金属セッケンの解説と化粧品に使用される金属セッケン一覧

金属セッケン

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金属セッケンの解説

セッケンは、広義には高級脂肪酸の金属塩の総称であり、また陰イオン界面活性剤の一種でもありますが、狭義には、

  • セッケン:高級脂肪酸 + アルカリ金属(NaまたはKなど)
  • 金属セッケン:高級脂肪酸 + 非アルカリ金属(Ca,Mg,Al,亜鉛など)

このように定義されています。

セッケンと金属セッケンの違いは、セッケンが水に溶けやすいのに対して金属セッケンは一般に水に不溶であり、この性質の違いから区別されているのみで、化学構造的に本質的な違いはなく、どちらも界面活性剤に分類されます。

さらに詳細に違いを解説すると、セッケンは水に溶けることで洗浄性や起泡性を発現しますが、金属セッケンはセッケンと同様に洗浄性や起泡性を有しているものの水に不溶であるため洗浄性や起泡性を発揮することはなく、石鹸の使用においては、セッケンと水に含まれるカルシウムイオンなどの金属が反応してできる金属セッケンの生成量が増えるほど、石鹸自体の界面活性が失われ、その結果として石鹸の洗浄力が低下していきます。

こういった背景から、金属セッケンは一般的に「石鹸カス」または「スカム」と呼ばれ、石鹸には必要とはされていませんが、一方で工業分野では、

  • 消化器の粉末(炭酸塩)の流動性保持
  • サンドペーパーのサンディング性(ペーパーがけのしやすさ)向上
  • ラッカー(木工品に塗る速乾性の塗料)の塗膜表面のツヤ消し
  • アート紙・コート紙など高級印刷紙のコーティング(粉立ち防止)

など、1850年(19世紀中頃)以降から様々な分野および用途で利用されてきており、現在までに利用されなくなった分野や新しく利用され始めた分野などありますが、工業的に必要不可欠な材料となっています。

化粧品に使用される金属セッケンの作用・効果

化粧品においては、

  • 非水系における顔料・粉体の分散性向上
  • 皮膚上における潤滑性、柔軟性、付着性および展延性の改善(∗1)
  • 製品使用時における耐水性の付与
  • W/O(油中水滴)型エマルションにおける乳化安定性の向上
  • ゲル化能による油脂などの粘度増大
  • メイクアップ製品の使用時におけるツヤ消し効果

∗1 展延性とは、柔軟に広がり、均等に伸びる性質のことで、薄く広がり伸びが良いことを指します。

これらのいずれかまたは複数の目的で現在でも汎用されています。

化粧品に使用される金属セッケン一覧

  • 数字,A-Z,ア-ンの順番に並べてあります
  • 知りたい金属セッケン陰イオン界面活性剤がある場合は「目的の行(ア行カ行など)」をクリックすると便利です

ジステアリン酸Al
ジステアリン酸Al
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ジミリスチン酸Al
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ジミリスチン酸アルミニウム
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分散 増粘 乳化
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ステアリン酸Ca
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ステアリン酸Mg
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ステアリン酸亜鉛
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ステアリン酸アルミニウム
ステアリン酸アルミニウム
増粘 分散 乳化
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ステアリン酸カルシウム
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分散 感触改良
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ステアリン酸マグネシウム
ステアリン酸マグネシウム
分散 感触改良 乳化 パール光沢
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ミリスチン酸Mg
ミリスチン酸Mg
分散 感触改良
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ミリスチン酸亜鉛
ミリスチン酸亜鉛
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ミリスチン酸マグネシウム
ミリスチン酸マグネシウム
分散 感触改良
非水系における顔料の分散、潤滑性向上による感触改良目的で化粧品に配合される成分、ミリスチン酸マグネシウムの効果や安全性について解説します。
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