モクロウとは…成分効果と毒性を解説

ベース成分
モクロウ
[化粧品成分表示名称]
・モクロウ

[慣用名]
・木蝋、ジャパンワックス

ウルシ科植物ハゼノキの果実から得た脂肪を漂白してつくられる白色~淡黄色の固形オイルです。

モクロウの脂肪酸組成は、

  • パルミチン酸(飽和脂肪酸類):77~81%
  • オレイン酸(不飽和脂肪酸類):12~13%
  • 日本酸(-):6%
  • ステアリン酸(飽和脂肪酸類):5%
  • リノール酸(不飽和脂肪酸類):1%

パルミチン酸とオレイン酸を主体としたトリグリセリドとなっており、モクロウという名前から想像されるロウではなく、本来は油脂のカテゴリに属しますが、一般的にはモクロウ(木蝋)と呼ばれています(文献1:1984)

日本人にとっては和ロウソクや鬢付け油として使用されてきた馴染みの深いオイルですが、皮膚によくなじむ特性のほか、日本酸が含まれることによって組織が緻密になり得られる光沢性や強い粘靭性を有していることから、ポマード、アイペンシル、口紅、ファンデーション、眉墨、クリームなどに使用されています。

実際にどのような製品に配合されているかというと、海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

モクロウの配合製品数と配合量の比較調査結果

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モクロウの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

モクロウの現時点での安全性は、皮膚刺激性および眼刺激性はなく、皮膚感作性(アレルギー性)の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Candelilla Wax, Carnauba Wax, Japan Wax, and Beeswax」(文献1:1984)によると、

  • [ヒト試験] 56人の女性被検者の背中に50%モクロウを含むワセリンと36%までのモクロウを含む3つの製品を誘導期間において24時間パッチを10回適用し、13日の無処置期間を設けた後に48時間チャレンジパッチを適用し、さらに7日後に2回目の48時間チャレンジパッチを適用した。パッチ除去48時間および72時間後に試験部位を評価したところ、いずれの被検者においても皮膚刺激またはアレルギー反応は観察されなかった
  • [ヒト試験] 53人の女性被検者に2.5%モクロウを含む製品を試験したところ、いずれの被検者も刺激またはアレルギー反応を示さなかった
  • [ヒト試験] 50人の女性と3人の男性、そして別の56人女性被検者に36%モクロウを含む2つの製品を試験したところ、どちらの製品でもいずれの被検者も刺激やアレルギー反応は認められなかった

と記載されています。

試験結果は共通して皮膚刺激および皮膚感作を示さないと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Candelilla Wax, Carnauba Wax, Japan Wax, and Beeswax」(文献1:1984)によると、

  • [動物試験] 9匹のウサギの片眼に35%モクロウを含む製品0.1gを点眼し、3匹のウサギは点眼後に20mLの水ですぐにすすぎ、残りの6匹の眼はすすがず、点眼後24,48および72時間後に評価したところ、1つの製品は眼の洗浄の有無にかかわらず刺激がなく非刺激剤とみなされた。2つ目の製品は洗浄していない眼において刺激スコア0.3の最小限の刺激を生じ、洗浄した眼では刺激は認められなかった。この製品は最初の製品同様に無刺激剤と考えられた
  • [動物試験] 3匹野うさぎの片眼にモクロウ0.1mLを点眼し、1,2,3,4および7日後に評価したところ、モクロウはいずれのウサギの眼にも刺激を与えなかった

と記載されています。

試験結果では共通して眼刺激なしと報告されているため、眼刺激はないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
モクロウ 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、モクロウは毒性なし(∗2)となっていおり、安全性に問題ないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

モクロウはベース成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(1984)「Final Report on the Safety Assessment of Candelilla Wax, Carnauba Wax, Japan Wax, and Beeswax」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.3109/10915818409010515> 2018年1月18日アクセス.

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