血行促進成分の解説と成分一覧

↓ 説明を飛ばして成分一覧をチェックする ↓

血行促進成分

血行促進成分の定義

血行促進成分とは、血流を促進させるために用いられる成分のことをいいます[1a]

皮膚に対する血行の影響

血行とは、血液が体内を循環することにより生体の細胞や機能維持のために必要な栄養素、酸素、ホルモンなどを運搬することをいいます[1b]

皮膚において血管は、以下の血管の分布図をみてもらうとわかるように、

皮膚における血管の分布

真皮の網状層から乳頭層へ垂直に立ち上がり、表皮基底層との境界面に沿うような形で走っており、乳頭層に存在する毛細血管が拡張・収縮により体温調節の役割を担い、栄養分や酸素を滲み出すことで真皮層や血管系のない表皮へそれらを補給するとともに老廃物や二酸化炭素を溶かし込み静脈内に取り込むといった新陳代謝の役割も兼ねています[2a][3]

また、皮膚においては毛細血管が網の目のように走っていることから、血行が皮膚表面に如実に反映されることはよく知られており、皮膚の血色が良いことは肌を美しくみせる条件のひとつと考えられています[2b]

一方で、ストレスや睡眠不足などの体調不良、加齢変化、肌荒れなどによる血行不良は、皮膚においてはくすみや目の下のくまなど、頭皮においては毛髪成長の抑制・阻害を引き起こす原因のひとつであると考えられています[4]

このような背景から、毛細血管機能を高水準で保つことは、健常な皮膚を保持するために重要なアプローチのひとつであると考えられています。

血行促進成分の作用ポイント

血行促進における実際の血行促進成分の作用ポイントは、

  1. 血管拡張
  2. 局所刺激

主にこのようなポイントに作用する成分が報告されており、これらのうち1つ以上の効果を有することで血行促進にアプローチします。

1. 血管拡張

末梢血管を拡張することにより血流を促進します[5a]

2. 局所刺激

皮膚を刺激する成分であり、この刺激により二次的に血流が促進されます[5b]

血行促進成分は血行促進の結果として、皮膚温や細胞の活性を高めたり、皮膚明度を向上させるなど様々な機能の土台として働きます。

参考文献

  1. ab小林 秀(2003)「血行促進剤」化粧品事典,449.
  2. ab朝田 康夫(2002)「循環異常で起こる肌の変化」美容皮膚科学事典,66-67.
  3. 小原沢 明彦(2021)「皮膚の血管機能の評価技術とその応用」Fragrance Journal(49)(9),38-43.
  4. 西山 敏夫(2003)「血行不良」化粧品事典,449-450.
  5. ab小林 秀(2003)「血管拡張」化粧品事典,448-449.

血行促進成分一覧

d-カンフル
d-カンフル
血行促進 冷感 可塑
局所刺激による血行促進作用、清涼感付与効果、可塑目的で化粧品に配合される成分、d-カンフルの効果や安全性について解説します。
→ d-カンフル詳細ページ

dl-カンフル
dl-カンフル
血行促進 冷感 可塑
局所刺激による血行促進作用、清涼感付与効果、可塑目的で化粧品に配合される成分、dl-カンフルの効果や安全性について解説します。
→ dl-カンフル詳細ページ

アカヤジオウ根エキス
アカヤジオウ根エキス
血行促進 抗脱毛
血管拡張による血行促進作用、5α-リダクターゼ阻害による抗脱毛作用目的で化粧品に配合される成分、アカヤジオウ根エキスの効果や安全性について解説します。
→ アカヤジオウ根エキス詳細ページ

アシタバエキス
アシタバエキス
保湿 血行促進
皮表柔軟化による保湿作用、血管拡張による血行促進作用目的で化粧品に配合される成分、アシタバエキスの効果や安全性について解説します。
→ アシタバエキス詳細ページ

アシタバ葉/茎エキス
アシタバ葉/茎エキス
保湿 血行促進
皮表柔軟化による保湿作用、血管拡張による血行促進作用目的で化粧品に配合される成分、アシタバ葉/茎エキスの効果や安全性について解説します。
→ アシタバ葉/茎エキス詳細ページ

イチョウエキス
イチョウエキス
抗酸化 血行促進成分
過酸化脂質抑制による抗酸化作用、チオレドキシンリダクターゼ発現増強による抗酸化作用、血管拡張による血行促進作用目的などで化粧品に配合される成分、イチョウエキスの効果や安全性について解説します。
→ イチョウエキス詳細ページ

イチョウ葉エキス
イチョウ葉エキス
抗酸化 血行促進成分
過酸化脂質抑制による抗酸化作用、チオレドキシンリダクターゼ発現増強による抗酸化作用、血管拡張による血行促進作用目的などで化粧品に配合される成分、イチョウ葉エキスの効果や安全性について解説します。
→ イチョウ葉エキス詳細ページ

オタネニンジン根エキス
オタネニンジン根エキス
育毛 血行促進 保湿 抗老化
毛乳頭細胞および外毛根鞘細胞増殖促進による育毛作用、血管拡張による血行促進作用、角質層水分量増加による保湿作用、Ⅰ型コラーゲン産生促進による抗老化作用目的などで化粧品に配合される成分、オタネニンジン根エキスの効果や安全性について解説します。
→ オタネニンジン根エキス詳細ページ

カンフル
カンフル
血行促進 冷感 可塑
局所刺激による血行促進作用、清涼感付与効果、可塑目的で化粧品に配合される成分、カンフルの効果や安全性について解説します。
→ カンフル詳細ページ

酢酸DL-α-トコフェロール
酢酸DL-α-トコフェロール
血行促進 抗酸化成分
血管拡張による血行促進作用、過酸化脂質抑制による抗酸化作用目的で化粧品に配合される成分、酢酸DL-α-トコフェロールの効果や安全性について解説します。
→ 酢酸DL-α-トコフェロール詳細ページ

酢酸トコフェロール
酢酸トコフェロール
血行促進 抗酸化成分
血管拡張による血行促進作用、過酸化脂質抑制による抗酸化作用目的で化粧品に配合される成分、酢酸トコフェロールの効果や安全性について解説します。
→ 酢酸トコフェロール詳細ページ

ジオウエキス
ジオウエキス
血行促進 抗脱毛
血管拡張による血行促進作用、5α-リダクターゼ阻害による抗脱毛作用目的で化粧品に配合される成分、ジオウエキスの効果や安全性について解説します。
→ ジオウエキス詳細ページ

重曹
重曹
pH調整 緩衝 血行促進成分 スクラブ
弱アルカリ性によるpH調整・pH緩衝、炭酸ガス発生による血行促進作用、研磨(スクラブ)作用目的で化粧品に配合される成分、重曹の効果や安全性について解説します。
→ 重曹詳細ページ

重炭酸ナトリウム
重炭酸ナトリウム
pH調整 緩衝 血行促進成分 スクラブ
弱アルカリ性によるpH調整・pH緩衝、炭酸ガス発生による血行促進作用、研磨(スクラブ)作用目的で化粧品に配合される成分、重炭酸ナトリウムの効果や安全性について解説します。
→ 重炭酸ナトリウム詳細ページ

ショウガ根茎エキス
ショウガ根茎エキス
血行促進成分 温感
局所刺激による血行促進作用、TRPV1活性化による温感付与効果目的で配合される成分、ショウガ根茎エキスの効果や安全性について解説します。
→ ショウガ根茎エキス詳細ページ

ショウキョウエキス
ショウキョウエキス
血行促進成分 温感
局所刺激による血行促進作用、TRPV1活性化による温感付与効果目的で配合される成分、ショウキョウエキスの効果や安全性について解説します。
→ ショウキョウエキス詳細ページ

ショウキョウチンキ
ショウキョウチンキ
血行促進成分 温感
局所刺激による血行促進作用、TRPV1活性化による温感付与効果目的で配合される成分、ショウキョウチンキの効果や安全性について解説します。
→ ショウキョウチンキ詳細ページ

センキュウエキス
センキュウエキス
血行促進 抗酸化
血管拡張による血行促進作用、グルタチオンレダクターゼ発現増強による抗酸化作用目的で化粧品に配合される成分、センキュウエキスの効果や安全性について解説します。
→ センキュウエキス詳細ページ

センキュウ根茎エキス
センキュウ根茎エキス
血行促進 抗酸化
血管拡張による血行促進作用、グルタチオンレダクターゼ発現増強による抗酸化作用目的で化粧品に配合される成分、センキュウ根茎エキスの効果や安全性について解説します。
→ センキュウ根茎エキス詳細ページ

センブリエキス
センブリエキス
血行促進成分
局所刺激による血管拡張作用目的で配合される成分、センブリエキスの効果や安全性について解説します。
→ センブリエキス詳細ページ

炭酸水素Na
炭酸水素Na
pH調整 緩衝 血行促進成分 スクラブ
弱アルカリ性によるpH調整・pH緩衝、炭酸ガス発生による血行促進作用、研磨(スクラブ)作用目的で化粧品に配合される成分、炭酸水素Naの効果や安全性について解説します。
→ 炭酸水素Na詳細ページ

炭酸水素ナトリウム
炭酸水素ナトリウム
pH調整 緩衝 血行促進成分 スクラブ
弱アルカリ性によるpH調整・pH緩衝、炭酸ガス発生による血行促進作用、研磨(スクラブ)作用目的で化粧品に配合される成分、炭酸水素ナトリウムの効果や安全性について解説します。
→ 炭酸水素ナトリウム詳細ページ

トウガラシ果実エキス
トウガラシ果実エキス
血行促進成分 温感 着色
局所刺激による血行促進作用、TRPV1活性化による温感付与効果、赤色の着色目的で配合される成分、トウガラシ果実エキスの効果や安全性について解説します。
→ トウガラシ果実エキス詳細ページ

トウガラシチンキ
トウガラシチンキ
血行促進成分 温感 着色
局所刺激による血行促進作用、TRPV1活性化による温感付与効果、赤色の着色目的で配合される成分、トウガラシチンキの効果や安全性について解説します。
→ トウガラシチンキ詳細ページ

トウキエキス(1)
トウキエキス(1)
色素沈着抑制 沈着色素淡色化 保湿 抗老化 血行促進
チロシナーゼ活性阻害による色素沈着抑制作用、カテプシンL2発現促進による沈着色素淡色化、フィラグリン産生促進による保湿作用、MMP-1活性阻害による抗老化作用、血管拡張による血行促進作用目的で化粧品に配合される成分、トウキエキス(1)の効果や安全性について解説します。
→ トウキエキス(1)詳細ページ

トウキ根エキス
トウキ根エキス
色素沈着抑制 沈着色素淡色化 保湿 抗老化 血行促進
チロシナーゼ活性阻害による色素沈着抑制作用、カテプシンL2発現促進による沈着色素淡色化、フィラグリン産生促進による保湿作用、MMP-1活性阻害による抗老化作用、血管拡張による血行促進作用目的で化粧品に配合される成分、トウキ根エキスの効果や安全性について解説します。
→ トウキ根エキス詳細ページ

no-image
ニコチン酸dl-α-トコフェロール
血行促進
血管拡張による血行促進作用目的で化粧品に配合される成分、ニコチン酸dl-α-トコフェロールの効果や安全性について解説します。
→ ニコチン酸dl-α-トコフェロール詳細ページ

no-image
ニコチン酸トコフェロール
血行促進
血管拡張による血行促進作用目的で化粧品に配合される成分、ニコチン酸トコフェロールの効果や安全性について解説します。
→ ニコチン酸トコフェロール詳細ページ

二酸化炭素
二酸化炭素
噴射 血行促進
エアゾール製品の噴射、血管拡張による血行促進作用目的で化粧品に配合される成分、二酸化炭素の効果や安全性について解説します。
→ 二酸化炭素詳細ページ

ニンジンエキス
ニンジンエキス
育毛 血行促進 保湿 抗老化
毛乳頭細胞および外毛根鞘細胞増殖促進による育毛作用、血管拡張による血行促進作用、角質層水分量増加による保湿作用、Ⅰ型コラーゲン産生促進による抗老化作用目的などで化粧品に配合される成分、ニンジンエキスの効果や安全性について解説します。
→ ニンジンエキス詳細ページ

ニンニクエキス
ニンニクエキス
血行促進 保湿
血管拡張による血行促進作用、角質層水分量増加による保湿作用目的で化粧品に配合される成分、ニンニクエキスの効果や安全性について解説します。
→ ニンニクエキス詳細ページ

ニンニク根エキス
ニンニク根エキス
血行促進 保湿
血管拡張による血行促進作用、角質層水分量増加による保湿作用目的で化粧品に配合される成分、ニンニク根エキスの効果や安全性について解説します。
→ ニンニク根エキス詳細ページ

no-image
ビタミンEニコチネート
血行促進
血管拡張による血行促進作用目的で化粧品に配合される成分、ビタミンEニコチネートの効果や安全性について解説します。
→ ビタミンEニコチネート詳細ページ

ユズエキス
ユズエキス
収れん 保湿 血行促進成分
収れん作用、皮表柔軟化による保湿作用、局所刺激による血管拡張作用目的で配合される成分、ユズエキスの効果や安全性について解説します。
→ ユズエキス詳細ページ

ユズ果実エキス
ユズ果実エキス
収れん 保湿 血行促進成分
収れん作用、皮表柔軟化による保湿作用、局所刺激による血管拡張作用目的で配合される成分、ユズ果実エキスの効果や安全性について解説します。
→ ユズ果実エキス詳細ページ

TOPへ