ミネラルオイルの基本情報・配合目的・安全性

化粧品表示名 ミネラルオイル
医薬部外品表示名 流動パラフィン
INCI名 Mineral Oil
配合目的 基剤エモリエント溶剤 など

1. 基本情報

1.1. 定義

石油を蒸留し固形パラフィンを除去した上で精製して得られる、大部分が炭素数16-32(C16-32のパラフィン系炭化水素およびナフテン系炭化水素の飽和成分から成る液状の炭化水素の混合物(石油系炭化水素)です[1][2a]

1.2. 化粧品以外の主な用途

ミネラルオイルの化粧品以外の主な用途としては、

分野 用途
医薬品 可塑、潤沢、可溶・可溶化、基剤、結合、懸濁・懸濁化、光沢化、コーティング、湿潤、軟化、乳化、粘稠・粘稠化、賦形、分散、溶剤、溶解目的の医薬品添加剤として経口剤、外用剤、眼科用剤、歯科外用剤および口中用剤などに用いられています[3]

これらの用途が報告されています。

2. 化粧品としての配合目的

化粧品に配合される場合は、

  • 油性基剤
  • エモリエント効果
  • 溶剤

主にこれらの目的で、メイクアップ製品、化粧下地製品、クレンジング製品、日焼け止め製品、スキンケア製品、マスク製品、アウトバストリートメント製品、ボディ&ハンドケア製品、ヘアスタイリング製品、ネイル製品、入浴剤など様々な製品に汎用されています。

以下は、化粧品として配合される目的に対する根拠です。

2.1. 油性基剤

油性基剤に関しては、ミネラルオイルは化学的に不活性で酸化安定性が高く、また潤滑性を有していることから、メイクアップ製品、クリーム系製品、オイル系製品を中心に汎用されています[4a]

また、化学的に不活性かつ皮膚への浸透性がほとんどないことから、クレンジング製品やメイクアップリムーバーの基剤としても汎用されています[2b][4b]

2.2. エモリエント効果

エモリエント効果に関しては、ミネラルオイルは閉塞性により皮膚の水分蒸発を抑え、その結果として皮膚に柔軟性や滑らかさを付与するエモリエント性を有していることから[5][6][7]、各種クリーム、乳液、メイクアップ製品、ヘアケア製品などに汎用されています。

2.3. 溶剤

溶剤に関しては、ミネラルオイルは油溶性の化合物や植物エキスを溶かし込む溶剤として使用されています。

3. 混合原料としての配合目的

ミネラルオイルは、混合原料が開発されており、ミネラルオイルと以下の成分が併用されている場合は、混合原料として配合されている可能性が考えられます。

原料名 KSG-310
構成成分 ミネラルオイル、(PEG-15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー
特徴 W/Si型、W/O型クリームをつくることができ、滑らかな感触を付与する乳化剤
原料名 KSG-810
構成成分 ミネラルオイル、(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー
特徴 W/Si型、W/O型クリームをつくることができ、保水性が高く肌になじみやすいソフトでしっとりした感触を付与する乳化剤
原料名 KSG-41A
構成成分 ミネラルオイル、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー
特徴 アルキル鎖を構造にもつシリコーン架橋物がミネラルオイルに膨潤しているため、炭化水素油への膨潤性が高く、油相に粘性を付与するなめらかな感触のゲル剤

4. 安全性評価

ミネラルオイルの現時点での安全性は、

  • 医療上汎用性があり有効性および安全性の基準を満たした成分が収載される日本薬局方に収載
  • 外原規2021規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2021に収載
  • 40年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし(データなし)
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

4.1. 皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)

現在一般に使用されている高度に精製されたミネラルオイルは、40年以上の使用実績がある中で重大な皮膚刺激および皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

4.2. 眼刺激性

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細不明です。

5. 参考文献

  1. 日本化粧品工業連合会(2013)「ミネラルオイル」日本化粧品成分表示名称事典 第3版,962.
  2. ab日光ケミカルズ株式会社(2016)「炭化水素」パーソナルケアハンドブックⅠ,25-31.
  3. 日本医薬品添加剤協会(2021)「流動パラフィン」医薬品添加物事典2021,719-720.
  4. ab広田 博(1997)「炭化水素類」化粧品用油脂の科学,54-60.
  5. G.N. Stamatas, et al(2008)「Lipid uptake and skin occlusion following topical application of oils on adult and infant skin」Journal of Dermatological Science(50)(2),135-142. DOI:10.1016/j.jdermsci.2007.11.006.
  6. A. Patzelt, et al(2012)「Lipid uptake and skin occlusion following topical application of oils on adult and infant skin」Skin Research & Technology(18)(3),364-369. DOI:10.1111/j.1600-0846.2011.00578.x.
  7. 平尾 哲二(2006)「乾燥と保湿のメカニズム」アンチ・エイジングシリーズ No.2 皮膚の抗老化最前線,62-75.

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