パーム油の基本情報・配合目的・安全性

パーム油

化粧品表示名 パーム油
医薬部外品表示名 パーム油
INCI名 Elaeis Guineensis (Palm) Oil
配合目的 基剤加脂肪洗浄 など

1. 基本情報

1.1. 定義

ヤシ科植物アブラヤシ(学名:Elaeis guineensis 英名:palm)の果肉から得られる脂肪油植物油脂です[1]

1.2. 物性・性状

パーム油の物性・性状は(∗1)

∗1 融点とは固体が液体になりはじめる温度のことです。またヨウ素価とは油脂を構成する脂肪酸の不飽和度を示すものであり、一般にヨウ素価が高いほど不飽和度が高い(二重結合の数が多い)ため、酸化を受けやすくなります。

状態 融点(℃) ヨウ素価
液体-固体 27-50 43-60(不乾性油)

このように報告されています[2a][3]

パーム油は、分布している熱帯地方においては温度が高いため液状ですが、日本においては季節にもよりますが常温で液体から固体まで変化することから、脂肪として油とは区別されています[4]

1.3. 脂肪酸組成

パーム油の脂肪酸組成は、一例として、

脂肪酸名 脂肪酸の種類 炭素数:二重結合数 比率(%)
カプリル酸 飽和脂肪酸 C8:0
カプリン酸 C10:0
ラウリン酸 C12:0 0.2
ミリスチン酸 C14:0 1.1
パルミチン酸 C16:0 43.1
ステアリン酸 C18:0 4.5
オレイン酸 不飽和脂肪酸 C18:1 40.7
リノール酸 C18:2 9.7

このような種類と比率で構成されていることが報告されており[2b]、パルミチン酸およびオレイン酸を主成分とした構成であることから、油脂の中では自動酸化に対する安定性が高いといった特徴を有しています[5a]

1.4. 分布

アブラヤシは、アフリカのギニア、タンザニアを原産とし、1965年ごろまではナイジェリアやザイールなどを中心に栽培されていましたが、アフリカ諸国の内戦や政策の失敗などによりアブラヤシの栽培面積は減少傾向が続いています[5b][6a]

一方で、1911年ごろからインドネシアやマレーシアで栽培がはじまり、両国ともに国による推進もあったことからパーム油の生産量は増加の一途をたどっており、現在の世界のパーム油生産量はマレーシアが約38%、インドネシアが約47%と2国で世界の80%以上を占めています[5c][6b]

1.5. 化粧品以外の主な用途

パーム油の化粧品以外の主な用途としては、

分野 用途
食品 パルミチン酸を主体として飽和脂肪酸を多く含み、酸化安定性に優れていることから保存性が求められる食品のフライ油として、また艶出しや風味改良目的で焼き菓子やスナック食品に用いられています[7]。そのほか、加工油脂原料としてマーガリン、ホイップクリーム、ラクトアイスなどに他の油脂とともに用いられています[5d]

これらの用途が報告されています。

2. 化粧品としての配合目的

化粧品に配合される場合は、

  • 油性基剤
  • 加脂肪
  • セッケン合成による洗浄作用

主にこれらの目的で、メイクアップ製品、スキンケア製品、ボディ&ハンドケア製品、洗顔石鹸、ボディ石鹸、ボディソープ製品、クレンジング製品、アウトバストリートメント製品、香水など様々な製品に使用されています。

以下は、化粧品として配合される目的に対する根拠です。

2.1. 油性基剤

油性基剤に関しては、パーム油は以前に油性基剤や軟膏基剤として用いられていた牛脂と脂肪酸組成が類似しており、液体になりはじめる温度が27-50℃あたりなので適度な硬さに調整しやすいため[8][9]、油性基剤としてメイクアップ製品、ボディクリーム、ハンドクリーム、フェイスクリームなどに使用されています。

2.2. 加脂肪

加脂肪に関しては、パーム油はシャンプーや石鹸に加えることで泡をきめ細かくし、かつ過渡の脱脂を抑制することから、皮膚・毛髪の保護を兼ねた泡質改善目的で石鹸や洗浄製品に使用されています[10][11]

2.3. セッケン合成による洗浄作用

2.3.1. ナトリウムセッケン合成による選択洗浄作用

ナトリウムセッケン合成による洗浄作用に関しては、まず前提知識としてナトリウムセッケン合成およびナトリウムセッケンの化粧品表示の種類について解説します。

セッケン(∗2)は、広義においては高級脂肪酸の塩の総称、狭義においては洗浄を主目的とする水溶性のアルカリ金属塩を指し、身体の洗浄に最も古くから使用されていることが知られています[12a][13]

∗2 セッケンには、「セッケン」「石けん」「せっけん」「石鹸」など4種の表記法があり、これらの用語には界面活性剤を意味する場合と界面活性剤を主剤とした製品を意味する場合がありますが、ここではわかりやすさを考慮して界面活性剤を「セッケン」、セッケンを主剤とした製品を「石鹸」と記載しています。

ナトリウムセッケンを合成する代表的な工程としては、

セッケン製造の反応式

この2種類があり[12b][14a]、パーム油は油脂であることからケン化法によるセッケン合成に用いられ、またケン化に用いるアルカリを水酸化Naにすることでナトリウムセッケン(固形石鹸)が得られます[15a]

セッケン製造の反応式の中では、ケン化法によって合成されるセッケンを「油脂脂肪酸Na」と表記していますが、ケン化法で得られるパーム油のナトリウムセッケンが化粧品成分一覧に表示される場合は、以下のように、

アルカリ剤の種類 化粧品成分表示方法
水酸化Na パーム油、水酸化Na
パーム脂肪酸Na
石ケン素地

これら3つのいずれかの表示方法で表示されるため(∗3)、セッケン合成(洗浄基剤)目的で「パーム油」が化粧品成分一覧に表示されている場合は、水酸化Naが一緒に表示されます。

∗3 ここではわかりやすさを重視してパーム油単独で表示していますが、実際にはセッケンは複数の油脂脂肪酸の混合系であるため、複数の油脂または油脂脂肪酸Naが表示されます。ただし、石ケン素地は複数の高級脂肪酸をまとめて石ケン素地単独で表示されます。

パーム脂肪酸ナトリウム塩の洗浄力および起泡力については、以下の表のように、

脂肪酸名 洗浄力
(温水)
洗浄力
(冷水)
起泡性 泡持続性
飽和脂肪酸 ラウリン酸
ミリスチン酸
パルミチン酸
ステアリン酸
不飽和脂肪酸 オレイン酸

このような傾向が明らかにされており[16]、パルミチン酸およびオレイン酸を主成分とするパーム脂肪酸Naは冷水および温水の両方で安定した洗浄力を有すると考えられます。

また、脂肪酸のナトリウム塩の起泡力については、1955年および1957年に日本油脂によって報告された飽和脂肪酸のナトリウムセッケンの起泡力検証によると、

– 泡立ち性試験 –

各飽和脂肪酸のナトリウムセッケンを水道水溶液(温度35℃)で0.25%濃度に希釈し、それぞれの起泡力をRoss&Miles法に基づいて測定したところ、以下の表のように、

飽和脂肪酸 炭素数 二重結合数 泡の高さ(mm)
直後 5分後
ラウリン酸 12 0 217 208
ミリスチン酸 14 0 350 350
パルミチン酸 16 0 37 32
ステアリン酸 18 0 25 21
オレイン酸 18 1 268 269

起泡力に最適な脂肪酸は炭素数12-14に存在し、他の炭素数ではかなり起泡力が低下していることがわかった。

また不飽和脂肪酸であるオレイン酸も高い起泡力をもっていることがわかった。

さらに同じ条件(各試料0.25%濃度、温度35℃)でオレイン酸と各飽和脂肪酸を1:1の等量配合した場合の起泡力を測定したところ、以下の表のように、

不飽和脂肪酸 飽和脂肪酸 泡の高さ(mm)
直後 5分後
オレイン酸 ラウリン酸 267 267
ミリスチン酸 285 286
パルミチン酸 303 304
ステアリン酸 279 279

オレイン酸を等量配合した場合、各飽和脂肪酸ナトリウムの炭素数による起泡力の影響はなかり少なくなり、またパルミチン酸およびステアリン酸ナトリウムの起泡力においては著しい相乗効果を示した。

このような検証結果が明らかにされており[17][18]、パルミチン酸およびオレイン酸を主成分とするパーム脂肪酸Naは高い起泡力を有していると考えられます。

ただし、実際の洗浄系製品には複数のナトリウムセッケンが配合されており、また洗浄力や起泡力を増強する成分なども配合されていることが考えられ、総合的な洗浄力、起泡性および泡持続性を示します[19]

2.3.2. カリウムセッケン合成による選択洗浄作用

カリウムセッケン合成による選択洗浄作用に関しては、まず前提知識としてカリウムセッケン合成およびカリウムセッケンの化粧品表示の種類について解説します。

カリウムセッケンを合成する代表的な工程としては、

セッケン製造の反応式

この2種類があり[12c][14b]、パーム油は油脂であることからケン化法によるセッケン合成に用いられ、またケン化に用いるアルカリを水酸化Kにすることでカリウムセッケン(液体石鹸)が得られます[15b]

セッケン製造の反応式の中では、ケン化法によって合成されるセッケンを「油脂脂肪酸K」と記載していますが、ケン化法で得られるパーム油のカリウムセッケンが化粧品成分一覧に表示される場合は、以下のように、

アルカリ剤の種類 化粧品成分表示方法
水酸化K パーム油、水酸化K
パーム脂肪酸K
カリ石ケン素地

これら3つのいずれかの表示方法で表示されるため、セッケン合成(洗浄基剤)目的で「パーム油」が化粧品成分一覧に表示されている場合は、水酸化Kが一緒に表示されます。

脂肪酸カリウム塩の洗浄力および起泡力については、脂肪酸ナトリウム塩と比較して溶解性が高く、起泡性に優れていることが知られており[20]、30℃および40℃での各脂肪酸濃度0.5%のカリウム塩(カリウムセッケン)の起泡力および泡持続性は、以下の表のように、

  脂肪酸名 起泡性 泡持続性
30℃ 40℃ 30℃ 40℃
飽和脂肪酸 ラウリン酸
ミリスチン酸
パルミチン酸
ステアリン酸
不飽和脂肪酸 オレイン酸

このような傾向が明らかにされており[21]、パルミチン酸およびオレイン酸を主成分とするパーム脂肪酸Kは30℃および40℃の両方で安定した起泡力および泡持続性をもつと考えられます。

次に、カリウムセッケンは主に洗顔料に使用されますが、洗顔においては酸敗した皮脂や汚れを洗浄することが必要である一方で、皮膚の恒常性を保持するための角層細胞間脂質まで洗い流してしまうことは防止する必要があります。

このような背景から、皮膚のつっぱり感や肌荒れを回避するために、皮膚の恒常性に必要な物質を極力洗い流さない選択洗浄性(∗4)が重要であり、顔におけるカリウムセッケンの選択洗浄性とは、皮膚の向上性を保つために重要な因子である角層細胞由来脂質であるコレステロールおよびコレステロールエステルを残存させ、皮脂由来脂質であるスクワレンを汚れとともに洗浄することを意味します。

∗4 選択洗浄性とは、ある物質はよく洗い流すが、ある物質は洗い流さず残すという洗浄剤の性質のことです。

1989年にポーラ化成工業によって報告された各カリウムセッケンの選択洗浄性検証によると、

– 皮脂溶解性試験 –

選択洗浄性について比較するために、皮脂腺由来スクワレンと角層細胞由来脂質であるコレステロールエステルおよびコレステロールを指標として、スクワレン、コレステロールエステルおよびコレステロールの比率が72:14:14のモデル皮脂を0.5%濃度の各カリウムセッケン洗浄液300mLで30分間洗浄し、水洗いを比較として、30分後の残存した皮脂組成を検討したところ、以下のグラフのように、

洗浄30分後のモデル皮脂組成比率の変化

水だけで洗顔した場合では、コレステロールエステルの比率が増加し、コレステロールの比率が減少した。

この結果は、指標とした3成分の中では最も親水性の高いコレステロールが洗浄されやすいものと考えられる。

各脂肪酸カリウム塩で洗浄した結果、パルミチンK、ステアリン酸Kおよびラウリン酸Kの順でスクワレンを十分に洗浄しコレステロールエステルとコレステロールを残す選択洗浄性を示した。

選択洗浄性が明らかに認められた脂肪酸セッケンは、ラウリン酸Kを除き、比較的炭素鎖の長い脂肪酸K(C16およびC18であった。

また、オレイン酸Kも他の脂肪酸カリウム塩ほどではないものの、スクワレンを洗浄しコレステロールエステルとコレステロールを残す選択洗浄性を示した。

この結果は、スクワレンのように極性のより低い油剤類に対しては親油基の大きい界面活性剤のほうが親和力が高いために選択洗浄性を示したものと考えられた。

このような検証結果が明らかにされており[22]、パルミチン酸およびオレイン酸を主成分とするパーム脂肪酸Kは十分なスクワレン洗浄力とコレステロールエステルおよびコレステロールを残す選択洗浄性をもつと考えられます。

3. 混合原料としての配合目的

パーム油は混合原料が開発されており、パーム油と以下の成分が併用されている場合は、混合原料として配合されている可能性が考えられます。

原料名 NIKKOL Trifat PS-45H
構成成分 水添パーム油パーム核油パーム油
特徴 感触調整に使用できる植物性ショートニングオイル

4. 配合製品数および配合量範囲

実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の1997年および2010年の調査結果になりますが、以下のように報告されています(∗5)

∗5 以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を指し、またリンスオフ製品は、洗い流し製品(シャンプー、ヘアコンディショナー、ボディソープ、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

パーム油の配合製品数と配合量の比較調査結果(1997年および2010年)

5. 安全性評価

パーム油の現時点での安全性は、

  • 外原規2021規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2021に収載
  • 40年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし-軽度
  • 眼刺激性:ほとんどなし-最小限
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし
  • 光毒性(光刺激性):ほとんどなし
  • 光感作性(アレルギー性):ほとんどなし

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

5.1. 皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ[23a][24]によると、

  • [ヒト試験] 110名の被検者に15%パーム油を含むワセリン0.025gをHRIPT(皮膚刺激性&皮膚感作性試験)を実施し、皮膚刺激スコアを「0:皮膚反応なし-4:紅斑、浮腫および水疱」のスケールで評価したところ、誘導期間において3名の被検者に1+の反応が観察されたが、チャレンジ期間に皮膚反応は観察されず、この製剤はいずれの被検者においても皮膚感作を誘発しなかった(International Research Services Inc,1997)
  • [ヒト試験] 99名の被検者に2%パーム油を含むボディローション0.3mLを対象にHRIPT(皮膚刺激性&皮膚感作性試験)を実施したところ、いずれの被検者も接触感作反応を示さなかった(Hill Top Research Inc,1982)
  • [ヒト試験] 94名の被検者に1%パーム油を含む日焼けバターを対象にHRIPT(皮膚刺激性&皮膚感作性試験)を実施したところ、試験期間中に皮膚反応は認められなかったため、1%パーム油を含む日焼けバターはアレルギー感作を誘発する可能性がないと結論づけた(Cosmetic Toiletry and Fragrance Association,1979)
  • [ヒト試験] 103名の被検者に1.5%パーム油を含む保湿剤を対象にHRIPT(皮膚刺激性&皮膚感作性試験)を実施したところ、誘導期間中に7名の被検者において最小限の紅斑反応が観察され、別の1名の被検者は誘導期間中に最大4のスコアのうち1(接触部分を覆うピンク色の均一な紅斑)を有していた。この8名のうち1名はチャレンジ期間においても反応が観察されたが、これらの反応は本質的に刺激性または感作性であると判断されず、この製剤は有意な皮膚刺激またはアレルギー性接触皮膚炎を誘発しないと結論付けられた(Food and Drug Human Clinical Labs Inc,1983)
  • [ヒト試験] 42名の被検者に61.6%パーム油を含む石鹸を対象に28日間の連用試験を実施したところ、連用に耐えうる安全性であった(EVIC France,2009)

このように記載されており、試験データをみるかぎり皮膚感作はなく、非刺激-軽度の皮膚刺激が報告されているため、一般に皮膚感作性はほとんどなく、皮膚刺激性は非刺激-軽度の皮膚刺激を引き起こす可能性があると考えられます。

5.2. 眼刺激性

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ[23b]によると、

  • [動物試験] 6匹のウサギの眼に未希釈のパーム油を滴下した後、眼はすすがず、Draize法に基づいて眼刺激スコアを0-110のスケールで評価したところ、1-2日目の眼刺激スコアは3であり、3日目には0であった。未希釈のパーム油は最小限の眼刺激を誘発すると結論づけられた(Cosmetic Toiletry and Fragrance Association,1978)
  • [動物試験] 6匹を1群としたウサギ2群に2%パームを含む2つのハンドクリームを対象に眼刺激性試験を実施したところ、どちらのハンドクリームも最小限の眼刺激剤であった。(Cosmetic Toiletry and Fragrance Association,1981)
  • [in vitro試験] 膜分配試験において1.5%パーム油を含むローション30,50および100μLを処理したところ、最小限の眼刺激剤に分類された(National Testing Corporation,1988)

このように記載されており、試験データをみるかぎり共通して最小限の眼刺激が報告されているため、一般に眼刺激性は非刺激-最小限の眼刺激を引き起こす可能性があると考えられます。

5.3. 光毒性(光刺激性)および光感作性

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ[23c]によると、

  • [ヒト試験] 22名の被検者に4%パーム油を含む製剤を対象に光感作性試験をともなうHRIPT(皮膚刺激性&皮膚感作性試験)を閉塞パッチにて実施したところ、チャレンジ試験後で3名の被検者の照射部位および6名の被検者の非照射部位にかろうじて知覚できる紅斑がみられ、照射部位と非照射部位に有意差は認められず、この試験物質は光感作剤ではなかった(TKL​​ Research,1993)
  • [in vitro試験] 1.5%パーム油を含むローションを対象に酵母を用いた光毒性試験を実施したところ、この試験物質は光刺激剤に分類されなかった(Cosmetic Toiletry and Fragrance Association,1986)

このように記載されており、試験データをみるかぎり光刺激および光感作なしと報告されているため、一般に光毒性(光刺激性)および光感作性はほとんどないと考えられます。

6. 参考文献

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  2. ab鈴木 修, 他(1990)「油脂およびろうの性状と組成」油脂化学便覧 改訂3版,99-137.
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  4. 広田 博(1997)「植物脂」化粧品用油脂の科学,26-31.
  5. abcd伊吹 昌久(2012)「パーム油」油脂の特性と応用,176-205.
  6. ab舛井 賢治・平尾 宗樹(2012)「やし油・パーム核油」油脂の特性と応用,206-229.
  7. 杉田 浩一, 他(2017)「パーム油」新版 日本食品大事典,602-603.
  8. 広田 博(1997)「動物性油脂」化粧品用油脂の科学,31-35.
  9. 宇山 侊男, 他(2020)「パーム油」化粧品成分ガイド 第7版,69.
  10. 日光ケミカルズ株式会社(1982)「過脂肪剤」化粧品製剤実用便覧,17.
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  12. ab井出 袈裟市, 他(1990)「セッケン」新版 脂肪酸化学 第2版,106-129.
  13. 日光ケミカルズ株式会社(2006)「脂肪酸塩」新化粧品原料ハンドブックⅡ,174-176.
  14. ab藤井 徹也(1995)「石けんの科学」洗う -その文化と石けん・洗剤,31-39.
  15. ab小野 正宏(1979)「身のまわりの化学”セッケンおよびシャンプー”」化学教育(27)(5),297-301. DOI:10.20665/kagakukyouiku.27.5_297.
  16. 田村 健夫・廣田 博(2001)「石けん」香粧品科学 理論と実際 第4版,336-348.
  17. 難波 義郎, 他(1955)「洗浄力に寄与する要因の研究(第1報)」油脂化学協会誌(4)(5),238-244. DOI:10.5650/jos1952.4.238.
  18. 林 静三郎, 他(1957)「洗浄力に寄与する要因の研究(第2報)」油化学(6)(4),208-213. DOI:10.5650/jos1956.6.208.
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  22. 橋本 文章, 他(1989)「界面活性剤の皮膚への吸着性と洗顔料による選択洗浄性」日本化粧品技術者会誌(23)(2),126-133. DOI:10.5107/sccj.23.126.
  23. abcW. johnson(2000)「Final Report on the Safety Assessment of Elaeis Guineensis (Palm) Oil, Elaeis Guineensis (Palm) Kernel Oil, Hydrogenated Palm Oil and Hydrogenated Palm Kernel Oil(∗6)」International Journal of Toxicology(19)(2_suppl),7-28.
    ∗6 PCPCのアカウントをもっていない場合はCIRをクリックし、表示されたページ中のアルファベットをどれかひとつクリックすれば、あとはアカウントなしでも上記レポートをクリックしてダウンロードが可能になります。
  24. C.L. Burnett(2017)「Safety Assessment of Plant-Derived Fatty Acid Oils」International Journal of Toxicology(36)(3_suppl),51S-129S. DOI:10.1177/1091581817740569.

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