メドウフォーム油とは…成分効果と毒性を解説

エモリエント成分 ベース成分 感触改良
メドウフォーム油
[化粧品成分表示名称]
・メドウフォーム油

[医薬部外品表示名称]
・メドウフォーム油

リムナンテス科植物メドウフォーム(学名:Limnanthes Alba)の種子から得られる植物油(植物オイル)です。

メドウフォームは、北カリフォルニア、南オレゴンなどに自生しており、現在は品種改良が行われ大量に栽培されています。

メドウフォーム(Meadowfoam)の名は、白い小さな花をたくさん咲かせ、泡のように見えることに由来しており、メドウフォーム油の脂肪酸組成は、抽出方法や天然成分のため国や地域および時期によって変化がありますが、主に、

脂肪酸名 脂肪酸の種類 炭素数:二重結合数 比率(%)
パルミトレイン酸 不飽和脂肪酸 C16:1 0.2
オレイン酸 不飽和脂肪酸 C18:1 2.0
エイコセン酸 不飽和脂肪酸 C20:1 65.0
エルカ酸 不飽和脂肪酸 C22:1 20.0
リノール酸 不飽和脂肪酸 C18:2 0.2
ドコサジエン酸 不飽和脂肪酸 C22:2 10.0
パルミチン酸 飽和脂肪酸 C16:0 0.2
ステアリン酸 飽和脂肪酸 C18:0 2.1
アラキジン酸 飽和脂肪酸 C20:0 2.0
ベヘン酸 飽和脂肪酸 C22:0 0.8

このような種類と比率で構成されています(文献2:1997)

エイコセン酸が約65%、エルカ酸が約20%を占めており、これらを中心に二重結合が1つのみの不飽和脂肪酸を多く含有していますが、リノール酸やリノレン酸など二重結合が2つ以上の不飽和脂肪酸の含有量が低いため、酸化安定性は高いと考えられます。

エイコセン酸(炭素数20:C20)を主成分とし、さらにエルカ酸(炭素数22:C22)、ドコサジエン酸(炭素数22:C22)のような長鎖の不飽和脂肪酸を多量に含有している油は、一般の植物油にはみられず、これらは一般的には海産動物油などに多く含まれている不飽和脂肪酸です。

また単総数20:C20以上の脂肪酸が97%を占めているにもかかわらず、液状であるのは、これらの脂肪酸のほとんどが不飽和脂肪酸であることに起因しています。

ヨウ素価は、

ヨウ素価 ヨウ素価による分類
87 不乾性油

一例としてこのように記載されており(文献2:1997)、100以下の不乾性油のため、乾燥性はほとんどありません。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、スキンケア化粧品、ヘアケア製品、メイクアップ化粧品、ボディ&ハンドケア製品、リップケア製品などに広く使用されます(文献3:2016)

エモリエント作用

エモリエント作用に関しては、皮膚に保水性の膜を形成し、皮膚の水分を保持する働きがあり、保湿クリームや乳液、ヘアケア製品、マッサージクリーム・オイルなどに配合されます(文献3:2016)

感触改良

感触改良に関しては、粘度がやや高く、厚みがあり、コシのある感触を有しており、肌の上ではスムーズに広がり、なめらかでしっとりしたコクやリッチ感のある感触を付与します(文献3:2016)

油やワックスとの相溶性が良いことからリップクリームや口紅などへ配合すると唇への付着性が向上します(文献3:2016)

実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の2010年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

メドウフォーム油の配合製品数と配合量の調査結果(2010年)

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メドウフォーム油の安全性(刺激性・アレルギー)について

メドウフォーム油の現時点での安全性は、

  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし

これらの結果から、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2017)によると、

  • [ヒト試験] 109人の被検者に71.3%メドウフォーム油を含むフェイシャルリペア製品を対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を半閉塞パッチ下で実施したところ、誘導期間初日に7人の被検者において軽度の紅斑(±)が観察されましたが、他に皮膚反応は観察されず、皮膚刺激剤および皮膚感作剤ではないと結論付けられた(Clinical Research Laboratories,2005)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、共通して皮膚刺激性および皮膚感作性なしと報告されているため、一般的に皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

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メドウフォーム油はエモリエント成分、ベース成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:エモリエント成分 ベース成分

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文献一覧:

  1. Cosmetic Ingredient Review(2017)「Safety Assessment of Plant-Derived Fatty Acid Oils」International Journal of Toxicology(36)(3),51S-129S.
  2. 広田 博(1997)「不乾性油」化粧品用油脂の科学,18-26.
  3. 日光ケミカルズ(2016)「油脂」パーソナルケアハンドブック,17-18.

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