DPG(ジプロピレングリコール)とは…成分効果と毒性を解説

ベース成分 保湿成分
DPG(ジプロピレングリコール)
[化粧品成分表示名称]
・DPG

[医薬部外品表示名称]
・ジプロピレングリコール

PG(プロピレングリコール)の脱水縮合により合成された無色透明な粘性のある液体です。

肌に対するベタつきが少なくサラッとした使用感で、グリセリンなどと同様にベース成分の保湿剤として使われています。

また、BG(ブチレングリコール)と同様に製品の保存性を高める働きがあるため、単独で使用するより様々な保湿成分と組み合わせることで保湿効果を高めたり、滑りやのびをよくするなど質感を改善する目的で配合されます。

近年では、一時的なBGの供給不足によってBGの代替品としてDPGの使用が拡がっています。

さらに、アスコルビン酸など他の成分をよく溶かす働きもあるので、使い勝手の良さから広く使われています。

実際の使用製品や配合状況は、海外の調査結果になりますが、以下の報告があります。

dpgの配合製品数と配合量の比較調査結果

資料としては少し古いのですが、1985年にはほとんど使用されいなかったのに対して2002年には10倍以上の使用量に増えており、そのほとんどがスキンケア化粧品であることがわかります。

また、2017年国内では6,800以上の製品に使用されているので、ここ10年でさらに使用製品が急増しているのがわかります。

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DPGの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

DPGの現時点での安全性は、皮膚刺激性や毒性はほとんどなく、わずかな眼刺激が起こる可能性はあるものの、アレルギー(皮膚感作性)の報告もないので、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Butylene Glycol Hexylene Glycol Ethoxydiglycol and Dipropylene Glycol」(文献1:1985)によると、

  • [動物試験] ウサギの皮膚を用いて7.2%dpgを含む製剤を24時間閉塞パッチ適用したところ、製剤に中程度までの刺激はみられなかった

旭硝子株式会社の安全性データシート(文献2:2013)によると、

  • [動物試験] ウサギを用いて100%溶液500mgを24時間塗布したところ軽度の皮膚刺激がみられたが、有意な刺激とはみなされず、皮膚刺激なし(区分外)と結論づけた
  • [ヒト試験] 社団法人 日本毛髪科学協会にて被験者35人に対し24時間DPG100%溶液のパッチを貼り、その後除去し、さらに24時間経過した後の皮膚状態を調べたところ、DPGの皮膚刺激性に異常は認められなかった

JETOC 日本化学物質情報センターの初期評価プロファイル(文献3:2013)によると、

  • 皮膚にわずかに刺激がある

シェルケミカルジャパンの安全データシート(文献4:2017)によると、

  • 皮膚に対する刺激性はない

と記載されています。

安全性データは100%溶液のものが多く、結果は皮膚刺激なしまたは軽度の刺激ありですが、ヒト試験では異常が認められていないことと現状6,500を超える多くの化粧品にdpgが配合されているにもかかわらず刺激性の報告がみあたらないことから、軽度の皮膚刺激を感じる方がいるかもしれませんが、一般的に化粧品配合適量において皮膚刺激性や毒性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Butylene Glycol Hexylene Glycol Ethoxydiglycol and Dipropylene Glycol」(文献1:1985)によると、

  • [動物試験] 100%dpg5~10mgはウサギの眼には刺激物であった

旭硝子株式会社の安全性データシート(文献2:2013)によると、

  • [動物試験] ウサギを用いて100%溶液500mgを24時間塗布したところ軽度の眼刺激がみられたが、有意な刺激とはみなされず、眼刺激なし(区分外)と結論づけた

JETOC 日本化学物質情報センターの初期評価プロファイル(文献3:2013)によると、

  • 眼にわずかに刺激がある

シェルケミカルジャパンの安全データシート(文献4:2017)によると、

  • 眼に対しては無刺激

と記載されています。

安全データによると、無刺激またはわずかに刺激ありとなっているので、化粧品配合適量において、わずかな目刺激性が起こる可能性があると考えられます。

アレルギー(皮膚感作性)について

JETOC 日本化学物質情報センターの初期評価プロファイル(文献3:2013)によると、

  • 皮膚感作性はない

シェルケミカルジャパンの安全データシート(文献4:2017)によると、

  • 感作性はないと思われる

と記載されています。

この資料のみでアレルギーが起こらない成分と結論づけるのは早計ですが、国内のアレルギーの報告もみあたらないので、現時点ではアレルギーが起こる可能性は低いと考えられます。

安全性についての捕捉

よく混同されて解説しているのを見かけるので合わせて解説しておきますが、似た成分にPG(プロピレングリコール)があります。

PGはDPGよりも皮膚刺激が強いとされており、ごくまれにアレルギー反応などを起こすことがあったり、皮膚への浸透性が高く危険性が指摘されていたため、現在では化粧品への配合はほとんどみかけなくなりました。

PGの代わりに使用されるようになったのが、PGを生産する際に副産物として得られるDPGというわけです。

参考:PG(プロピレングリコール)の成分効果と毒性を解説

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
DPG

参考までに化粧品毒性判定事典によると、DPGは△(∗2)となっており、毒性に関しては心配する必要はありません。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

DPGはベース成分、保湿成分にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分 保湿成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(1985)「Final Report on the Safety Assessment of Butylene Glycol Hexylene Glycol Ethoxydiglycol and Dipropylene Glycol」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.3109/10915818509078692> 2017年10月216日アクセス.
  2. 旭硝子株式会社(2013)「安全データシート」, <http://www.agc.com/products/chemical/urethane/pdf/DPG-FC.pdf> 2016年2月23日アクセス.
  3. 日本化学物質安全情報センター(2001)「ジプロピレングリコール混合異性体と主要な異性体」, <http://jetoc.or.jp/safe/doc/J110-98-5.pdf(Internet Explorer Only)> 2016年2月23日アクセス.
  4. シェルケミカルジャパン(2017)「安全データシート」, <https://ch-msds.shell.com/MSDS/000000001084_JP_JA.pdf> 2017年8月2日アクセス.

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