水添パーム核油とは…成分効果と毒性を解説

ベース成分 感触改良剤
水添パーム核油
[化粧品成分表示名称]
・水添パーム核油

[医薬部外品表示名称]
・硬化油

アブラヤシの種子から得られるパーム核油の酸化しやすい部分に水素を結合させて酸化安定性を高めた油です。

クリーム類の程度調整や感触改良に適しており、スキンケア化粧品やメイクアップ化粧品に配合されます。

実際にどのような製品に配合されているかというと、海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

水添パーム核油の配合製品数と配合量の調査結果(1997年)

水添パーム核油の配合製品数と配合量の調査結果

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水添パーム核油の安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

水添パーム核油の現時点での安全性は、皮膚刺激性はほとんどなく、軽度の眼刺激性が起こる可能性はあるものの、アレルギー性(皮膚感作性)もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessmentof Elaeis Guineensis (Palm) Oil, Elaeis Guineensis (Palm) Kernel Oil, Hydrogenated Palm Oil and Hydrogenated Palm Kernel Oil」(文献1:2000)によると、

  • [ヒト試験] 18.6%水添パーム核油を含むアイライナー製品の刺激可能性を60人の女性被検者を用いて評価した。プレ試験としてアイライナーを含む半閉塞パッチを各被検者の腕に24時間適用したあと、被検者は少なくとも1日2回28日間にわたってアイライナーを適用してもらい、試験の7,14および21日目に眼科検査をを行った。試験を完了した59人のうち17人はまぶたに一過性の軽度の腫脹を有したが、観察された軽度の眼の刺激は正常の範囲内と判断され、アイライナーは通常の条件下で有意な眼刺激または感作を生じなかったと結論づけられた(Harrison Research Laboratories Inc.,1994)
  • [ヒト試験] 17.3%水添パーム核油を含むアイライナーの刺激性を50人の健康な女性被検者で評価した。各被検者に28日間連続でアイライナーペンシルを1日2回適用してもらい反応を評価したところ、1人の被検者に一過性の赤みがみられたが、これは製品適用と無関係と考えられた。この試験条件化ではアイライナーペンシルはいずれの被検者においても刺激を誘発しなかった(Biosearch Inc.,1988-1989)

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、皮膚刺激および皮膚感作性なしと結論づけられているため、皮膚刺激および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessmentof Elaeis Guineensis (Palm) Oil, Elaeis Guineensis (Palm) Kernel Oil, Hydrogenated Palm Oil and Hydrogenated Palm Kernel Oil」(文献1:2000)によると、

  • [動物試験] 水添パーム核油の眼刺激性を8匹のウサギを用いて評価した。各ウサギの結膜嚢に未希釈の試験物質を10日間にわたって点滴注入し、点滴後最初の1分で眼刺激性を検査したところ、反応は5~30分以内に消失し、その時点で処置された眼は未処置の眼と差異はなかった。さらに10日観察したところ、目に見える変化は観察されなかった。この結果から眼刺激性は軽度であると結論づけられた(Khadzhay, Nikolaevas and Pavlova,1975)

と記載されています。

試験結果はひとつですが、軽度の眼刺激性ありとと結論づけられているため、軽度の眼刺激性が起こる可能性があると考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
水添パーム核油 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、水添パーム核油は毒性なし(∗2)となっており、毒性はないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

水添パーム核油はベース成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2000)「Final Report on the Safety Assessmentof Elaeis Guineensis (Palm) Oil, Elaeis Guineensis (Palm) Kernel Oil, Hydrogenated Palm Oil and Hydrogenated Palm Kernel Oil」, <https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/pr267.pdf> 2017年12月31日アクセス.

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