炭酸ジアルキル(C14,15)の基本情報・配合目的・安全性

炭酸ジアルキル(C14,15)

化粧品表示名称 炭酸ジアルキル(C14,15)
医薬部外品表示名称 炭酸ジアルキル(14,15)
化粧品国際的表示名称(INCI名) C14-15 Dialkyl Carbonate
配合目的 基剤 など

1. 基本情報

1.1. 定義

以下の化学式で表される炭酸のカルボキシ基(-COOH)およびヒドロキシ基(-OH)に炭素数14-15(C14-15の脂肪族アルコールのヒドロキシ基(-OH)を脱水縮合(∗1)したジエステル(∗2)です[1]

∗1 脱水縮合とは、分子と分子から水(H2O)が離脱することにより分子と分子が結合する反応のことをいいます。脂肪酸とアルコールのエステルにおいては、脂肪酸(R-COOH)のカルボキシ基(-COOH)の「OH」とアルコール(R-OH)のヒドロキシ基(-OH)の「H」が分離し、これらが結合して水分子(H2O)として離脱する一方で、残ったカルボキシル基の「CO」とヒドロキシ基の「O」が結合してエステル結合(-COO-)が形成されます。

∗2 モノエステルとは分子内に1基のエステル結合をもつエステルであり、通常はギリシャ語で「1」を意味する「モノ(mono)」が省略され「エステル結合」や「エステル」とだけ記載されます。分子内に2基のエステル結合をもつ場合はギリシャ語で「2」を意味する「ジ(di)」をつけてジエステルと記載されます。

炭酸ジアルキル(C14,15)

1.2. 物性・性状

炭酸ジアルキル(C14,15)の物性・性状は、

状態
液体

このように報告されています[2a]

2. 化粧品としての配合目的

化粧品に配合される場合は、

  • 油性基剤

主にこれらの目的で、リップ系メイクアップ製品、その他のメイクアップ製品、化粧下地製品、コンシーラー製品などに汎用されています。

以下は、化粧品として配合される目的に対する根拠です。

2.1. 油性基剤

油性基剤に関しては、炭酸ジアルキル(C14,15)は油性感が少なく、顔料・粉体の分散性に優れることから[2b]、主にリップ系メイクアップ製品、その他のメイクアップ製品、化粧下地製品、コンシーラー製品に汎用されています。

3. 配合製品数および配合量範囲

実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の2015-2016年の調査結果になりますが、以下のように報告されています(∗3)

∗3 以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を指し、またリンスオフ製品は、洗い流し製品(シャンプー、ヘアコンディショナー、ボディソープ、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

炭酸ジアルキル(C14,15)の配合製品数と配合量の調査結果(2015-2016年)

4. 安全性評価

炭酸ジアルキル(C14,15)の現時点での安全性は、

  • 外原規2021規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2021に収載
  • 20年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし(データなし)
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

4.1. 皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)

医薬部外品原料規格2021に収載されており、20年以上の使用実績がある中で重大な皮膚刺激および皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

また、炭酸と炭素数8(C8の脂肪族アルコールとのジエステルである炭酸ジカプリリルを31%含む製品において、ヒト試験において皮膚刺激性および皮膚感作性がほとんどないことが報告されており、この報告が同様の構造をもち炭酸ジカプリリルより炭素数の大きい炭酸ジアルキル(C14,15)の安全性を裏付けていると考えられます[3]

4.2. 眼刺激性

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細不明です。

5. 参考文献

  1. 日本化粧品工業連合会(2013)「炭酸ジアルキル(C14,15)」日本化粧品成分表示名称事典 第3版,638.
  2. ab日光ケミカルズ株式会社(2021)「脂肪酸エステルと多塩基酸エステル」製品カタログ,15-16.
  3. W.F. Bergfeld, et al(2017)「Safety Assessment of Dialkyl Carbonates as Used in Cosmetics(∗4)」, 2022年4月2日アクセス.
    ∗4 PCPCのアカウントをもっていない場合はCIRをクリックし、表示されたページ中のアルファベットをどれかひとつクリックすれば、あとはアカウントなしでも上記レポートをクリックしてダウンロードが可能になります。

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