1,2-ヘキサンジオールとは…成分効果と毒性を解説

ベース成分 保湿成分 抗菌成分
1,2-ヘキサンジオール
[化粧品成分表示名称]
・1,2-ヘキサンジオール

水やエタノールによく溶ける無色透明の保湿剤または抗菌補助剤です。

ヘキシレングリコールと呼ばれることもあります。

グリセリン、BG、DPGと性質が同じで同じくらいの保湿効果や抗菌力があります。

ただし、他の保湿剤よりも抗菌力が優れており、製品の保存性を高める効果にも優れているので、防腐剤を使用しない防腐剤フリーやノンパラベンの化粧品によく使用されます。

ごく微量でも殺菌効果を発揮するので、防腐剤の配合を減らすために防腐剤と併用して使用されることも多いです。

また、2種類のアルカンジオールを配合することで、単体よりも高い抗菌活性作用があることがわかっており、2種類を併用することでそれぞれの配合量を下げることが可能です。

2種類を配合した代表的なものが、1,2-ヘキサンジオールとカプリリルグリコールですが、以下の資料によると特定の菌や酵母およびカビにおいて何倍もの相乗効果がでているのがわかります(∗1)

抗菌性の相乗効果

∗1 混合物というのが1,2-ヘキサンジオールとカプリリルグリコールを混ぜたものです。

1,2-ヘキサンジオールが実際にどのような製品にどれくらい配合されているのかというと、海外の2012年の調査結果になりますが、以下に報告があります。

ちなみに製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

1,2-ヘキサンジオールの配合状況調査結果(2012年)

リーブオン製品で皮膚接触が多いので、効果から判断してスキンケア化粧品が多そうです。

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1,2-ヘキサンジオールの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

1,2-ヘキサンジオールの現時点での安全性は、皮膚刺激性や毒性はほとんどなく、眼刺激を起こす可能性があるものの、重大なアレルギー(皮膚感作)の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗2)やレポートを参照しています。

∗2 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of 1,2-Glycols as Used in Cosmetics」(文献1:2012)によると、

  • [ヒト試験] 205名の参加者(男性42名、女性163名)に15%1,2-ヘキサンジオールを含むカルボマーゲルを誘導期間およびチャレンジ期間に48時間閉塞パッチ適用し、チャレンジパッチの48および72時間後に反応をスコア付けしたところ、205名のうち1名に刺激反応がみられたがその後4日間の反復解放パッチテストでは反応は観察されなかった
  • [ヒト試験] 224人の被検者(男性48人、女性176人、19~70歳)に0.5%1,2-ヘキサンジオールを含むカルボマーゲルで皮膚刺激テストを実施したところ、いずれの被検者も皮膚刺激反応を有していなかった
  • [ヒト試験] 56人の参加者に10%1,2-ヘキサンジオール水溶液を適用したところ、いずれの参加者も皮膚刺激を誘発しなかった
  • [ヒト試験] 101人の参加者の背中に0.5%1,2-ヘキサンジオールを含むゲル製剤を24時間半閉塞パッチ下で適用したところ、この製剤は皮膚刺激を引き起こさなかった
  • [ヒト試験] 28人の参加者の背中に0.15%1,2-ヘキサンジオールを含むボディウォッシュを週3回30日間にわたって適用したところ、参加者のいずれも紅斑や浮腫または適用部位に乾燥はなく、この製品は皮膚刺激を誘発する可能性を示さなかったと結論づけた

と記載されています。

試験結果では共通して皮膚刺激がないため、皮膚刺激性や毒性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of 1,2-Glycols as Used in Cosmetics」(文献1:2012)によると、

  • 50%1,2-ヘキサンジオールと50%カプリリルグリコールの混合物の1%水溶液は、重度の眼刺激剤として分類された

と記載されています。

試験結果がひとつしかないため根拠としては弱いのですが、現時点では眼刺激性を起こす可能性があると考えられます。

アレルギー(皮膚感作性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of 1,2-Glycols as Used in Cosmetics」(文献1:2012)によると、

  • [ヒト試験] 56人の参加者に10%1,2-ヘキサンジオール水溶液を適用したところ、いずれの参加者も皮膚感作を誘発しなかった
  • [ヒト試験] 28人の参加者の背中に0.15%1,2-ヘキサンジオールを含むボディウォッシュを週3回30日間にわたって適用したところ、参加者のいずれも紅斑や浮腫または適用部位に乾燥はなく、この製品は皮膚感作を誘発する可能性を示さなかったと結論づけた
  • [動物試験] マウスを用いたOECD429ガイドラインに従った皮膚感作性試験において、10,50,100%1,2-ヘキサンジオール溶液を評価したところ、皮膚感作性は陰性だった

と記載されています。

試験結果によると共通して皮膚感作性は観察されておらず、国内でも重大なアレルギーの報告はないため、アレルギー(皮膚感作)が起こる可能性は低いと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
1,2-ヘキサンジオール

参考までに化粧品毒性判定事典によると、1,2-ヘキサンジオールは△(∗3)となっており、毒性に関しては心配する必要はありません。

∗3 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

1,2-ヘキサンジオールはベース成分、保湿成分にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分 保湿成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2012)「Safety Assessment of 1,2-Glycols as Used in Cosmetics」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/1091581812460409> 2017年10月16日アクセス.

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