合成ワックスとは…成分効果と毒性を解説

ベース成分 皮膜形成 分散 スクラブ
合成ワックス
[化粧品成分表示名称]
・合成ワックス

[医薬部外品表示名称]
・合成炭化水素ワックス

[慣用名]
・合成パラフィン

水素と一酸化炭素の触媒反応(フィッシャー・トロプシュ:Fischer-Tropsch)、またはエチレンの重合によって合成されるC₄₀-C₅₀で構成された分子量500-700の炭化水素(∗1)です。

∗1 炭化水素とは、炭素と水素のみからなる化合物で、化学的に極めて不活性な物質です。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、スティック状化粧品、洗顔料などに使用されています(文献1:1984;文献2:2012)

皮膜形成

皮膜形成に関しては、耐水性で光沢のある皮膜を形成するため、口紅や乳化物のツヤ出しに汎用されています(文献2:2012)

分散

分散に関しては、顔料(着色料)を基剤に分散させるための分散助剤として使用され、メイクアップ化粧品などに配合されます(文献3:2017)

スクラブ

スクラブに関しては、弾性のある柔軟なスクラブ成分・マイクロビーズ成分として洗顔料に広く使用されています。

実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の1984年および2002-2003年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

合成ワックスの配合品数と配合量の調査結果(1984年および2002-2003年)

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合成ワックスの安全性(刺激性・アレルギー)について

合成ワックスの現時点での安全性は、

  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:ほとんどなし
  • 皮膚感作性:ほとんどなし

これらの結果から、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:1984)によると、

  • [ヒト試験] 209人のボランティアに6%合成ワックスを含むリップコンディショナーを閉塞パッチテストしたところ、観測できる皮膚反応はなく、この製品は刺激剤および感作剤ではなかった(Cosmetic Toiletry and Fragrance Association,1980)
  • [ヒト試験] 25人のボランティアに6%合成ワックスを含むリップ製剤を対象に4週間の使用試験を実施したところ、皮膚反応を誘発しなかった(Cosmetic Toiletry and Fragrance Association,1980)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、共通して皮膚刺激性および皮膚感作性なしと報告されているため、一般的に皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:1984)によると、

  • [動物試験] 6匹のウサギの眼に6%合成ワックスを含むリップ製剤0.1gを注入し、注入から3日間観察したところ、眼刺激性は示さなかった(Cosmetic Toiletry and Fragrance Association,1980)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、共通して眼刺激なしと報告されているため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

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合成ワックスはベース成分、その他にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分  その他

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文献一覧:

  1. Cosmetic Ingredient Review(1984)「Final Report on the Safety Assessment of Fossil and Synthetic Waxes」International Journal of Toxicology(3)(3),43-99.
  2. 鈴木 一成(2012)「合成ワックス」化粧品成分用語事典2012,606.
  3. 柴田 雅史(2017)「化粧品で用いられる油性ゲルの物性とその持続性向上技術」色材協会誌(90)(10),349-353.

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