高級脂肪酸の解説と植物油脂の高級脂肪酸一覧

高級脂肪酸

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高級脂肪酸とは

高級脂肪酸とは、油脂やロウの主要成分のひとつで、たとえば植物油脂は化学構造的に、

油脂の化学構造

1つのグリセリンと3つの高級脂肪酸で構成されており、この油脂を加水分解することで得られるほか化学合成によっても得られます。

また高級脂肪酸とは、分子の中に炭素を12個以上もっている脂肪酸のことであり、化学的に炭素鎖が長いことから長鎖脂肪酸(∗1)とも呼びます。

∗1 炭素数が多いとそれだけ炭素鎖が長くなるので、炭素数12以上を長鎖脂肪酸とも呼び、また炭素数6以下を低級脂肪酸(短鎖脂肪酸)、炭素数8-10を中級脂肪酸(中鎖脂肪酸)と呼びます。

次に高級脂肪酸は、大きく分けて、化学的にすべて単結合(飽和結合)で二重結合を含まない飽和脂肪酸と二重結合を1つ以上含む不飽和脂肪酸に分類されます。

  飽和脂肪酸 不飽和脂肪酸
化学結合 すべて単結合(飽和結合) 二重結合や三重結合を含む(不飽和結合)
含有油脂 動物性油脂に多い 植物性油脂に多い
常温での状態 固体(脂) 液体(油)
融点 高い 低い
酸化安定性 高い 比較的低い

表をみるとわかるように、化学的に二重結合をもっていると酸化安定性が低くなり、また不飽和脂肪酸の中でも二重結合の数が多いほど酸化安定性は低くなります。

そういった背景もあり、二重結合が1つのみの不飽和脂肪酸を一価不飽和脂肪酸、2つ以上もつ不飽和脂肪酸を多価不飽和脂肪酸といいます。

一価不飽和脂肪酸は、飽和脂肪酸と比べれば酸化されやすいですが、二重結合を1つしか含まないので不飽和脂肪酸の中では酸化されにくく、一般的には二重結合が2つ以上の不飽和脂肪酸が酸化されやすいと考えられています。

そのため、100%植物油脂の酸化安定性を考える場合は、脂肪酸組成の二重結合数と脂肪酸組成の比率から推測します。

高級脂肪酸一覧および各脂肪酸の炭素数と二重結合数

脂肪酸の種類 高級脂肪酸名 炭素数:二重結合数
飽和脂肪酸 ラウリン酸 C12:0
ミリスチン酸 C14:0
パルミチン酸 C16:0
ステアリン酸 C18:0
アラキジン酸 C20:0
ベヘン酸 C22:0
リグノセリン酸 C24:0
セロチン酸 C26:0
モンタン酸 C28:0
一価不飽和脂肪酸 パルミトレイン酸 C16:1
オレイン酸 C18:1
エライジン酸 C18:1
リシノール酸(∗2) C18:1
エイコセン酸 C20:1
エルカ酸 C22:1
多価不飽和脂肪酸 リノール酸 C18:2
エイコサジエン酸(∗3) C20:2
ドコサジエン酸(∗3) C22:2
γ-リノレン酸 C18:3
α-リノレン酸 C18:3
プニカ酸 C18:3
ステアドリン酸 C18:4

∗2 リシノール酸はリシノレイン酸とも呼ばれます。
∗3 エイコサジエン酸とドコサジエン酸を合わせて日本酸と呼びます。

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