されました。

博士は、アミノ酸の並び方を識別したこととその機能のパイオニアとして1986年にノーベル医学生理学賞を受賞しました。

ヒトの上皮細胞成長因子は53個のアミノ酸から形成される一種のポリペプチドであり、皮膚の新生細胞の成長を平均284%促進していることが確認されています。

アメリカで行われた臨床試験によると、EGFを60日間使用した後、細胞量を大幅に増加させることが実証されました(以下グラフ参照)

EGF塗布後の細胞増加率

今までも血流の改善、血管の修復、コラーゲンの蓄積促進、火傷による皮膚移植、角膜切開による傷の回復促進などの目的で、医療分野で使用されてきた実績があります。

ヒトの皮膚は、25歳ごろから再生能力が低下するといわれ、EGFを補給することで老化をくい止める試みがなされており、化粧品への応用として皮膚細胞や毛根細胞の活性化によってシミや色素沈着を予防し、皮膚の弾力性を高めるなどの効果が期待できます。

EGFはの作用は、約2時間後にDNAの合成を促すことで細胞を刺激し、分裂や増加を促進するのですが、いったんDNAが合成を始めるとたとえ一時的にh-EGFが存在しなくても合成に支障をきたすことはありません。

つまり、ときどきh-EGF配合の化粧品を使用するだけでも定期的に皮膚にh-EGFを与えていることになるので、DNA細胞の合成と細胞の代謝、皮膚のみずみずしさを保つ効果が得られるということを意味します。

また、h-EGFとヒアルロン酸を併用すると相乗効果を得られます。

これは、ヒアルロン酸のすぐれた吸湿性や出湿性によって細胞間と細胞内が同一水準を維持することができ、合成時に必要な成分が細胞間に浸透し、合成の過程が順調に進むと考えられるからです。

日本EGF協会によると、EGFの基準濃度は0.00001%となっています。

数字だけみると、すごく少ないように感じますが、この基準濃度がEGFの効果が最大になる濃度で、これ以上の濃度は効果を下げるだけになります。

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ヒトオリゴペプチド-1の安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

日本EGF協会の公開資料によると、国際的に医薬や日用化学の分野で使用されており、国家医業管理局薬物安全性評価・研究センターや上海医薬工業研究院毒理研究室などで安全性は証明されています。

したがって、毒性や刺激性はなく、アレルギー(皮膚感作性)の報告もない、安全性の高い成分であると考えられます。

また、ヒトオリゴペプチド-1は一種のポリペプチドで、酸やアルカリ、熱に対して安定しており、化粧品に配合されているほかの原料がEGFの活性に影響を及ぼすことはありません。

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ヒトオリゴペプチド-1は掲載なし(∗1)となっています。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

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ヒトオリゴペプチド-1は細胞賦活成分、保湿成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:細胞賦活成分 保湿成分

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文献一覧:

  1. 日本EGF協会(2006)「ヒト上皮細胞再生因子(h-EGF)皮膚の美容効果」, <http://egf-association.jp/shiryo.htm> 2017年2月8日アクセス.

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