パンテノールとは…成分効果と毒性を解説

細胞賦活剤
パンテノール
[化粧品成分表示名称]
・パンテノール(改正名称)
・D-パントテニルアルコール(旧称)

[医薬部外品表示名称]
・D-パントテニルアルコール、DL-パントテニルアルコール

パントテン酸のアルコール型誘導体でアルコールに溶ける無色で粘性のある水溶性の液体です。

パンテノールはプロビタミンB5(∗1)のことで、体内でパントテン酸(ビタミンB5)に変化します。

∗1 プロビタミンとは体内でビタミンに変化する物質のことです。

パントテン酸には細胞活性効果がみられますが、とくに毛母細胞の活性促進効果があるため、育毛用化粧品や養毛用化粧品に広く配合されています。

化粧品に配合される場合は、抗炎症効果や細胞活性によるエイジングケア効果による肌荒れ、小ジワ、かぶれ、日焼け防止作用があるといわれており、乳液やクリームなどに配合されます。

医薬品成分なので、化粧品に使用する場合は配合上限があります。

パンテノールの化粧品上限制限表

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パンテノールの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

パンテノールの現時点での安全性は、皮膚刺激性や毒性はほとんどなく、眼刺激性もほとんどなく、モルモットではありますがアレルギーテストも陰性で、重大なアレルギーの報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

複数の安全性データシート(∗2)を参照したところ、皮膚刺激性・毒性に関しては、

  • BASFの安全性データシートによると、ウサギを用いてOECDテストガイドライン404で判定したところ、皮膚刺激性なしと記載されています(文献1:2016)

∗2 安全性データシートは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている資料ですが、安全性を考えるデータとして一部引用させていただいています。

有意な安全性データはひとつですが、パンテノール原料を販売しているBASFのもので信頼性が高いため、皮膚刺激性や毒性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性に関しては、

  • BASFの安全性データシートによると、ウサギを用いてOECDテストガイドライン405で判定したところ、眼刺激性なしと記載されています(文献1:2016)

有意な安全性データはひとつですが、パンテノール原料を販売しているBASFのもので信頼性が高いため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

アレルギー(皮膚感作性)に関しては、

  • BASFの安全性データシートによると、モルモットを用いたOECDテストガイドライン406に基づく判定で皮膚感作性は認められなかったと記載されています(文献1:2016)

アレルギーに関しては動物実験なので根拠としては弱いですが、重大なアレルギーの報告もないため、アレルギー反応(皮膚感作)が起こる可能性は低いと考えられます。

参考までに化粧品毒性判定事典によると、パンテノールは毒性なし(∗3)となっており、毒性に関する心配はありません。

∗3 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

パンテノールとセットで使用される成分と効果

・新陳代謝を活発にする働きがあるビタミンB群パントテン酸の誘導体として、以下の成分表示順で使用されます。
[化粧品表示]
パンテノール、PG
[医薬部外品表示]
D-パントテニルアルコール、プロピレングリコール
・4種類のビタミンおよびビタミン誘導体(脂溶性ビタミンC誘導体、ビタミンE、ビタミンA誘導体、ビタミンB前駆体)を配合したビタミン補給用ナノエマルションとして、以下の成分表示順で使用されます。
グリセリン、水添レシチン、ソルビトール、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、トコフェロール、パンテノール、パルミチン酸レチノール、ピーナッツ油、スクワラン
・毛球ケラチノサイトの増殖促進剤として、以下の成分表示順でまつ毛ケア製品などに使用されます。
グリセリン、水、パンテノール、ビオチノイルトリペプチド-1
・カモミールエキスと精油成分であるビサボロール、甘草から抽出したグリチルレチン酸、パンテノールのコンプレックスとして、以下の成分表示順で使用されます。敏感肌や荒れた肌向けです。
カミツレ花エキス、グリチルレチン酸、パンテノール、ビサボロール、PG、トロメタミン、水
・パンテノール含有リポソームとして、以下の成分表示順で使用されます。
パンテノール、レシチン、グリセリン
・水溶性マルチビタミン配合剤として、以下の成分表示順で使用されます。
セイヨウトチノキ種子エキス、PG、水、PEG-40水添ヒマシ油、酢酸トコフェロール、ソルビトール、パンテノール、パルミチン酸レチノール、アマニ脂肪酸、ヒマワリ種子油、BHT

基本的な配合量の多い成分表示順は上記の通りですが、1%以下の成分は順不同に表示されるので、製品によっては表示順が異なっている場合があります。

∗∗∗

パンテノールは細胞賦活成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:細胞賦活成分

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文献一覧:

  1. BASF(2016)「安全データシート D-Panthenol USP」, <https://worldaccount.basf.com/wa/AP~zh_CN/Catalog/Cosmetics/doc4/BASF/PRD/30035141/.pdf?asset_type=msds/pdf&language=JA&validArea=JP&urn=urn:documentum:ProductBase_EU:09007af88037eb0c.pdf> 2017年9月12日アクセス.

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