BG(1,3-ブチレングリコール)とは…成分効果と毒性を解説

ベース成分 保湿成分
BG(1,3-ブチレングリコール)
[化粧品成分表示名称]
・BG

[医薬部外品表示名称]
・1,3-ブチレングリコール

[慣用名]
・ブチレングリコール

石油由来のアセトアルデヒドを合成して得られる多価アルコール類で、無色無臭でやや粘性のある液体です。

石油由来だとマイナスイメージがあるため、イメージアップや石油系成分を使用していないことを謳うために、発酵エタノールなどの植物由来成分を合成してつくられるものもありますが、安定性が悪く原料価格が高い上に石油由来のものと変わりがないので、安定性が高く価格の安い石油由来のものが幅広く使用されています。

保湿剤でよくみかける成分といえば、グリセリン、BG、DPGといえるほどメジャーな成分のひとつで、グリセリンほどではないものの水分を吸収する働きや抗菌性を有しているので製品の保存性を高める効果もあり、グリセリンよりもベタつきが少なくさっぱりした使用感で皮膚に対する刺激もほとんどないため、乾燥から肌を守る目的の化粧品に水性保湿剤として多くの製品に配合されています。

ただし、化粧品の成分表示にBGが載ってる場合、必ずしも保湿・保水・抗菌の働きをしているわけではなく、エタノールのように植物からエキス成分を抽出する役割で用いられることもあります。

BGと水を混ぜたBG水溶液に植物を浸けると植物からエキスが染み出すのですが、この植物エキスを化粧品に配合する場合、BG水溶液のまま植物エキス原料として化粧品に配合するため、化粧品にBGも配合されることになるというわけです。

BGが保湿や保水および抗菌性の効果を示すには10%程度の配合量が必要で、10%以上の場合は成分表示の最初のほうに記載され、植物エキスの抽出目的でBGが使用されている場合は保湿や保水および抗菌性は示されず、成分表示の最後のほうに記載されています。

以下に実際のパッケージにおけるBGの成分表記位置の違いを載せておきます。

化粧品の全成分表示におけるBGの位置の違い

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BGの安全性(刺激性・アレルギー)について

BGの現時点での安全性は、皮膚刺激性や毒性はほとんどなく、使用実績が長い中で皮膚感作性の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

ただし、眼刺激性に関しては眼に入ると刺すような強い痛みを伴う可能性があるので、眼に入らないように注意してください。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内海外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Butylene Glycol Hexylene Glycol Ethoxydiglycol and Dipropylene Glycol」(文献1:1985)を参照したところ、

  • [動物試験] 希釈されていない100%ブチレングリコールをウサギの皮膚に24時間ずっと4日間にわたって閉塞パッチしたところ、最小の皮膚刺激性しか生じなかった
  • [動物試験] 5.0%~21.4%ブチレングリコールを含む製剤をウサギの皮膚に24時間閉塞パッチしたところ、刺激は生じず、皮膚刺激とブチレングリコールの濃度は関係がないと結論づけた
  • [ヒト試験] 200人(男性80人、女性120人)のボランティアに50%ブチレングリコール水溶液0.9mLを二の腕に24時間閉塞パッチを週に3回合計15回行い、2週間の休息をはさみ24時間の閉塞パッチを行ったところ、皮膚刺激性の反応はなかった
  • [ヒト試験] 希釈されていないブチレングリコールを24時間にわたって37人の被検者には閉塞下で適用し、別の39人の被検者には半閉塞下で適用したところ、半閉塞下の被検者の一人に軽度の刺激が確認されたが、他の被検者に反応は観察されなかった

と記載されています。

試験結果をみてみると、ごくまれに最小の刺激性が起こることはありますが、動物やヒト、または濃度に関係なく皮膚刺激がないと結論付けられることが多いため、皮膚刺激性や毒性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Butylene Glycol Hexylene Glycol Ethoxydiglycol and Dipropylene Glycol」(文献1:1985)を参照したところ、

  • [動物試験] 希釈されていない100%ブチレングリコールをウサギの眼に点眼したところ、眼刺激性あり
  • [動物試験] 6匹のウサギの一方の眼に希釈されていない100%ブチレングリコール0.1mLまたは40%ブチレングリコール水溶液を点眼したところ、眼刺激性は確認されなかった
  • [動物試験] 5.0%~21.4%ブチレングリコールを含む製剤をウサギの眼に点眼したところ、刺激は生じなかった
  • [ヒト試験] ブチレングリコールを1滴ヒトの眼に点眼したところ、プロピレングリコールによって誘発されたものと同様の即時性の刺すような強い痛みを引き起こし、水で洗い流すと急速に痛みが治まった

と記載されています。

動物の眼での試験では濃度が高くても眼刺激性がない例もありますが、ヒト試験では1滴で即時性の刺すような強い痛みが生じたと報告があるため、眼に入ると即時性の刺すような強い目刺激性が起こる可能性があると考えられます。

アレルギー(皮膚感作性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Butylene Glycol Hexylene Glycol Ethoxydiglycol and Dipropylene Glycol」(文献1:1985)を参照したところ、

  • [ヒト試験] 200人(男性80人、女性120人)のボランティアに50%ブチレングリコール水溶液0.9mLを二の腕に24時間閉塞パッチを週に3回合計15回行い、2週間の休息をはさみ24時間の閉塞パッチを行ったところ、皮膚感作性の反応はなかった
  • フィッシャーによると、ブチレングリコールとプロピレングリコールの間に交差反応性(感作性)が生じるかもしれないことを報告した

と記載されています。

試験結果でも皮膚感作は起こっておらず、BGは使用実績も長い上に重大なアレルギーの報告もないため、アレルギー(皮膚感作)が起こる可能性は低いと考えられます。

光感作性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Butylene Glycol Hexylene Glycol Ethoxydiglycol and Dipropylene Glycol」(文献1:1985)を参照したところ、

  • [ヒト試験] 5.0%ブチレングリコールを含むネイルローションを塗布した被験者に対して紫外線照射(240~370nM)を行ったところ、反応を示さなかった

と記載されています。

試験がひとつなので、根拠としては弱いかもしれませんが、試験結果をみる限りでは光感作性が起こる可能性は低いと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
BG

参考までに化粧品毒性判定事典によると、BGは△(∗1)となっており、ほとんど毒性はない判定となっています。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

BG(1,3-ブチレングリコール)はベース成分、保湿成分にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分 保湿成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(1985)「Final Report on the Safety Assessment of Butylene Glycol Hexylene Glycol Ethoxydiglycol and Dipropylene Glycol」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.3109/10915818509078692> 2017年8月21日アクセス.

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