ヨウ素価の解説と植物油脂のヨウ素価一覧

植物油脂のヨウ素価一覧

ヨウ素価は、油脂の性状を示す重要な特性のひとつで、油脂を構成する脂肪酸の不飽和度を示すものです。

以下の表をみてもらうとわかりやすいと思いますが、

  ヨウ素価小さい ヨウ素価大きい
二重結合の数
(不飽和結合の数)
少ない 多い
常温での状態 固体(脂) 液体(油)
脂肪酸の種類 飽和脂肪酸が多い 不飽和脂肪酸が多い
酸化安定性 酸化が起こりにくい 酸化が起こりやすい

ヨウ素価が高いことは、不飽和脂肪酸の含量が多く、酸化を受けやすいことであり、一方でヨウ素価が低いことは飽和脂肪酸の含量が多く、酸化に対して安定性が高いことを示します。

またヨウ素価はその数値によって以下のように分類されます。

  ヨウ素価の分類
  不乾性油 半乾性油 乾性油
ヨウ素価 100以下 100-130 130以上
乾燥性 ほとんどなし
(固まらない)
やや乾燥性を有する
(完全には固まらない)
乾燥性が高い
(完全に固まり、弾性のある乾燥皮膜を生じる)

以下に化粧品で使われる油脂のヨウ素価を一覧で掲載しておきますが、掲載するヨウ素価の数字はひとつの目安であり、実際には変動幅があるため、そのことを考慮して参考にしてください。

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化粧品に配合される植物油脂のヨウ素価一覧

植物油脂 ヨウ素価 文献
↓  不乾性油(ヨウ素価100以下)  ↓
アフリカマンゴノキ核脂 3.5 – 4.2 文献6:1995
アストロカリウムムルムル種子脂 6 – 16 文献1:1990
ヤシ油 7 – 16 文献1:1990
パーム核油 12 – 20 文献1:1990
カカオ脂 29 – 38 文献1:1990
テオブロマグランジフロルム種子脂 43.5 文献5:2005
モクロウ 3 – 51 文献1:1990
パーム油 43 – 60 文献1:1990
シア脂 49 – 67 文献1:1990
ワサビノキ種子油 66 文献3:2017
マンゴー種子油 50 – 70 文献4:2016
マカデミアナッツ油 70 – 80 文献2:1997
ヘーゼルナッツ種子油 80 – 90 文献2:1997
ヒマシ油 81 – 91 文献1:1990
ツバキ種子油 78 – 87 文献1:1990
メドウフォーム油 87 文献2:1997
チャ種子油 83 – 90 文献1:1990
オリーブ果実油 75 – 90 文献1:1990
サザンカ油 80 – 92 文献2:1997
ユチャ種子油 80 – 94 文献3:2017
バオバブ種子油 65 – 95 文献3:2017
アルガニアスピノサ核油 95 文献3:2017
パパイア種子油 65 – 100 文献3:2017
スクレロカリアビレア種子油 100 文献3:2017
ピーナッツ油 82 – 109 文献1:1990
アボカド油 94.6 文献2:1997
↓  半乾性油(ヨウ素価100 – 130)  ↓
コメヌカ油 99 – 103 文献1:1990
オレンジ種子油 97 – 105 文献1:1990
ニンジン種子油 100 – 106 文献1:1990
アンズ核油 90 – 110 文献1:1990
モモ核油 100 – 110 文献2:1997
ピスタシオ種子油 100 – 110 文献4:2016
レモン果皮油 103 – 110 文献1:1990
アーモンド油 92 – 114 文献1:1990
クランベアビシニカ種子油種子油 85 – 115 文献4:2016
ゴマ油 103 – 118 文献1:1990
コメ胚芽油 90 – 120 文献4:2016
スイカ種子油 113 – 123 文献3:2017
グレープフルーツ種子油 80 – 125 文献3:2017
トマト種子油 107 – 125 文献1:1990
カノラ油 110 – 126 文献3:2017
コムギ胚芽油 115 – 129 文献1:1990
クダモノトケイソウ種子油 120 – 129 文献3:2017
コーン油 88 – 147 文献1:1990
↓  乾性油(ヨウ素価130以上)  ↓
ダイズ油 114 – 138 文献1:1990
ブドウ種子油 107 – 143 文献1:1990
ルリジサ種子油 130 – 155 文献3:2017
ヒマワリ種子油 113 – 146 文献1:1990
サフラワー油 120 – 150 文献1:1990
アマナズナ種子油 140 – 170 文献4:2016
ザクロ種子油 161 – 170 文献1:1990
ククイナッツ油 160 – 175 文献2:1997
クロフサスグリ種子油 145 – 185 文献3:2017
カニナバラ果実油 170 – 190 文献2:1997
アマニ油 168 – 190 文献1:1990
プルケネチアボルビリス種子油 180 – 200 文献3:2017
月見草油 195 – 199 文献1:1990

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文献一覧:

  1. 日本油化学協会編集(1990)「植物油脂の性状」油化学便覧 改訂3版,99-101.
  2. 広田 博(1997)「植物油」化粧品用油脂の科学,10-26.
  3. Cosmetic Ingredient Review(2017)「Safety Assessment of Plant-Derived Fatty Acid Oils」International Journal of Toxicology(36)(3),51S-129S.
  4. 日光ケミカルズ(2016)「油脂」パーソナルケアハンドブック,1-19.
  5. 香栄興業株式会社(2005)「精製クプアスバター」Fragrance Journal(33)(2),116-117.
  6. J.K.Joseph(1995)「Physico-chemical attributes of wild mango (Irvingia gabonensis) seeds」Bioresource Technology(53)(2),179-181.

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