ステアリルジメチコンの基本情報・配合目的・安全性

ステアリルジメチコン

化粧品表示名称 ステアリルジメチコン
化粧品国際的表示名称(INCI名) Stearyl Dimethicone
配合目的 基剤 など

1. 基本情報

1.1. 定義

以下の化学式で表されるジメチコンのメチル基(-CH3の一部をステアリル基(C18H37で置換した構造のシロキサン共重合体(∗1)(∗2)アルキル変性シリコーン油です[1]

∗1 シロキサン(siloxane)とは、ケイ素(元素記号:Si)と酸素(元素記号:O)を骨格とする化合物で、Si-O-Si結合(シロキサン結合)を持つものの総称です。

∗2 重合体とは、複数の単量体(モノマー:monomer)が繰り返し結合し、鎖状や網状にまとまって機能する多量体(ポリマー:polymer)のことを指し、2種類以上の単量体(モノマー:monomer)がつながってできているものを共重合体(copolymer:コポリマー)とよびます。ステアリルジメチコンはジメチルシロキサンとオクタデシルメチルシロキサンの共重合体です。「オクタデシル」はステアリルの別名です。

ステアリルジメチコン

1.2. 物性・性状

ステアリルジメチコンの物性・性状は(∗3)

∗3 融点とは固体が液体になりはじめる温度のことです。

状態 融点(℃)
固体 28-35

このように報告されています[2a][3a]

2. 化粧品としての配合目的

化粧品に配合される場合は、

  • 油性基剤

主にこれらの目的で、メイクアップ製品、化粧下地製品、日焼け止め製品、リップケア製品などに使用されています。

以下は、化粧品として配合される目的に対する根拠です。

2.1. 油性基剤

油性基剤に関しては、ステアリルジメチコンはジメチコンのメチル基(-CH3の一部をステアリル基(C18H37で置換した固体状シリコーンであり、融点が28-35℃と低く、体温で軟化するといった特徴や炭化水素高級脂肪酸などとの相溶性を示し、ベタつきのない感触を付与するといった特徴を有していることから[2b][3b]、油性成分としてメイクアップ製品、化粧下地製品、日焼け止め製品、リップケア製品などに使用されています。

3. 配合製品数および配合量範囲

実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の1998-1999年および2019-2022年の調査結果になりますが、以下のように報告されています(∗4)

∗4 以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を指し、またリンスオフ製品は、洗い流し製品(シャンプー、ヘアコンディショナー、ボディソープ、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

ステアリルジメチコンの配合製品数と配合量の調査結果(1998-1999年および2019-2022年)

4. 安全性評価

ステアリルジメチコンの現時点での安全性は、

  • 20年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし(データなし)
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

4.1. 皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)

20年以上の使用実績がある中で重大な皮膚刺激および皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

4.2. 眼刺激性

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細不明です。

5. 参考文献

  1. 日本化粧品工業連合会(2013)「ステアリルジメチコン」日本化粧品成分表示名称事典 第3版,550.
  2. abダウ・東レ株式会社(2020)「ワックス」油剤・皮膜形成剤・ワックスセレクションガイド,10.
  3. ab旭化成ワッカーシリコーン株式会社(2019)「アルキル変性シリコーン」化粧品用シリコーンガイド,22-24.

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