月見草油とは…成分効果と毒性を解説

ベース成分 エモリエント成分
月見草油
[化粧品成分表示名称]
・月見草油

アカバナ科マツヨイグサ属の多年草である月見草(メマツヨイグサ)の種子を低温圧搾して得られる淡黄色の透明液状油脂です。

イブニングプリムローズオイルとも呼ばれます。

北アメリカ原産で、古くからインディアンが野生のものを用いて、その抽出液を皮膚の炎症や発疹に塗ったり、飲用してぜんそくの咳を鎮めたり、感染を防いでいました。

植物油事典や海外の資料など複数の資料を参考にしたところ、月見草油の脂肪酸組成は、

  • リノール酸(不飽和脂肪酸類):70%
  • γ-リノレン酸(不飽和脂肪酸類):10.5%
  • オレイン酸(不飽和脂肪酸類):8.5%
  • パルミチン酸(飽和脂肪酸類):6.3%
  • ステアリン酸(飽和脂肪酸類):1.8%
  • α-リノレン酸(不飽和脂肪酸類):0.2%
  • アラキジン酸(飽和脂肪酸類):~1%
  • エイコセン酸(不飽和脂肪酸類):~1%

となっており、ヨウ素価198となっています。

主成分はリノール酸で、γ-リノレン酸が比較的多く含まれることからルリジサ種子油(ボラージ油)と似た特徴があります。

γ-リノレン酸は母乳にも含まれる成分で、離乳食や粉ミルクにも配合されています。

薬理作用としては、γ-リノレン酸はアレルギー症状を軽減する働きがあり、ホルモンに影響して免疫系の強化を促し、アトピー性皮膚炎や乾燥肌の症状を改善することで知られています。

また、γ-リノレン酸は肝機能を助ける働きがあることから二日酔いの予防やアルコールで負担のかかった肝臓をケアします。

スキンケアとしては、重複しますが、γ-リノレン酸に免疫力を高めてアレルギー症状を軽減するはたらきがあることから、アトピー性皮膚炎や乾燥肌の症状を改善する効果が期待できます。

さらに、リノール酸が豊富なので高い保湿効果があり、乾燥によって角質がうろこ状に荒れてしまったような症状の改善に有効です。

石けん、化粧水、乳液などのほかメイクアップ化粧品やシャンプーやリンスにも使用されます。

実際にどのような製品に配合されているかというと、海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに表の中の製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

月見草油の配合製品数と配合量の調査結果(2010年)

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月見草油の安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

月見草油の現時点での安全性は、皮膚刺激性はほとんどなく、眼刺激性はデータ不足により詳細不明ですが、アレルギー(皮膚感作)もほとんどないため、安全性の高い成分であると考えられます。

ただし、秋の花粉として有名なキク科植物であるブタクサにアレルギーをもつ場合は、アレルギーが起こる可能性があるため注意が必要です。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Plant-Derived Fatty Acid Oils as Used in Cosmetics」(文献1:2011)によると、

  • [ヒト試験] 600人の被検者に1.99%月見草油を含むファンデーションを閉塞パッチで繰り返し適用(HRIPT)したところ、皮膚刺激および皮膚感作性はなかった(Orentreich Research Corporation,2007)

と記載されています。

試験結果はひとつで根拠として弱いですが、現時点では皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

ただし、秋の花粉として有名なキク科植物であるブタクサにアレルギーをもつ場合は、アレルギーが起こる可能性があるため注意が必要です。

眼刺激性について

眼刺激性に関しては、試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
月見草油 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、月見草油は毒性なし(∗2)となっており、毒性に関しては心配する必要はありません。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

月見草油はベース成分、エモリエント成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分 エモリエント成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2011)「Plant-Derived Fatty Acid Oils as Used in Cosmetics」, <https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR577.pdf> 2017年12月20日アクセス.

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